国土交通省は2016年6月13日、地方自治体にホテル用地の容積率を緩和するよう促す通知「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度の創設に係る通知」を出した。
これを受け、大阪市でも「ホテルの容積率緩和制度」を創設した。
引用 大阪市PDF
結論から言うと、ツインルームで客室面積22㎡以上が対象で、大阪市内で不足している高級ホテルの客室面積50㎡には十分に対応できていない。
特に、スモールラグジュアリーホテルは容積率緩和の対象外になることが多い。
国土交通省は、スモールラグジュアリーホテルに対応するよう「ホテル用地の容積率緩和制度」を見直すべき時期だと思う。
実際には、大阪市が独自で「容積率緩和制度」を変更できるようだが、国土交通省が通達を見直すべきだと思う。
客室面積
- シングルルームにおいては「15㎡以上」
- ツインルームにおいては「22㎡以上」
対象エリア
- 商業地域、指定容積率 600%以上のエリアで概ね 5,000 ㎡以上の開発区域の場合、容積率緩和の上限「+300%」
- 商業地域、指定容積率 400%以上のエリアで概ね 3,000 ㎡以上の開発区域の場合、容積率緩和の上限「+200%」
- 都市再生緊急整備地域内で概ね 5,000 ㎡以上の開発区域の場合、容積率緩和の上限「+300%」
容積率緩和の対象は、開発面積「おおむね3,000㎡」以上なので、例えば「横50m×縦40m=敷地面積2,000㎡」の土地は対象外となる。
客室面積も、シングル15㎡以上、ツイン22㎡以上というのは、いわゆる「シティホテル・高級ビジネスホテル」を想定したものだと思う。
高級ホテルの世界的基準は客室面積50㎡以上なので、客室面積は国土交通省の通達の対象になるが、敷地面積が2,000㎡ならば対象外になる。
現在、世界的に流行している「スモールラグジュアリーホテル」は、国土交通省の通達の対象外になることが多い。
- 東京(50ホテル):スイートルーム(1,104室)
- 大阪(18ホテル):スイートルーム(352室)
- 名古屋(8ホテル):スイートルーム(67室)
引用 朝日新聞
横浜市の高級ホテル誘致40億円
横浜市は、「コンラッド横浜」を誘致するため40億円の補助金を「企業立地促進条例」に基づき支給している。
引用 横浜市PDF
大阪市は補助金支給ではなく容積率緩和すべき
大阪市は、補助金を支給しなくても「高級ホテル」を誘致できているが、やはり「高級ホテル」は不足している。
そのため、大阪市は「スモールラグジュアリーホテル」を対象に「容積率緩和」をすべきだと思う。
具体的には、現在の対象物件は「開発面積3,000㎡以上」となっているが、「開発面積2,000㎡以上」に緩和すべきだと思う。