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JR西日本「JR桜島線延伸」、京阪「中之島線延伸」の2路線が優位、2路線合計3,500億円(大阪府・市の検討会)

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大阪府・市は2025年8月6日、大阪市の人工島、夢洲(ゆめしま)への新たなアクセス鉄道として2つのルート案を検討会で比較検討した結果、JR西日本と京阪電気鉄道の既存路線をそれぞれ延伸する案を優位にすると正式に発表しました。

事業費は2路線合計で約3510億円を想定します。

 

JR桜島線(延伸計画)

  • 路線     :夢洲~舞洲~桜島
  • 延長      :  4.9km
  • 1日の利用者数:94,400人/日
  • 事業費:2,850億円

 

コメント

JR桜島線の終点である「桜島駅」の西側には、運河や工場地帯が広がっており、現状のまま地上路線で延伸するのは困難です。

そのため、延伸ルートとしては「桜島駅」の一駅手前の「JRユニバーサルシティ駅」から地下化し、舞洲を経由して夢洲へ向かう約6kmの区間が現実的だと考えられます。この場合、総事業費は公表されている2,850億円を上回り、3,000億円を超える可能性が高いでしょう。

それでも、JR大阪駅から乗り換えなしで舞洲や夢洲までアクセスできるようになれば、利便性は飛躍的に向上します。大阪駅から夢洲までの所要時間は、おおよそ22分程度になると予想されます。

現在、大阪メトロを利用して「梅田駅」から「夢洲駅」へ向かう場合、「本町駅」での乗り換えを含む所要時間はおおよそ30分(運賃430円)となっています。

これに対し、新たな路線の整備により、乗り換えを必要とせず、所要時間が約8分短縮される見通しで利便性の向上が期待されます。一方で、整備にかかる費用は約3,000億円とされており、この投資が妥当であるかどうかについては、慎重な検討が求められるところです。

また、IR(統合型リゾート)単体では想定される利用者数が限られており、それだけでJR桜島線の延伸採算を支えるのは難しいと考えられます。実際、鉄道延伸には莫大な建設費がかかるため、一定規模以上の安定した輸送需要が不可欠です。

したがって、JR桜島線の夢洲延伸は、IRだけでなく、将来的に計画されている夢洲第2期・第3期の大規模開発(物流施設、データセンター、MICE施設、住宅など)の開業・稼働を前提とした長期的な都市開発戦略の一環として位置づけられています。

逆に言えば、これらの夢洲全体の段階的な開発が本格化しなければ、延伸の実現可能性は低いと言わざるを得ません。

 

当ブログ試算

項目 JR桜島線延伸 なにわ筋線(比較)
路線長さ 6km 7.2km
建設費 3,000億円 3,300億円
1日の利用者数 94,400人/日 240,000人/日
年間利用者数 3,446万人 8,760万人
運賃収入 300円 240円
年間運賃収入 103億円 210億円
40年間運賃収入合計 4,120億円 8,400億円
工期 10年~ 7年

 

夢洲第2期・3期計画も考慮

区域 面積
IR(夢洲1期) 49ha
IR(拡張予定地) 9ha
夢洲2期 50ha
夢洲3期 40ha
夢洲物流ゾーン 140ha

(夢洲コンテナターミナル65ha)

グリーンテラス 調査中
道路など 調査中
夢洲全体 390ha
USJ(比較) 54ha
海遊館(比較) 1.6ha

(天保山ハーバビレッジ全体5ha~10ha)

 

 

京阪中之島線延伸
  • 路線     :九条~中之島
  • 延長      :  2.1km
  • 1日の利用者数:30,000人/日
  • 事業費:660億円

当ブログ予想

項目 内容
路線名 京阪中之島線延伸
路線長さ 2.1m
方式 地下鉄方式
乗り換え 九条で「地下駅」から大阪メトロ「高架駅」に乗り換え
建設費 1,000億円
工期 10年~
 1日の利用者数 30,000人/日
 年間利用者数 1,095万人
 運賃(平均) 200円
年間運賃収入 約22億円
40年間の運賃収入合計 約880億円

一般的に、都心部における地下鉄の建設費は、1kmあたりおよそ500億円とされています。この基準から考えると、京阪中之島線の延伸区間(約2.1km)の建設費が660億円という試算には、やや無理があるように思えます。

そもそも、新たな鉄道路線を建設する際には、40年間で累積黒字化が見込めなければ、事業化は困難です。そうした前提を踏まえると、今回の建設費の試算は、採算が合うように意図的に抑えられている可能性も否定できません。

当ブログの予測では、実際の建設費は1,000億円以上に達する可能性が高いと考えています。仮に運賃を200円とした場合、年間の利用者数を1,095万人(1日3万人)と見積もっても、40年間の累計運賃収入は約880億円にとどまります。これでは建設費を回収し、維持管理費までまかなうのは非常に困難です。

したがって、現時点では京阪中之島線の延伸計画の実現性は乏しいと考えられます。

 

大阪IR事業規模(当ブログまとめ)

ウォーターフロント空間

敷地A:39ha / 敷地B:10ha / 敷地C:2.6ha / 敷地D:9ha(拡張予定)

所在地 大阪市此花区夢洲中1丁目
面積 約49ha(土地は売却せず、35年の貸付期間・年間賃料25億円)

  • 敷地A(39ha)+敷地B(10ha)=49ha
  • 別途臨港緑地(敷地C:2.6ha)
  • 別途拡張予定(敷地D:9ha)
高さ 約130m
総延床面積 848,000㎡
施設 (延床面積) 施設構成・規模
国際会議場施設 37,000㎡ 最大会議室6,000人超収容
展示等施設 31,000㎡ 展示面積20,000㎡(関西イノベーション・ラボ)
魅力増進施設 15,000㎡ ガーデンシアター・関西ジャパンハウス・三道体験スタジオ・ジャパンフードパビリオン・関西アート&カルチャーミュージアム
送客施設 14,000㎡ 関西ツーリズムセンター・バスターミナル・フェリーターミナル
宿泊施設(3ホテル) 289,000㎡ 2,500室・レストラン・プール・フィットネス・大浴場・バンケット
エンターテインメント施設 13,000㎡ 夢洲シアター3,500席
飲食・物販・サービス 310,000㎡ 飲食施設・物販施設・駐車場・エネルギーセンター
ガジノ施設 61,000㎡ カジノ行為区画は総延床面積の3%以内
駐車場 3,200台
年間来場者数 1,987万人(1日最大10万人)

(過去情報:国内1,400万人、国外650万人)

雇用人数 15,000人
年間売上高 5,200億円

  • (ゲーミング4,200億円
  • (ノンゲーム1,000億円)
納付金・入場料(府・市合計) 1,100億円(納付金770億円/年、入場料330億円/年)
インフラ負担 大阪メトロ中央線の延伸費用の一部200億円も負担する

 

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