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関空・伊丹・神戸の3空港問題 公平な競争をすべき

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関西国際空港は2024年9月4日で開港から30年を迎える。

読売新聞に「関空・伊丹・神戸の3空港、地域対立くすぶる」との記事が掲載されている。

しかし、記事には「公平な競争」という観点からの意見がない。

 

公平な競争をすべき
関空・伊丹・神戸の3空港問題は、公平な競争がされていないことにある。
まず、伊丹空港は国の騒音基準を満たしていない。
伊丹空港の騒音(2022年)
測定局 騒音 基準値
西桑津測定局 60デシベル 62デシベル以下
北村測定局 66デシベル 62デシベル以下
大野測定局 59デシベル 57デシベル以下

引用 伊丹市

関西空港は国の騒音基準を満たすために海上に空港を建設したために、大阪都心から伊丹空港よりも遠いし、多額の建設費がかかったため、空港利用料などが高い。

伊丹空港の規制緩和をするのであれば、関西空港と同様に国の騒音基準を達成するべきだ。

 

神戸空港は、伊丹空港と関西空港と同じ着陸料にすべき

神戸空港の42年間の運用権は191億4000万円で、年間約4.6億円に過ぎない。

一方で、関西空港の44年間の運用権は2兆2000億円で、年間500億円に上る。

当然、関西空港の着陸料は高く設定しないといけないが、神戸空港は関空や伊丹空港の半分以下の着陸料となっている。

神戸空港の建設費は本体工事だけで3,140億円で、関連工事を含めると7,000億円とも言われる。

ちなみに、羽田空港のD滑走路(2,500m)の建設費は6,700億円。

つまり、神戸空港の運営権は本来3,000億円以上だが、神戸市は191億円という赤字価格で売却した。

神戸空港は、税金を投入して建設し数千億円の赤字価格で運営権を売却した空港であり、着陸料を赤字価格で不当に安くして飛行機利用者を関西一円から集客している。

神戸空港は、官による民業圧迫と言える不公正な競争をしている。

したがって、神戸空港の着陸料は関空や伊丹と同じ料金にして、公正な競争をすべきだと思う。

 

当ブログ試算の国内線着陸料(PSFC合計)

  • 神戸空港約7万円(PSFCなし7万円):ボーイング737
  • 伊丹空港約15万円(PSFC片道340円合計25万円):ボーイング737
  • 関西空港約15万円(PSFC片道440円合計28万円):ボーイング737

 

神戸空港は、関西3空港の中で唯一「PSFC(旅客サービス施設使用料)」を無料にしている。

飛行機の利用率を80%として、着陸料とPSFCを合計した料金は、神戸空港は7万円、伊丹空港は25万円、関西空港は28万円となる。

実に、神戸空港の料金は関西空港の4分の1となっている。

税金を数千億円投入した神戸空港が191億円という赤字価格で運営権を売却し、伊丹の3分の1、関空の4分の1という低料金で飛行機利用者を関西一円から集客している。

これでは公正な競争とはいえない。

 

神戸空港の着陸料試算(過去記事)

神戸空港(筆者撮影)

神戸空港の運営は、2018年4月から関西エアポート神戸株式会社が担当している。

神戸空港の着陸料は関西エアポート神戸株式会社の収入になるが、着陸料は神戸市の条例によって決定されると当ブログでは理解している。

当ブログ調べでは、神戸空港の着陸料は約7万円(ボーイング737-800)で、伊丹空港の着陸料約15万円の半額以下で、しかも神戸空港は空港施設利用料(PSFC)も徴収していない。

さらに、2025年春には神戸空港に国際チャーター便が就航するが、神戸空港の国際線着陸料は関西空港の半額となるのか?

当ブログが、神戸空港の国際化に反対してきたのは、神戸市が税金を投入して、関西空港や伊丹空港よりも安い着陸料を設定し、公正な競争をしてこなかったからだ。

2025年春の神戸空港への国際チャーター便就航を契機に、神戸市は神戸空港の着陸料を値上げし、空港施設料を設定し、関西空港や伊丹空港と同条件で公正な競争をすべきだと思う。

神戸市が衰退した原因は、神戸市が安易に税金を投入して、客単価の低い観光客や補助金目当ての企業を誘致して、見かけの数字を作ってきたためだと思う。

 

神戸市が着陸料を決定

神戸空港は神戸市が税金3,140億円を投入して建設した空港で、着陸料は「神戸空港条例の第19条(別表1)」「神戸空港供用規程第15条第4項」で定められている。

さらに、「神戸空港の着陸料等算定の特例を定める達」(平成30年2月21日 達第25号)により、3分の2に減額されている。

ちなみに、神戸空港の建設費3,140億円は空港島の埋立て、滑走路建設のみで、ターミナル建設費やポートラーナー延伸費用、神戸スカイブリッジ(連絡道路)の建設費、高度処理水施設建設費は含まれておらず、それらを合計すると7,000億円~8,000億円と言われる。

 

神戸空港の着陸料(当ブログの試算)
  • 機材:ボーイング737-800
  • 最大離陸重量:79トン
  • 25トン以下は、1トンごとに1,100円(+27,500円)
  • 25トンを超え、1トンごとに1,500円(+81,000円)
  • 合計108,500円
  • 3分の2に減額して72,333円

 

伊丹空港の着陸料

  • 着陸料153,041円(B737-800)
  • 空港施設利用料(PSFC)340円(出発)・340円(到着)
  • 空港施設利用料(PSFC)合計(搭乗率80%で試算)92,480円
  • 合計(着陸料+施設利用料)245,521円

 

当ブログの試算では、神戸空港の着陸料(B737-800)は72,333円で、伊丹空港の着陸料+空港施設利用料(PSFC)の合計245,521円の3分の1以下になる。

これでは、公正な競争とは言えない。

 

神戸空港の運営

関西エアポート神戸株式会社(関西エアポート株式会社の100%出資会社)は、神戸空港の運営を神戸市から引継ぎ、2018年4月1日より事業(事業期間42年)を開始した。

関西エアポート神戸は、神戸空港について航空系事業(滑走路等の運営・維持管理)及び非航空系事業(ターミナルビル等の運営・維持管理)の運営を行い、本事業からの損益は原則として関西エアポート神戸に帰属する。ただし、航空管制業務は関西エアポート神戸の事業の対象外となる。

 

神戸空港の着陸料の試算

神戸空港条例の第19条(別表1)

1 ターボジェット発動機又はターボファン発動機を装備する航空機については、航空機の着陸1回ごとに、次に掲げる金額の合計額

(1) 航空機の重量(当該航空機の最大離陸重量をいう。以下同じ。)をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額

ア 25トン以下の重量については、1トンごとに1,100円

イ 25トンを超え100トン以下の重量については、1トンごとに1,500円

ウ 100トンを超え200トン以下の重量については、1トンごとに1,700円

エ 200トンを超える重量については、1トンごとに1,800円

(2) 国際民間航空条約の附属書16に規定するところにより測定された離陸測定点と進入測定点における航空機の騒音値(当該騒音値のない航空機にあっては、当該航空機について、その製造国の政府機関の公表しているこれに準ずる騒音値)を相加平均して得た値(1EPNデシベル未満の端数があるときは、1EPNデシベルとして計算する。)から83を減じて得た値に3,400円を乗じて得た金額

2 その他の航空機については、航空機の着陸1回ごとに、航空機の重量をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額

(1) 6トン以下の航空機については当該重量に対し1,000円

(2) 6トンを超える航空機

ア 6トン以下の重量については、当該重量に対し700円

イ 6トンを超える重量については、1トンごとに590円

 

神戸空港の着陸料等算定の特例を定める達(平成30年2月21日 達第25号)

着陸料の暫定措置
他人の需要に応じ、有償で旅客又は貨物の運送の用に供される航空機に係る着陸料に
ついては、当分の間、規程第 15 条第 2 項の規定に関わらず、同規程により算出して得た
金額に 3 分の 2 を乗じて得た金額とする。

 

 

伊丹空港の着陸料
  • ボーイング式 737-800(153,041円)

出典 関西エアポート

 

 

 

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