関西空港(筆者撮影)
関西3空港 年間利用者5,178万人
2019年(1月~12月)の関西3空港の利用者数は5,178万人となり過去最高を記録した。
関西空港の総旅客数(国内線+国際線)は3,191万人で前年比+10%増加した。これは中国などアジアからのインバウンド客が増加してること、ハワイ向けLCC利用者の増加が要因と思われる。
関西エアポートでは、関西3空港(関空、伊丹、神戸)の年間総旅客数5,000万人を目標としていたが2019年に初めて目標を達成したことになる。
また、関西空港の年間発着回数は206,777回となり、年間19万回を突破してした。
2019年(1月~12月)関西3空港の利用者数
空港名 | 利用者合計 | 国際線 | 国内線 |
関西空港 | 3,191万人(+10%) | 2,493万人(+11%) | 698万人(+7%) |
伊丹空港 | 1,650万人(+2%) | —— | 1,650万人(+2%) |
神戸空港 | 336万人(+11%) | —— | 336万人(+11%) |
合計 | 5,178万人(+7%) | 2,493万人(+11%) | 2,685万人(+4%) |
伊丹空港
関西国際空港
関西エアポートは2025年の大阪関西万博までに国際線処理能力(T1+T2)を4,000万人に引き上げる予定。
設計時のターミナル1(T1)の年間処理能力は2,500万人(国際線1,200万人、国内線1,300万人)だったが、2018年にはT1の国際線利用者は2,060万人、国内線400万人となっていた。
そこでT1の国内線エリアを国際線に利用する改修を行う。
関空ターミナルの処理能力(設計時)
ターミナル | 設計時の処理能力 | 国際線 | 国内線 |
ターミナル1(T1) | 2,500万人 | 1,200万人 | 1,300万人 |
ターミナル1(T2) | 835万人 | 285万人 | 550万人 |
合計 | 3,335万人 | 1,485万人 | 1,850万人 |
神戸空港
神戸空港の発着枠は2019年8月から1日60回(30往復)から1日80回(40往復)と拡大され年間の利用者数は336万人となった。
2020年は年間通して1日80回(40往復)となるので、380万人~400万人に達すると予想される。
神戸市の人口は150万人なので全員が1往復(2回搭乗)すると年間利用者数は300万人となるが、実際に神戸空港を利用する神戸市民は延人数は何人なのか?
神戸空港には運賃の安いスカイマークが就航しており、大阪府民など他府県民を利用していると思われる。
しかし、神戸空港の着陸料は伊丹空港や関西空港の半額だったり、神戸空港だけ国内線空港施設利用料を徴収していない。また神戸空港だけ搭乗者は24時間駐車場無料となっている。
関空T2(LCC用)でも国内線出発420円、国内線到着370円を徴収している。A320やB737など小型機で150人が搭乗していると1発着で300人となり、空港施設利用料は1発着で約12万円となる。
しかし、神戸空港に発着する場合は1円も払っていない。
公正な競争をするため、神戸空港の料金設定を他の2空港と同じレベルに引き上げる必要があるのではないか?
神戸空港の発着枠が2020年春に埋まる
現在の神戸空港の発着枠1日80回(40往復)は2020年3月29日以降の夏ダイヤですべての枠が利用される見通し。
エアライン | 2020年1月 | 2020年3月29日~ |
スカマーク | 48回(24往復) | 54回(27往復) |
ANAグループ | 16回(8往復) | 16回(8往復) |
FDA | 8回(4往復) | 10回(5往復) |
合計 | 72回(36往復) | 80回(40往復) |
2020年春以降、スカイマークの発着回数は1日54回(27往復)となり、神戸空港のシェアは67.5%に達する。
スカイマーク2020夏ダイヤ
路線 | 便数(発着回数) | 増便(発着回数) |
神戸-羽田 | 15回(7.5往復) | +1回(0.5往復) |
神戸-沖縄 | 10回(5往復) | +4回(2往復) |
神戸-札幌 | 7回(3.5往復) | +1回(0.5往復) |
神戸-仙台 | 4回(2往復) | |
神戸-茨城 | 6回(3往復) | |
神戸-長崎 | 6回(3往復) | |
神戸-鹿児島 | 6回(3往復) | |
合計 | 54回(27往復) | +6回(3往復) |
スカイマークは羽田→神戸便、神戸→札幌便を片道1回(0.5往復)増便、神戸-沖縄便は4回(2往復)増便する。
FDA2019年12月実績
FDA(神戸ー出雲)便の搭乗率は32.3%、神戸ー高知は56.6%、神戸ー松本は77.2%で全体でも51.3%と苦戦している。
まとめ
神戸の人口150万人のうち50万人が年1往復(2回利用)、神戸空港を利用すると年間延100万人となる。
神戸空港の利用者数は2019年には336万人だったので、神戸空港を利用しているのは神戸市民以外の人が226万人が利用したことになる。
結局、神戸空港は運賃の安いスカイマークが神戸市以外から集客しているに過ぎない。
安い運賃目当てに神戸空港を利用する人は、三宮で乗り換えるだけで神戸市内で買物や飲食することも少ない。
いくら神戸空港の利用者が増加しても、神戸三宮を素通りしているだけで経済効果はない。
神戸市がこれ以上増枠や国際化というなら、神戸空港の府県別利用者数データを公表すべきではないか?