神戸空港は、2025年に国際チャーター便就航、国内線発着枠増加、2030年に国際定期便就航することが決定している。
これにより、現在の1日の発着枠80回(40往復)から160回(80往復)に増加する。
ただ、神戸空港は西から着陸進入し、西へ離陸する飛行ルートなので、1日160回(80往復)の発着回数に対応できない可能性がある。
そのため、神戸空港の飛行ルートを見直す議論が始まった。
神戸空港の運用時間と発着枠(当ブログまとめ)
年月 | 発着枠 | 運用時間 |
2006年開業 | 60回(30往復)/日 | 午前7時~午後10時(15時間) |
2019年8月~ | 80回(40往復)/日 | 午前7時~午後11時(16時間) |
2025年(予想) | 120回(60往復)/日 | 午前7時~午後11時(16時間) |
2030年(予想) | 160回(80往復)/日
|
午前7時~午後11時(16時間) |
当ブログの予想
着陸の場合、ILS(計器)アプローチするが、直線区間が10km以上必要なので、着陸ルートは変更ないと思う。
その条件で発着回数を増やすには、西から着陸し、東へ離陸するしかないと思う。
また、神戸空港の北側に六甲山地(最高峰六甲山931m)があり、離陸後に北上することはできない。
したがって、東側に離陸し、そのまま大阪府方向に飛行ルートを設定するのではないか?
また、伊丹空港の離陸機は、北西に離陸し、武庫川上空を通って南下し、大阪湾に出る。
したがって、神戸空港の離陸機が大阪府に進入する場合も、淀川上空を飛行する可能性があると思う。
通常方向 | 着陸 | 西から進入 |
離陸 | 東へ離陸(東京・札幌方面は大阪府上空) | |
東へ離陸(沖縄・福岡方面は、右旋回して西方向) | ||
逆方向 | 着陸 | 西から進入し、東側に回り込む(サークリングアプローチ) |
離陸 | 西へ離陸(東京・札幌方面は右旋回して大阪府上空) | |
西へ離陸(沖縄・福岡方面) |
神戸空港利用者数予測
神戸市の試算では2030年の空港全体の利用者数は700万人で、国内線は510万人、国際線は190万人となっている。
ちなみに、2019年の実績は国内線のみで329万人だった。
神戸空港国内線利用者(神戸市)2030年
国内線 | |
神戸市 | 180万人 |
神戸以外の兵庫県 | 130万人 |
大阪北部 | 110万人 |
京都・滋賀 | 40万人 |
その他 | 50万人 |
合計 | 510万人 |
2030年の予想で、神戸空港の国内線利用者数は全体で510万人、うち神戸市は180万人で空港利用者の約35%にすぎない。
2019年の実績は国内線のみで329万人だが、このうち35%が神戸市民だとすると115万人にななる。
神戸市の航空需要は100万人~200万人しかない。なんのために、神戸空港の発着枠を拡大するのか疑問。
大阪府への影響
神戸空港から2025年大阪・関西万博の会場の「夢洲」までは約15km、さらにJR大阪駅までは約25km。
伊丹空港から約15kmのJR鶴橋駅付近の高さ制限は海抜288m、同じく25kmのJR八尾駅の高さ制限は307mとなっている。
2025年大阪・関西万博の会場の「夢洲」は2029年にもIR(統合型リゾート)が部分開業する予定だが、その付近を神戸空港からの離陸機が飛行するとなれば、IR(統合型リゾート)が失敗する可能性もある。
神戸空港の国際化の経済効果は年間100億円程度と予想されるが、IR(統合型リゾート)は年間1兆円の経済効果を7万人の雇用創出効果があるとされる。
どちらが、関西全体のためにメリットがあるか冷静に考えるべきだと思う。
そもそも、伊丹空港の飛行機は大阪市内を通過するわけで、神戸空港の飛行機が神戸市内を一切飛行せず、大阪市を飛行するというなら、どうかと思う。
羽田空港D滑走路の場合
2010年に供用開始された羽田空港D滑走路から千葉県浦安市舞浜(東京ディズニーリゾート)までは約15kmだが、騒音問題が懸念された。
そのため、本来はB滑走路と並行にD滑走路を設置する予定だったが7.5度海側に角度を変更し、さらにILSの角度も2度海側に変更し、合計9.5度海側に変更している。