2018年9月4日の台風21号により被害を受けた関空の発着便を伊丹空港に40便、神戸空港に30便を振り分けた。
1日60便(当時・現在は1日80便)しか就航していない神戸空港はもっと多くの便数を受け入れられると思われるが、なぜ30便にとどまるのか?
伊丹空港・神戸空港増便計画
空港名 | 通常発着便数 | 夏季発着便数 | 関空便振替便数(振替後合計) |
伊丹空港 | 370便 | 402便 | 40便(410便) |
神戸空港 | 60便 | 60便 | 30便(90便) |
神戸空港の増便数が30便で伊丹空港の増便数が40便というのは違和感がある。
神戸空港の発着枠が少ない理由
神戸空港の離陸コース(出典 神戸市)
神戸空港の着陸コース(出典 神戸市)
神戸空港を離陸すると西に向かい、逆に神戸空港に着陸する場合は西から進入する。
つまり、神戸空港~明石海峡間は、自動車の交互通行のようなもので、便数を増加できない。
運用時間 | 便数 | 1時間当たり便数 | |
通常時 | 7:00~22:00 | 60便 | 4便 |
増便時 | 7:00~22:00 | 90便 | 6便 |
神戸空港の運用時間は7:00~22:00の15時間で通常は1時間当たり4便、増便後は6便となる。
神戸空港の離陸便に必要な時間(当ブログ試算)
- 滑走路手前で待機 1分
- 滑走路に進入して待機 1分
- 滑走路を離陸するに要する時間 2分
- 離陸後~明石海峡までの飛行時間 3分
- 合計 7分
当ブログの予想では、神戸空港から離陸するのに7分かかる。その後、着陸機が進入コースに入るのに、2分~3分かかる。
したがって1便を処理するの9分~10分かかり、1時間当たりでは6便が上限と思われる。
神戸空港の増便が1日30便にとどまるのは1時間当たり6便を上限としているからと思われる。
ただ、離陸機(あるいは着陸機)が2機連続する場合は12分間隔で2便離陸可能で1時間当たり10便は可能と思われる。
しかし、すべての離陸機(あるいは着陸機)が2機連続するという前提は現実的ではない。
したがって、1時間当たり6便が当面の上限となるが、将来的には運用を工夫すれば1時間当たり7便~8便くらいは可能性かもしれない。
ポートライナーの混雑
神戸三宮駅と神戸空港間はポートライナーで結ばれるが、6両編成で定員は300人となっている。乗車率150%としても6両編成で450人しか運べない。
現在、ポートライナーを8両化する計画があるが、数百億円の費用がかかりすぐにはできそうもない。
また、8両化しても1編成の定員は400人で、乗車率150%としても600人が上限となる。
一般的な鉄道の1両の定員は150人なので8両編成で1,200人、乗車率150%なら1,800人を運べる。
ポートライナーの輸送力は、一般的な鉄道の3分の1しかない。
朝夕のラッシュ時は、医療センター駅(市民病院前)までは混雑が激しく、三宮駅で「先発」には乗れず、「次発」に乗ることになる。
神戸空港の発着便数が60便から90便に1.5倍になると、ポートライナーの混雑がさらに激しくなり、「次発」にも乗れず「次々発」に乗ることになるかもしれない。
現在の神戸空港へのアクセス手段の輸送力では1日300便~400便には対応できない。