那覇空港「連結ターミナル(2019年開業)」
2019年5月11日、関西3空港懇談会で神戸空港の1日の発着枠を60便から80便へ増便、運用時間の1時間延長(午前7時~午後11時)が合意された。
しかし、神戸空港の国際線については、2025年頃までの中期的検討課題とされた。今後、関西3空港懇談会は1年に1回開催される予定なので、少なくとも来年2020年までは神戸空港の国際化は合意できない。
神戸市の動き
「久元(神戸)市長は空港アクセスの増強や新ターミナルの建設に向けて検討を急ぐ姿勢を示した。」
引用 神戸新聞
当ブログの予想では、関西3空港懇談会で「神戸空港の国際化の条件として、空港アクセスの改善と新国際線ターミナル建設が課題とされた」と思われる。
神戸空港国際化費用(当ブログ試算)
ポートライナー8両化 | 700億円~800億円 |
アクセス道路改修 | 100億円~200億円 |
新国際線ターミナル建設 | 100億円 |
合計 | 900億円~1100億円 |
神戸市は、ポートアイランド内に病院や大学を誘致したため、通勤時間帯は、ポートライナーは混雑しており、先発列車に乗れず、次発に乗る状態になっている。
そのため、現在の6両から8両化が検討されてるが、駅ホームの改修が必要で、事業費は700億円~800億円とされる。
国際線ターミナル建設費
現在の神戸空港ターミナルの延床面積は15,200㎡なので、新国際線ターミナルの延床面積は、10,000㎡~20,000㎡と予想される。
2014年に那覇空港国際線ターミナルが開業しており、そこから建設費を予想してみると、約100億円程度と思われる。
名称 | 那覇空港国際線ターミナル |
延床面積 | 23,000㎡ |
階数 | 4階 |
待合室 | 約500席 |
店舗 | 8店舗 |
開業 | 2014年 |
国際線利用者数 | 384万人(2018年) |
事業費 | 80億円 |
国際線利用者数予想
当ブログの予想では、神戸市が国際線ターミナルを建設し、「関西エアポート」が賃貸して運用すると思われる。
「関西エアポート」は民間会社なので赤字予想では、神戸空港国際線は導入できない。そこで、損益分岐点となる「国際線利用者数」を試算してみた。
ターミナル建設費を100億円とし、年間賃貸料3億円、40年契約で総額120億円とした。
関空の出国料はターミナル1(3,040円)、ターミナル2(1,540円)なので、神戸空港国際線は2,500円で試算。
また、神戸空港国際線着陸料は737-800で15万円で試算。
神戸国際線利用者数(年間) | 30万人 | 50万人 | 100万人 |
空港施設料(2500円予想) | 3億7500万円 | 6億2500万円 | 12億5000万円 |
国際線着陸料(1便15万円予想) | 1億5000万円 | 2億5000万円 | 5億円 |
ターミナル賃貸料収入 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
ターミナル賃貸料(神戸市へ支払) | -3億円 | -3億円 | -3億円 |
ターミナル維持費 | -5億円 | -5億円 | -5億円 |
収支 | -1億7500万円 | 1億7500万円 | 10億5000万円 |
当ブログの試算では、神戸空港国際線は年間約50万人で黒字化すると予想される。
小型機(ボーイング737型機・エアバスA320型機)で1日5往復(10便)×150人(座席数約170~180)=1,500人で、年間だと約55万人となる。
つまり、1日5往復(10便)程度の規模になるのではないか?
関空利用者が減少した場合
ただ、神戸空港国際線を導入して、関空利用者が減少した場合は、かなり難しい事態とある。
上記の例で関空利用者が55万人減少すると、関空の収入は出国料(PSFC+PSSC 2500円で試算)だけで年間13億7500万円減少する。
神戸空港の利益を考慮しても、関西エアポート全体では12億円の減益となる。
運用権の残り期間約40年間で総額480億円の減益となる。
まとめ
- 神戸空港国際線導入のためには、空港アクセス改善と新国際線ターミナル建設費の合計で約1,000億円かかると予想される。
- 神戸空港国際線は1日5往復(10便)で年間50万人で黒字化できると予想される。
- しかし、神戸空港国際線導入により、関西エアポートの利益は40年間で480億円減少する可能性がある。
したがって、関西エアポートの減益分も神戸市が負担しないと、神戸空港国際化は困難かもしれない。
イメージとして、神戸市が1,000億円の建設費を負担し、その後40年間無償で関西エアポートに使用させるような形でないと、神戸空港国際化は無理だと思う。