NTT西日本は2021年中にも移転する大阪・京橋の新本社に、スタートアップ企業(ベンチャー企業)との連携拠点を設ける。
地域限定の高速通信規格「ローカル5G」も活用し、教育、観光、農林業などの分野でスタートアップ企業と共同開発する。
小林充佳社長が4日までに日本経済新聞の取材に応じ「大阪・京橋をベンチャー企業が集う街にしたい」と構想を明らかにした。
参照 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67862780U1A100C2LKA000
東京の渋谷は、1990年代までは西武百貨店、パルコ、渋谷109など商業施設を中心とした若者の街だったが、1999年頃「ビットバレー構想」が立ち上がった。
現在ではグーグル日本法人、サイバーエージェント、ミクシィ、DNA、GMOインターネットなどのIT企業が渋谷に集積している。
大阪・京橋も2021年のNTT西日本本社移転を契機に「IT企業集積地」になる可能性がある。
- IT企業の特徴として、IT技術者が少なく、かつ、専門分野も違うので、人的なつながりを重視し、協力して事業を立ち上げる傾向が強い。
- したがって、IT産業を成長させるためには、単に企業誘致するだけではなく、IT技術を持った人材を幅広く集める必要がある。
- また、営業先企業へのアクセスがいい駅前に集積する傾向にある。
大阪・京橋も多様な人材が集まりやすく、駅前立地なので、IT企業集積地となる条件は十分に満たしていると言える。
都市名 | ソフト系IT産業事業所数 |
東京23区 | 9,713 |
大阪市 | 2,646 |
名古屋市 | 1,240 |
横浜市 | 1,137 |
福岡市 | 966 |
札幌市 | 903 |
仙台市 | 513 |
広島市 | 509 |
神戸市 | 409 |
川崎市 | 388 |
京都市 | 369 |
都市 | IT産業の集積地 | 半径1km圏内の事業所数 |
東京 | 秋葉原駅 | 660 |
東京 | 渋谷駅 | 480 |
東京 | 新宿(都庁前駅) | 430 |
大阪 | 心斎駅 | 420 |
東京 | 茅場町駅 | 400 |
福岡 | 博多駅 | 400 |
大阪 | 新大阪駅 | 380 |
東京 | 池袋駅 | 360 |
東京 | 田町駅 | 310 |
東京 | 新宿(新宿御苑前駅) | 310 |
東京 | 九段下駅 | 310 |
名古屋 | 栄・錦 | 310 |
東京 | 五反田駅 | 270 |
仙台 | 仙台駅 | 240 |
東京 | 浜松町駅(田町駅は除く) | 230 |
横浜 | 横浜駅 | 220 |
大阪のIT企業集積地は、心斎橋、大阪駅、新大阪駅、南森町となっている。
出典 首相官邸HP
出典 首相官邸HP
京橋駅周辺と大阪ビジネスパーク(OBP)周辺(51ha)は「都市再生緊急整備地域」に指定されており、リストアップされたプロジェクトのうち、すでに「KDDI大阪第2ビル」「新MID大阪京橋ビル(ケイ・オプティコムビル)」「読売テレビ新社屋」が完成している。
2021年には京阪神OBPビル(データセンター)、NTT西日本本社ビル(区域指定外)が竣工する予定。
さらに2022年に大阪公立大が設立され、2025年に京橋駅近くの「森之宮キャンパス(仮称)」に新設移転する。
またイオン京橋は現在、解体工事中で早ければ2025年にも商業施設とオフィスの複合ビルが開業すると見られる。