2023年9月(北から撮影)
2022年5月13日、大和ハウス工業と大阪マルビルは、JR大阪駅前の「大阪マルビル」(大阪第一ホテル・460室)を建替えると発表した。
現在の建物は1976年竣工で、地上30階建て、高さ123mだが、建替により高層化する方針。
解体施工は、フジタが担当する。
ちなみに、大阪マルビルは、旧フジタ工業(現 株式会社フジタ)が設計・施工を担当した。
2023年5月31日全館閉館し、2023年夏に解体工事に着手し、2030年春の完成を目指す。
労働関係成立票の期限は「2024年10月31日」
2025年4月13日から2025年10月13日の大阪関西万博の開催期間中は、万博会場にアクセスするバスのターミナルとして利用される。
したがって、2024年10月末に解体を完了して、その後、バスターミナルとして整備されると予想される。
2023年9月(南から撮影)
2023年9月(西から撮影)
2023年9月(北から撮影)
現地看板
アクセスは、JR大阪駅から徒歩3分。
地図
旧・大阪マルビル 概要
2019年撮影
名称 | 旧・大阪マルビル |
所在地 | 大阪市北区梅田一丁目9番20号 |
敷地面積 | 3,244.62㎡ |
建築面積 | 2,546㎡ |
延床面積 | 41,069.4 ㎡ |
構造 | 鉄骨造(一部SRC造) |
階数 | 地上30階・地下4階・塔屋3階 |
高さ | 124m(塔屋部分を含む) |
直径 | 約30mの円筒形ビル |
設計 | フジタ工業(現 株式会社フジタ) |
施工 | フジタ工業(現 株式会社フジタ) |
着工 | 1973年10月16日 |
竣工 | 1976年3月31日 |
開業 | 1976年4月16日 |
全館閉館 | 2023年5月31日 |
ホテル | 460室(客室は10階~29階) |
テナント数 | 35店舗 |
建替の方向性
- 建て替え計画では、地上30階建て、高さ約123mの現状建物から高層化する予定
- 「大阪マルビル」は、「大阪第一ホテル」を中心として、飲食店や物販店舗など35テナントで構成されていたが、施設の刷新とともにこれまでになかった新たな機能も付加させる予定
- 具体的には、多目的に利用できる大型ホールや、高機能オフィスの設置など、賑わい創出の場、文化交流の場を設置する予定
- 2025年4月13日から2025年10月13日の大阪関西万博開催期間中は、万博会場へアクセスするバスのターミナルとして敷地を提供する予定
- 『特徴的な円筒型のデザインと「マルビル」の名称は残す方向で検討している』
単独建替のデメリット
2022年5月現在、当ブログ調べでは、容積率は1,000%・建ぺい率は80%となっている。
「旧大阪中央郵便局」の再開発計画「梅田3丁目計画(仮称)」の容積率は、1,500%まで緩和されている。
仮に本物件の容積率も1,500%まで緩和されると、容積対象外床面積も含め総延床面積は約5万㎡~6万㎡程度となる。
しかし、近隣の「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」の延床面積は26万㎡、「梅田3丁目計画(仮称)」の20万㎡と比較すると5万㎡~6万㎡では規模が小さすぎる。
建替の規模予想
低層階にはオフィスや商業施設が入居し、高層階にホテルが入居すると予想される。
大阪では、1室あたり面積40㎡~50㎡の高級ホテルが不足しているので、高級ホテルを誘致すると、客室数150室程度になるう。
また、法律や制度的には、延床面積6万㎡で、高さ190mのビルの建設は可能だが、1フロア当たりの床面積が小さくなるので、収益性が悪化する。
したがって、収益性や敷地面積から推測して、高さは130m~150m程度と予想される。
1976年の竣工当時は、大阪駅周辺には100m以上の超高層ビルがなく、地上30階・高さ123mの超高層ビル「大阪マルビル」は「ランドマーク」だった。
しかし、2022年現在、大阪駅周辺には高さ180m以上の超高層ビルが多数建設されており、新マルビルの高さが150mになったとしても「ランドマーク」にはならないと思う。
ヒルトン大阪や大阪第一生命ビルと一体開発すべき
単独での建替では、延床面積5万㎡~6万㎡となるので、JR大阪駅前のビルとしては小規模すぎて、商業施設、オフィス、ホテルも中途半端なものしかできない。
したがって、周辺の「ヒルトン大阪(1986年竣工)」「大阪第一生命ビル(1990年竣工)」と一体開発すべきだと思う。
また、円形にもこだあって、使い勝手の悪い建物ではなく、21世紀の大阪に最適な建物として開発してもらいたい。
左の「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」とデザインを統一すると都市景観がよくなると思う。
各ビルの規模
名称 | 敷地面積 | 延床面積 | 竣工 |
大阪マルビル | 3,244㎡ | 41,069㎡ | 1978年 |
ヒルトン大阪(吉本ビルディング) | 7,004㎡ | 88,029㎡ | 1986年 |
大阪第一生命ビル | 2,405㎡ | 32,694㎡ | 1990年 |
合計 | 12,653㎡ | 161,792㎡ | 2030年以降? |
現状の容積率は、平均1,278%で、これを1,500%まで引き上げると延床面積約19万㎡のビルを建設できる。
これは、「梅田3丁目計画(仮称)」の20万㎡と同規模だ。
大阪マルビルとの間には、公道があるが、阪神百貨店のように上空に建物の建設したり、淀屋橋再開発のように公道を廃止することもできると思う。
ヒルトン系の5ホテル一覧
ホテル名 | 客室数 | 開業日 |
ヒルトン大阪 | 562室 | 1986年 |
コンラッド大阪 | 164室 | 2017年 |
ダブルツリーbyヒルトン大阪城 | 377室 | 2024年春 |
キャノピーbyヒルトン大阪梅田 | 308室 | 2024年 |
ウォルドーフ・アストリア大阪 | 252室 | 2025年 |
合計 | 1,663室 |
2025年までに、大阪のヒルトン系ホテルは5施設1,663室に増加する。
「ヒルトン大阪」は1986年開業で、2026年には築40年となるため、建替えを考えてもいい時期だと思う。
2022年4月(桜橋交差点から撮影)
「梅田DTタワー」の概要(道路を挟んだ東側)
名称 | 梅田DTタワー |
所在地 | 大阪市北区梅田一丁目10番 |
敷地面積 | 3,609.27㎡ |
建築面積 | 1,613.8㎡ |
延床面積 | 47,613.18 ㎡ |
構造 | 鉄骨造(一部SRC・RC) |
階数 | 地上27階・地下4階・塔屋2階 |
高さ | 130.0m |
設計 | 竹中工務店 |
施工 | 竹中工務店 |
着工 | 2000年11月 |
竣工 | 2003年1月 |
開業 | 2003年3月 |