出典 大阪市(当ブログで加筆)
「なにわ筋線」は北梅田駅(うめきた新駅)から南海難波駅までの約7.4kmを結ぶ新路線。
事業費の3,300億円のうち借入金1,020億円は40年かけて回収する予定で、「なにわ筋線区間」を運行する列車の運賃には加算運賃(100円 当ブログ予想)が上乗せされると思われる。
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運賃と運行列車予想
JRは乗車駅と下車駅が同じであれば、どのルートを通っても同一運賃にするという規則がある。
したがって、JR大阪駅~JR難波駅(環状線)の運賃は190円なので、なにわ筋線が開業しても、運賃は190円となると思われる。
JRが負担する「なにわ筋線区間の加算運賃」を1人100円とすると、現在に運賃190円だと採算が悪化する。
また、平行する大阪市営地下鉄の「梅田~なんば」の運賃は230円なのでそれよりも安い190円だと「梅田~なんば」利用者が「なにわ筋線」の関空快速を利用して、関空行の利用者が混雑して利用しにくくなる可能性がある。
また、有料特急「はるか」との所要時間の差が少なくなると特急「はるか」の利用者が減少する可能性がある。
南海空港急行は「なにわ筋線」経由か?
南海電車は「北梅田」~「南海難波」は新路線のため、地下鉄と同じ230円の運賃を設定できるため、特急以外の「空港急行」も「なにわ筋」に乗り入れする可能性がある。
中間駅
JR関空特急「はるか」は、中間駅の「中之島駅」と「西本町駅」に停車すると予想される。
関空快速が「なにわ筋線」を乗り入れしないとすると、中間駅の「中之島駅」と「西本町駅」は有料特急のみの停車になってしまう。
これでは使い勝手が悪いので、南海の空港急行(特急料金不要)が「中之島駅」、「西本町駅」に停車する可能性がある。
南海は梅田への乗り入れで沿線人口を増加させる経営方針と思われるため、「なにわ筋線」の加算料金を負担しても普通運賃のみで乗車できる「空港急行」を運行する可能性がある。
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なにわ筋線建設費
JRは東海道支線地下化工事をしており、この部分は「なにわ筋線」と重複する。
したがって「なにわ筋線」の建設費は、JR福島駅~南海新今宮駅間で、3,300億円とされる。
整備区間
- JR大阪駅(地下新駅)~西本町駅(仮称)~JR難波駅
- JR大阪駅(地下新駅)~西本町駅(仮称)~南海新難波駅(仮称)~南海新今宮駅
中間駅
- 中之島駅(仮称)
- 西本町駅(仮称)
- 南海新難波駅(仮称)
総事業費
3,300億円
事業スキーム(予想)
地下高速鉄道整備事業費補助による上下分離方式(予想)
整備主体
第三セクター
出資割合(当ブログ予想)
事業者 | 負担金 | 負担割合 |
国 | 770億円 | 23% |
大阪府 | 590億円 | 18% |
大阪市 | 590億円 | 18% |
南海 | 198億円 | 6% |
JR西日本 | 132億円 | 4% |
借入金 | 1,020億円 | 31% |
合計 | 3,300億円 | 100% |
慣例的に国は総事業費の4分の1(25%)を負担するとされる。また、大阪府と大阪市の負担割合は「1:1」と予想される。
南海の方がJRよりも線路長が長い
JRと南海は「北梅田駅~西本町駅」までの区間は共同運行するが、西本町駅以南で分離する。
分離後、JRはJR難波駅に接続し、南海は現在の難波駅の地下に新たに建設する「南海新難波駅」に接続する。
南海の方が路線長が長いため、JRとの負担割合を「南海6:JR西日本4」として試算した。
採算性
「なにわ筋線」事業は上下分離方式とし、南海とJRは線路を借り、毎年賃貸料を支払うと思われる。
「なにわ筋線」の建設費3,300億円のうち、南海とJRは合計330億円負担することになるので、単純な賃貸ではないが、ここでは単純化して試算する。
建設費3,300億円のうち、借入金1,020億円を40年に回収するスキームで、金利は0%とすると、南海とJRの合計で毎年25.5億円の賃貸料を支払う必要がある。
当ブログの試算
- 1日当たりの賃貸料は約700万円となる
- 乗客1人あたりの加算金を100円とする
- 1日の必要乗客数は7万人となる
- 損益分岐点は1年間の乗客数約2,555万人となる
現在の関空利用者数は年間2,571万人(2016年度)で、そのうち約50%が鉄道利用者とされる。
つまり、現在、関空アクセスで鉄道利用者は約年間1,300万人と予想される。
なにわ筋線の採算ラインは年間2,555万人と予想されるので、なにわ筋線の採算性は「関空利用者」だけでは極めて厳しい。
関空利用者が年間3,000万人で、そのうち「なにわ筋線」利用者は60%の1,800万人と予想されるので、関空利用者だけでは、採算が厳しい。
関空利用者以外の利用も見込む必要がある。