復元された「平城宮跡 朱雀門」(筆者撮影)
奈良県、奈良市、近鉄の3者は、世界遺産「平城京跡」を横切る「近鉄奈良線」を南に移設することで合意し、2021年3月25日に国へ計画書を提出した。
近鉄奈良線「大和西大寺駅」から「近鉄奈良駅」までの4.4kmを高架化・地下化し、途中駅3駅を新設する。
総事業費は2,000億円で、2041年度に着工、2060年度の完成を見込む。
出典 奈良県(当ブログで加工)
地図
計画概要
- 平城京跡(奈良県)は710年に建設され、敷地面積は約130haだが、敷地内に近鉄奈良線が東西に横切っており、景観悪化と踏切8か所による交通渋滞の問題があった。
- そこで、近鉄奈良線「大和西大寺駅」~「近鉄奈良駅」間の4.4kmを高架化・地下化し、南側の「大宮通り」に移設する。
- 2041年度に着工、2060年度の完成を見込む。
- 近鉄大和西大寺駅から平城宮跡西側まで高架化し、その後は地上に降り、平城宮跡南側から近鉄奈良駅まで地下化する計画。
- 途中駅は「朱雀大路駅」「新大宮駅」「油阪駅」の3駅の予定だが、別途近鉄と協議する。
- 総事業費は約2,000億円で、近鉄は事業が国の補助対象となることを前提に合意しており、今後正式に対象となれば3者で具体的な事業内容や費用負担額などを詰める。(引用 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20210325/k00/00m/040/173000c)
途中駅新設
駅名 | 場所・内容 |
朱雀大路駅(仮称) | 平城京跡の朱雀門の南側 |
新大宮駅 | 現在の駅より南西に移転し、地下駅化? |
油阪駅(仮称) | JR奈良線と接続か? |
すでに2017年、奈良県、奈良市、近畿日本鉄道は対象区間の移設などを検討する「まちづくりに関する連携協定」を締結している。
都市部の地下鉄の建設費は1km当たり400億円と言われ、移設対象線路長は4.4kmなので事業費は単純に試算すると1,760億円になるが、途中駅の設置費用も含めると2,000億円になるのかもしれない。
ただ、近鉄「大和西大寺駅」付近の踏切が撤去されるので、国から建設費の半分くらいの補助金が出る可能性がある。残りを奈良県と奈良市が負担すると思われる。
近鉄からは「事業費の負担が生じないように」との要望が出された。