2016年時点で、大阪のホテル客室数は約5万室だったが、2020年には約1万8000室増加し約6万8000室になると予想される。
しかし、2020年時点の大阪のホテル客室の不足数は1万3300室とするとのシンクタンクのレポートもある。
つまり、2020年に大阪のホテルは1万3300室不足する予想に対して、1万8000室が開業する。
したがって、2020年に大阪のホテル客室は4,700室が余剰となる可能性がある。
宿泊施設とは「ホテル」、「旅館」、「簡易宿泊所(カプセルホテル)」を含むが、この記事中の「客室数」は「ホテル」のみの客室数を指す。
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京都でホテル客室が急増
京都では長年、ホテル客室が不足していたが、2015年頃からホテル建設が急増している。
2016年現在、京都のホテル客室数は約2万2000室だったが、2020年には約1万3000室増加して3万5000室になると予想される。
京都のホテル客室が増加することで、従来、京都のホテルに宿泊できず、大阪に宿泊していた旅行者が京都に宿泊するようになり、大阪の宿泊者数が減少する可能性がある。
全国主要都市のホテル客室数(2016年、2020年予想)
当ブログの集計と予想
都市名 | 2016年客室数 | 2020年客室数(予想) |
東京 | 94,000 | 122,000 |
大阪 | 50,000 | 68,000 |
京都 | 22,000 | 35,000 |
札幌 | 20,000 | 24,000 |
名古屋 | 19,000 | 25,000 |
福岡 | 19,000 | 25,000 |
神戸 | 12,500 | 15,000 |
2017年 大阪のホテル客室単価下落
ホテルの客室単価の伸びが鈍っている。(2017年)7~9月は大阪地区の平均単価が5四半期連続で下落したほか、東京地区でも安くなった。
引用 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22750700W7A021C1QM8000/
2017年、大阪では約6,000室のホテル新規客室が開業しており、ホテル稼働率は80%~90%と日本一高いものの、客室供給不足が解消しつつある。また、客室単価も落ち着いている。
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今後の予想
2015年~2017年前半、大阪ではホテル不足が深刻で週末など1泊3万円以下のホテルがない状態だった。しかし、2017年後半からホテル不足が解消しつつある。
その結果、今まで大阪のホテルが高いため神戸などに宿泊していた顧客が、再び大阪のホテルに宿泊するようになるので、大阪のホテル稼働率が極端に悪化することない。
また、大阪に来る訪日外国人はリピーターが多い。今までは、ホテル価格が高いために、大阪訪問を諦めていた訪日外国人も再び大阪を訪問するようになる。
コメント
2020年に大阪のホテル客室数は4,700室が余剰になるとのレポートもあるが、大阪への潜在的宿泊需要は大きく、極端な余剰にはならない。
逆に、大阪のホテル不足が解消することで、新規需要が増加し、宿泊者数が増加する可能性がある。
2018年までは淀屋橋、北浜、本町の駐車場跡地に200室程度のビジネスホテルを建設することが多かった。
しかし、2019年以降はラグジュアリーホテル、高級サービスアパートメントなどハイグレードホテルの建設が見込まれる。また、外国人にとって使いやすい和風旅館の需要もある。
ホテル客室数が増加し、充足すれば、その次にはホテル客室の「量から質」が求められるようになる。
ただ、神戸については、今まで大阪や京都に宿泊できず神戸に宿泊していた需要がなくなり、神戸のホテル稼働率は低下すると見込まれる。