
2026年1月28日、航空業界の脱炭素をめぐり、経済産業省と国土交通省は、再生航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」の普及に向け、利用者が費用の一部を負担する仕組みを検討する方針を示しました。これにより、SAFの国内生産の拡大を強力に後押しする構えです。
引用 日経新聞
SAFは、廃食油やバイオマスなどを原料とする次世代の航空燃料です。従来のジェット燃料と比べ、製造から燃焼までのライフサイクル全体でCO₂排出量を大幅に削減できるとされています。
航空機は電動化が難しく、脱炭素が最も困難な分野の一つです。その中で、既存の機体やエンジンをそのまま活用できるSAFは、現実的な切り札と位置づけられています。
最大の課題はコストです。
SAFは従来燃料の2~5倍と高額で、生産量もまだ限られています。
仮に航空会社が全額負担すれば、
・運賃の大幅値上げ
・収益悪化
・国際競争力の低下
といった懸念が生じます。
そこで政府は、航空券価格などに上乗せする形で、利用者にも一定の負担を求める仕組みを検討しています。
ただし、航空会社へのSAFの利用の義務付けはしない方針です。
今回の政策の狙いは、単なるコスト転嫁ではありません。
利用者負担を通じて安定した需要を確保し、国内SAF産業を育成することにあります。
日本はエネルギー資源の多くを輸入に依存しています。SAFを国内で生産できれば、
・エネルギー安全保障の強化
・新産業の創出
・地域経済の活性化
といった波及効果も期待できます。
具体的な負担額は今後の制度設計次第ですが、
・国内線で数百円程度
・国際線で千円前後
との見方もあります。
大幅な値上げではないものの、LCC利用者など価格に敏感な層には影響が出る可能性もあります。
例えば、スカイマークの年間旅客数は約814万人(2024年度)ですが、
- 1搭乗で500円の負担の場合、総額で約40億円の負担増加になります。
- 1搭乗で300円の負担の場合、総額で約24億円の負担増加になります。
- 2025年に航空燃料の1%をSAFに置き換える
- 2030年に航空燃料の10%をSAFに置き換える
EUの規制(検討中)
- 2025年:2%
- 2030年:6%
- 2035年:20%
- 2040年:34%
- 2024年:42%
- 2050年:70%
イギリスの規制
- 2030年までに10%をSAFに置き換える
