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【大阪市淀川区十三】武田薬品大阪工場 大幅縮小 一部解体完了(2018年2月)

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「武田薬品大阪工場」 大阪市淀川区十三(出典 大阪府)

武田薬品工業は、十三の大阪工場(敷地面積約160,000平米)を大幅に縮小している。

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湘南研究所

2011年2月、大阪工場の研究部門(800人)は、同社の筑波研究部門(140人)と統合し、1,470億円かけて同社旧湘南工場跡地に建設した「湘南研究所」(1,000人)に移転した。

今後、大阪工場は「アリナミンV」などの研究・生産施設と、抗がん注射剤「リュープリン」に特化したサイトとなる。

但し、災害対策として、生産設備を分散するため同社光工場でも「リュープリン」を生産する。

大阪工場で作っていた固形製剤は山口県光市の光工場で生産し、治験薬部門は武州製薬(埼玉県)に移管する。

2018年2月には、大阪工場の生産設備4,120平米の解体が終了する。

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武田薬品工業 大阪工場 概要

開設 1915年
所在地 大阪市淀川区十三本町2丁目(阪急十三駅西口徒歩5分)
敷地面積 160,000平米
従業員(2006年) 1,100名
施設(2006年) 固形製剤、治験薬、リュープリン
武田薬品工業の新「研究所」は、「大阪府茨木市彩都」と神奈川県藤沢市「旧湘南工場跡地」の誘致競争となったが、2006年に、湘南研究所を建設することが決定した。
武田薬品が移転を決断した理由は、人材や情報など経営資源の集積が首都圏の方が厚いことにあるとされる。
この決定をしたのが、武田薬品の長谷川閑史社長(当時)だった。
長谷川閑史氏経歴
  • 1946年山口県生まれ
  • 早稲田大学政治経済学部卒業
  • 1970武田薬品工業入社

湘南研究所では、京都大学iPS細胞研究所と共同でiPS細胞を使った新薬の開発をしているが、、、

実態は、以下の通り

武田(薬品)が大阪市内に研究所を構えていた頃、京都大学や大阪大学の薬学部修士課程修了者の就職先人気はダントツで武田だった。

ところが研究所を神奈川県に移して以降、関西に研究所を構え続ける塩野義製薬や小野薬品工業の人気が高まり、逆に武田は、優秀な学生の確保に苦慮するようになってしまった。

引用 biz-journal http://biz-journal.jp/2016/05/post_14942_2.html

武田薬品工が研究開発機能を再編することに伴い、湘南研究所(神奈川県藤沢市)の研究員が現在の3分の1程度になる見通し(中略)現状の1000人から300~400人に減る見通し。

引用 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ14H2U_U7A110C1TJC000/

2017年1月、武田薬品工業は、がん治療薬を手掛けるアメリカ・バイオベンチャー「アリアド・ファーマシューティカルズ社」を約54億ドル(約6,000億円)で買収すると発表した。

2017年3月、武田薬品工業は他社と共同出資し、創薬ベンチャー「スコヒアファーマ」を設立した。

その他、多くのベンチャー企業を買収・共同設立している。

武田薬品工業は湘南研究所(神奈川県藤沢市)で外部のベンチャー企業(VB)や研究員の受け入れを加速する。

外部人材に施設を積極的に開放し、2年以内に所内で働く研究員数を現在の3倍の3千人超に増やす。

引用 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22405430Y7A011C1TJ2000/

記事を読むと、湘南研究所が順調で規模拡大すると思うかもしれない。

しかし、現実は、大阪(800人)と筑波(140人)から研究員を移転させ、湘南研究所(1,000人)を作ったが、結局、300人~400人まで縮小する。

その後、数千円億円でバイオベンチャーを買収、共同設立し、「社外人材」を活用して湘南工場の研究員を3,000人規模に拡大する。

つまり、従来の研究者は1,000人から300人~400人に縮小し、社外人材を2,600人~2,700人導入するという意味だ。

 

一方、大阪の「小野薬品工業」は大阪府島本町に「水無瀬研究所」を持ち、2014年に画期的な抗がん剤「オプジーボ」を発売した。

また、大阪の「藤沢薬品工業」と「山之内製薬」が合併して出来た「アステラス製薬」は、営業利益で武田薬品工業を追い抜いた。

武田薬品工業の業績は、大阪工場縮小後、急速に悪化している。

東京の研究者は、同調圧力が強く、業界内で一番可能性が高いとされる方法で研究する傾向が強い。

関西の研究者は、業界内で可能性が低いとされた方法でも自分が信じた方法で研究する傾向がある。

業界の常識に囚われて、みんなと同じ研究をする関東の研究者では新薬発見の可能性は低い。

武田薬品工業は、大阪から神奈川に研究所を移転してから、新薬開発が思わしくない。

もし、大阪府彩都に研究所を設立していれば、京大・阪大の研究者が残り「オプジーボ」を発売できたかもしれない。

しかし、神奈川では新薬開発が不振で、大型買収で生き残りを図るしかなくなっている。

2018年4月、武田薬品工業は、アイルランドの製薬大手「シャイアー」を7兆円で買収すると報道された。

神奈川の湘南研究所を3,000人に拡大し、自社で新薬開発をすると思われたが、なぜか超大型買収案件が浮上している。

湘南研究所の新薬開発はどうなっているのか?

 

2017年製薬会社ランキング

順位 会社名 売上高 営業利益
1 武田薬品工業 1兆7320億円 1,558億円
2 アステラス製薬 1兆3116億円 2,608億円
3 大塚HD 1兆1955億円 1,101億円
4 第一三共 9,551億円 889億円
5 エーザイ 5,390億円 590億円
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