アッパーマス層
金融資産3,000万円以上の世帯を「アッパーマス層」と呼ぶ。
金融資産3,000万円未満の世帯は「マス層」と呼ばれ、「アッパーマス層」はその上の階層となる。(不動産は含まない)
階層名 | 金融資産額 |
---|---|
超富裕層 | 5億円以上 |
富裕層 | 1億円~5億円 |
準富裕層 | 5,000万円~1億円 |
アッパーマス層 | 3,000万円~5,000万円 |
マス層 | 3,000万円未満 |
「アッパーマス層」とは、あくまでも、証券会社系シンクタンクによる分類に過ぎない。
一般的に、金融資産の3分の1を株式に投資できるとされる。
したがって、金融資産3,000万円ならば、1,000万円を株式に投資できる。
つまり、「アッパーマス層」とは株式に1,000万円以上投資できる顧客という意味だと思う。
証券会社にとっては意味のある分類だが、消費行動については「アッパーマス層」と「マス層」はそれほど違いはない。
「アッパーマス層」は、貯金や節約によって達成できる人も多く、節約している人も多い。
一方、「マス層」は節約していない人も多く、消費額は「マス層」の方が多い場合もある。
親の資産を受け継いで「アッパーマス層」になる人もいるだろうが、ここでは会社員(年収500万円)から「アッパーマス層」になる過程をイメージしてみる。
年代別のアッパーマス層の比率
年齢 | アッパーマス層の比率 |
---|---|
20代 | 0% |
30代 | 1% |
40代 | 9% |
50代 | 16% |
60代 | 24% |
70代 | 23% |
30代では、アッパーマス層は1%しかおらず、60代と70代でアッパーマス層の比率が最大となっている。
結論から言うと、20年以上毎月5万円~10万円を貯金をし、退職金を受け取って金融資産3,000万円以上のアッパーマス層になる世帯が多いと思われる。
そう考えると「アッパーマス層」は特別な人ではないと思えてくる。
資産運用を考えると、金融資産3,000万円すべてを配当利回り5%の高配当株に投資すると、年間150万円の配当を受け取れる。
150万円の配当から税金20%を引かれて手取りは年間120万円となる。つまり、毎月平均10万円の配当収入を得られる。
しかし、金融資産すべてを株式投資するのはリスクが高すぎる。
株式投資は金融資産の3分の1
金融資産3,000万円の3分の1の1,000万円を投資して、配当利回り5%、税金20%を引かれると、年間の配当収入は40万円となる。
これは月平均約3.3万円になる。
こう考えると、金融資産3,000万円ではそれほど贅沢はできない。
毎月積立で3,000万円は可能か?
(運用利回り5%の場合)
毎月の積立金額 | 積立期間 | 最終積立金額 |
10万円 | 17年 | 32,052,452円 |
5万円 | 26年 | 31,912,799円 |
4万円 | 29年 | 31,202,797円 |
3万円 | 30年 | 24,967,759円 |
運用利回り5%の場合、毎月3万円の積立投資では、30年間でも3,000万円は超えない。
アッパーマス層を目指すならば、毎月最低4万円の積立投資が必要だと思う。
現実的には、毎月5万円~10万円の積立投資をすれば20年~30年後に3,000万円を超える可能性がある。
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の売買益は「雑所得」に分類されて、給料所得などと合計され総合課税される。
例えば4,000万円以上の売買益なら所得税45%+住民税10%=55%の税金を納税しないといけない。
所得金額(概算) | 所得税 | 住民税 | 合計 |
195万円未満 | 0% | 10% | 10% |
195万円~330万円未満 | 10% | 10% | 20% |
330万円~695万円未満 | 20% | 10% | 30% |
695万円~900万円未満 | 23% | 10% | 33% |
900万円~1800万円未満 | 33% | 10% | 43% |
1800万円~4000万円未満 | 40% | 10% | 50% |
4000万円以上 | 45% | 10% | 55% |
税金を考慮すると暗号資産(仮想通貨)で一発逆転は難しいように思える。
繰り返しになるが「アッパーマス層」とは、証券会社系シンクタンクによる分類で、金融資産の3分の1を株式投資すると、金融資産3,000万円ならば1,000万円を投資できるというだけに過ぎない。
ある程度の貯蓄は必要だが、20代~30代ならば、無理して貯蓄するよりも、自分のしたいように消費すればいいのではないか?
極端な節約をして60歳で「アッパーマス層」になったとしても、豊かな人生とは思えない。
20代~30代に節約生活をしたために、60歳になって、つまらないものに数十万円~数百万円の資金を使ってしまうかもしれない。
まとめ
「アッパーマス層」の金融資産3,000万円では、それほど贅沢はできないし「マス層」と生活水準も変わらないこともある。
2024年新「NISA」
NISAは少額投資非課税制度で、2023年までは1年間あたりの投資額は最大120万円(一般NISA120万円・つみたてNISAは40万円だが併用はできない)。
2024年以降は1年間最大360万円(成長投資枠240万円・つみたて投資枠120万円)まで拡大される。
さらに非課税期間も一般NISAの5年、つみたてNISAの20年が新NISAでは無期限となる。
投資総額は1,800万円(成長投資枠1,200万円+つみたて投資枠600万円)となる。
現行のNISAでは売却すると、その投資枠は復活しないが、新NISAでは売却分の非課税保有限度額が翌年には再利用可能となる。
- 成長投資枠:上場株式・投資信託など
- つみたて投資枠:条件を満たした投資信託のみ