星野リゾートは、国の重要文化財である「旧奈良監獄」を活用し、日本初となる監獄ホテル 「星のや奈良監獄」(全48室) を2026年春に開業する予定です。
あわせて、ホテルに隣接する形で「奈良監獄ミュージアム」も整備され、こちらは2026年4月27日に日帰り利用施設として開館します。
「旧奈良監獄」は、明治41年(1908年)に竣工した歴史的建造物で、長年にわたり奈良少年刑務所として使用されてきました。しかし建物の老朽化などにより、2017年にその役目を終え閉鎖されました。
今回の計画では、この貴重な近代建築を保存・再生し、歴史を生かした形で新たな文化・観光資源へと生まれ変わらせることが目指されています。
「星のや奈良監獄」では、1階と2階に合計48室の客室が設けられ、宿泊者向けにレストランやラウンジといった付帯施設も整備されます。
赤レンガ造りの外観や特徴的な放射状の建築など、往時の姿をできる限り残しつつ、現代的な快適さを備えた空間で滞在を楽しむことができます。
また、監獄の歴史や建築的価値を紹介する「奈良監獄ミュージアム」では、かつての監獄施設を見学でき、貴重な近代建築の魅力を体感することが可能です。
このプロジェクトは、明治期の近代建築を未来へ伝える保存活動であると同時に、奈良観光の新たな拠点として地域活性化にも大きく貢献すると期待されています。
旧奈良監獄は、明治政府が計画した五大監獄の中で、現存する唯一の建築物です。奈良以外に、長崎監獄・金沢監獄・千葉監獄・鹿児島監獄がありました。
旧奈良監獄 表門
全体

「星のや奈良監獄」に隣接して、日帰りで利用できる「奈良監獄ミュージアム」が2026年4月27日に開館します。
このミュージアムは、歴史的建築物の保存を担いながら、コンセプトを「美しき監獄からの問いかけ」とし、重厚な赤レンガ造りの建物を可能な限り当時のままに活かしています。館内では、少年刑務所として使われていた独居房の見学や、かつての刑務所生活を体感できる展示が用意されています。
施設は「保存エリア」「A棟・B棟・C棟の三つの展示棟」「展示エリア(カフェとショップ併設)」の3つに分かれ、入館料は大人2,500円(奈良県在住者2,000円、海外在住者3,500円)です。
アクセスは近鉄奈良駅からバスで約13分、下車後徒歩5分となっています。
出典 奈良市
公園内にスケートボードやランニングを楽しめるエリアを整備する予定。
出典 奈良市
地図
出典 星野リゾート
元収容棟は、ハビランド・システムと呼ばれた建築が取り入れられ、看守が立つ監視所を全体の中心に据え、複数の収容棟が放射状に伸びる。
施設名 | 星のや奈良監獄 |
プロジェクト名 | 鴻ノ池運動公園及び旧奈良監獄連携プロジェクト |
所在地 | 奈良県奈良市般若寺町18 |
敷地面積 | 100,478.80㎡(付帯の奈良監獄ミュージアムを含む) |
建築面積 | 星のや奈良監獄:6,226㎡ 奈良監獄ミュージアム:1,860㎡ |
延床面積 | 星のや奈良監獄:10,343㎡ 奈良監獄ミュージアム:2,463㎡ |
客室数 | 48室 |
付帯施設 | レストラン ラウンジ 奈良監獄ミュージアム(日帰り利用可能) |
開業時期 | 2026年春 (奈良監獄ミュージアムは2026年4月27日開業) |
事業者 | 星野リゾート |
ホテル計画 | 東環境・建築研究所 |
ランドスケープデザイン | オンサイト計画設計事務所 |
総事業費 | 5億2000万円 |
アクセス | 近鉄奈良駅からバス13分+「般若寺」バス停下車徒歩約5分 |
奈良監獄ミュージアム
施設名 | 奈良監獄ミュージアム |
所在地 | 奈良県奈良市般若寺町18 |
開館時間 | 9:00~17:00(最終入館 16:00) |
定休日 | なし ※メンテナンス休館あり |
料金 | 大人 2,500円(日本在住者)、2,000円(奈良県在住者)、3,500 円(海外在住者)
大学生・高校生1,500 円 小学生・中学生700 円 未就学児無料 |
付帯施設 | カフェ&ショップ |
開業日 | 2026年4月27日 |
チケット販売開始日 | 2026年2月(予定) |
建築面積 | 1,860㎡(奈良監獄ミュージアム:保存棟及び展示エリア) |
延床面積 | 2,463㎡ |
敷地面積 | 100,478.80㎡(星のや奈良監獄を含む) |
ランドスケープデザイン | オンサイト計画設計事務所 |
耐震対策工事 | 戸田建設株式会社(大阪支店) |
内装、展示設計・施工 | 乃村工藝社 |
アクセス | 近鉄奈良駅からバス13分+「般若寺」バス停下車徒歩約5分 |