スポンサーリンク

神戸空港の国際チャーター便(2025年春就航)韓国、中国、台湾の航空会社が関心

(当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。)

神戸空港(筆者:スマホ撮影)

神戸新聞によると、2025年春就航予定の「神戸空港の国際チャーター便」について、韓国、中国、台湾の航空会社が関心を示した。

引用 神戸新聞

 

国際線着陸料は?

神戸新聞の記事を読むと、一見順調のように見える。

しかし、当ブログの理解では、神戸空港の運営は「関空エアポート神戸株式会社」が担当するが着陸料は神戸市の条例で決定される。

2024年6月現在、神戸空港の国際線の着陸料が決定してない可能性がある。

少なくとも、ネット情報では見つけられなかった。

もっとも、現行の国内線の着陸料をそのまま国際線に適用する可能性もあるが、それも明確ではない。

民間航空会社は、国際線を就航する際に「着陸料」が決定していないと話を進められないと思う。

もし「国際線の着陸料」が決定していないならば、神戸市は早期に決定し必要があれば条例も改正すべきだと思う。

万が一、国際線着陸料が決定しているのであれば、一般にも公開すべきだと思う。

 

サブターミナル施設利用料

神戸市は、2025年春の神戸空港国際チャーター便就航のために、「サブターミナル」を150億円で建設している。周辺工事も含めた総額は283億円となる。

引用 神戸市PDF

サブターミナル建設費は借金などでの調達を想定し、空港の施設利用料や賃料などで償還するという。

引用 神戸新聞

当ブログ管理人の知る限り、神戸空港は施設利用料(PSFC)を飛行機利用者からは徴収していない。

関西3空港の施設使用料(当ブログまとめ)

空港 施設使用料(国内線) 施設使用料(国際線)
関西国際空港

(第1ターミナルビル)

440円(出発)

440円(到着)

3,100円(第1ターミナルビル)

旅客サービス施設使用料(PSFC)と旅客保安サービス料(PSSC)の合計

関西国際空港

(第2ターミナルビル)

420円(出発)

370円(到着)

1,570円(第2ターミナルビル)

旅客サービス施設使用料(PSFC)と旅客保安サービス料(PSSC)の合計

伊丹空港 340円(出発)

340円(到着)

神戸空港 0円 未定

神戸空港も2025年春の国際チャーター便就航を契機に「施設利用料」を徴収すると思うが、それも決定していないようだ。

少なくとも、一般には公開されていない。

常識的に考えて、着陸料も空港施設利用料も決定していないのであれば、海外のエアラインが就航を正式に決定することはないと思う。

新規就航であれば、空港スタッフを採用し訓練しないといけないので、少なくとも就航の半年前には、着陸料も空港施設利用料を決定すべきだと思う。

日本のエアラインの場合、空港からの通勤時間が例えば30分以内(または空港から半径30km以内)などの居住制限があるので、場合によっては引越しも必要になる。

このような国際チャーター便就航について課題を神戸市は早急に解決すべきだと思う。

 

国際チャーター便の採算性

前井戸兵庫県知事時代、伊丹空港や神戸空港から「オウンユースチャーター国際便」を数回就航させた。

小型機(A320クラス・約160座席)で、往復2,000万円の費用がかかったと記憶している。

一人あたり航空運賃だけで往復約12万円(片道6万円)になる。

国際チャーター便のスケジュールを考えると、台湾から神戸空港に乗客を乗せずに到着し、神戸空港で乗客を乗せて台湾に到着する。その後、2日~3日後に台湾から神戸空港に到着し、神戸空港から台湾に乗客を乗せずに飛行する。

国際チャーター便と言っても、相手国から集客できないと、フライトの半分は乗客ゼロなので、コストは定期便の2倍になる。

関空から台湾の航空運賃は片道2万円~と思うので、神戸空港から発着すると2倍の片道4万円以上になる可能性がある。

往復運賃は関空発着で4万円、神戸空港発着で8万円なら大阪市内から神戸空港を選択することはないと思う。

また、JR大阪駅から関空まで乗換なしで特急48分(約2,000円)で行けるが、JR大阪駅から神戸空港まで三ノ宮で乗換して48分かかる。

結局、神戸空港国際チャーター便は、大阪市内から集客するのは苦戦すると思う。

2030年に神戸空港国際線定期便が就航する予定だが、2031年春には「なにわ筋線」が開業し、JR大阪駅=関西空港の所要時間は最速38分まで短縮する。

海外の富裕層にとって、関空=JR大阪駅の特急料金(約2,000円)はむしろ安いと思う。

神戸空港は海外の富裕層の集客も苦戦すると思う。

地方空港でよくある話として、国際線を維持するために、数億円の補助金を海外の航空会社に支給して、修学旅行も海外にする県もある。

 

以下は参考記事

神戸市が着陸料を決定

神戸空港は神戸市が税金3,140億円を投入して建設した空港で、着陸料は「神戸空港条例の第19条(別表1)」「神戸空港供用規程第15条第4項」で定められている。

さらに、「神戸空港の着陸料等算定の特例を定める達」(平成30年2月21日 達第25号)により、3分の2に減額されている。

ちなみに、神戸空港の建設費3,140億円は空港島の埋立て、滑走路建設のみで、ターミナル建設費やポートラーナー延伸費用、神戸スカイブリッジ(連絡道路)の建設費、高度処理水施設建設費は含まれておらず、それらを合計すると7,000億円~8,000億円と言われる。

 

神戸空港の着陸料(当ブログの試算)
  • 機材:ボーイング737-800
  • 最大離陸重量:79トン
  • 25トン以下は、1トンごとに1,100円(+27,500円)
  • 25トンを超え、1トンごとに1,500円(+81,000円)
  • 合計108,500円
  • 3分の2に減額して72,333円

 

伊丹空港の着陸料

  • 着陸料153,041円(B737-800)
  • 空港施設利用料(PSFC)340円(出発)・340円(到着)
  • 空港施設利用料(PSFC)合計(搭乗率80%で試算)92,480円
  • 合計(着陸料+施設利用料)245,521円

 

当ブログの試算では、神戸空港の着陸料(B737-800)は72,333円で、伊丹空港の着陸料+空港施設利用料(PSFC)の合計245,521円の3分の1以下になる。

 

神戸空港の運営

関西エアポート神戸株式会社(関西エアポート株式会社の100%出資会社)は、神戸空港の運営を神戸市から引継ぎ、2018年4月1日より事業(事業期間42年)を開始した。

関西エアポート神戸は、神戸空港について航空系事業(滑走路等の運営・維持管理)及び非航空系事業(ターミナルビル等の運営・維持管理)の運営を行い、本事業からの損益は原則として関西エアポート神戸に帰属する。ただし、航空管制業務は関西エアポート神戸の事業の対象外となる。

 

神戸空港の着陸料の試算

神戸空港条例の第19条(別表1)

1 ターボジェット発動機又はターボファン発動機を装備する航空機については、航空機の着陸1回ごとに、次に掲げる金額の合計額

(1) 航空機の重量(当該航空機の最大離陸重量をいう。以下同じ。)をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額

ア 25トン以下の重量については、1トンごとに1,100円

イ 25トンを超え100トン以下の重量については、1トンごとに1,500円

ウ 100トンを超え200トン以下の重量については、1トンごとに1,700円

エ 200トンを超える重量については、1トンごとに1,800円

(2) 国際民間航空条約の附属書16に規定するところにより測定された離陸測定点と進入測定点における航空機の騒音値(当該騒音値のない航空機にあっては、当該航空機について、その製造国の政府機関の公表しているこれに準ずる騒音値)を相加平均して得た値(1EPNデシベル未満の端数があるときは、1EPNデシベルとして計算する。)から83を減じて得た値に3,400円を乗じて得た金額

2 その他の航空機については、航空機の着陸1回ごとに、航空機の重量をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額

(1) 6トン以下の航空機については当該重量に対し1,000円

(2) 6トンを超える航空機

ア 6トン以下の重量については、当該重量に対し700円

イ 6トンを超える重量については、1トンごとに590円

 

神戸空港の着陸料等算定の特例を定める達(平成30年2月21日 達第25号)

着陸料の暫定措置
他人の需要に応じ、有償で旅客又は貨物の運送の用に供される航空機に係る着陸料に
ついては、当分の間、規程第 15 条第 2 項の規定に関わらず、同規程により算出して得た
金額に 3 分の 2 を乗じて得た金額とする。

 

 

伊丹空港の着陸料
  • ボーイング式 737-800(153,041円)

出典 関西エアポート

 

神戸空港の着陸料について(過去記事)

神戸空港(筆者撮影)

航空会社は、空港会社に着陸料を支払う。国営空港の場合は、一律料金だが、空港会社や市営空港は着陸料が異なる。

そこで、神戸市に資料から神戸空港の着陸料を試算してみる。

出典 神戸市

神戸空港は1日30往復(60便)なので、年間最大10,950往復となる。

2017年度の着陸料7億5500万円を10,950回で割ると、68,950円となる。

神戸空港に就航している飛行機の機材は737-800型機がほとんどだが、ボーイング777も1往復就航しているし、沖縄路線は着陸料が減免されている。

また、1日の発着便数が30往復(60便)以下のときもあるので、あくまでも参考値です。

 

伊丹空港の737-800型機の着陸料は155,358円となっている。

さらに、伊丹空港では、2018年10月28日から「旅客サービス施設使用料(PSFC)」として出発260円、着陸260円が設定された。

(伊丹空港は騒音が激しいので特別着陸料片道300円が徴収されていたが、2019年現在、この特別着陸料がどうなっているかははっきりしない。)

 

ボーイング737-800型機の着陸料合計試算(国内線)

神戸空港 伊丹空港
着陸料 約70,000円 155,358円
空港利用料(PSFC) 260円×300座席(1往復)
合計 約70,000円 約233,358円

当ブログの分析なので、100%の正確性はないが、神戸空港の着陸料は伊丹空港の3分の1と思われる。

error: Content is protected !!