
2025年1月10日、イオンモール株式会社は、大阪市中央区の商業施設「心斎橋オーパ(OPA)」を2026年1月12日に閉店すると発表しました(※営業終了日は業種により異なります)。
同社が発表したニュースリリースによると、都市型ショッピングセンター(SC)事業は近年、営業赤字が続いており、心斎橋オーパは大阪市中心部という競争の激しい立地にあることから、テナントの入れ替えや改装などの投資負担が重く、採算が悪化していたとしています。
今後、イオンモールは収益性の高い郊外型の大型ショッピングセンターへの投資に重点を移す方針です。
心斎橋オーパは1994年に本館がオープン、1998年には「きれい館」が開業しましたが、建物所有者(本館:ユナイテッド・アーバン投資法人)(きれい館:〔信託受託者〕三井住友信託銀行株式会社)との賃貸借契約の終了に伴い、両館ともに営業を終了します。
ニュースリリース イオンモールPDF
アクセスは、大阪メトロ御堂筋線「心斎橋駅」直結。
地図
| 施設名 | 心斎橋オーパ「本館」 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪市中央区西心斎橋1-4-3 |
| 敷地面積 | 約2,800㎡ |
| 延床面積 | 約27,000㎡ |
| 総賃貸面積 | 約11,200㎡ |
| 建物所有者 | ユナイテッド・アーバン投資法人 |
| 開店日 | 1994年11月19日 |
| 施設名 | 心斎橋オーパ「きれい館」 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪市中央区西心斎橋1-9-2 |
| 敷地面積 | 約1,000㎡ |
| 延床面積 | 約4,900㎡ |
| 総賃貸面積 | 約2,400㎡ |
| 建物所有者 | 【信託受託者】三井住友信託銀行株式会社 |
| 開店日 | 1998年8月6日 |
建物所有者のユナイテッド・アーバン投資法人は、丸紅株式会社系の投資会社で2003年12月22日に東京証券取引所不動産投資信託証券市場(銘柄コード:8960)に上場しました。
大阪の北摂地域に住む10代~20代の若者は、JR大阪駅周辺にある「ルクア」「HEP FIVE」「エスト」などの商業施設を訪れる傾向があります。一方、大阪南部や堺エリアの同世代は、「なんばCITY」「なんばパークス」「あべのキューズモール」を利用することが多いようです。
もちろん、「心斎橋オーパ」にも梅田、難波、天王寺と同様のブランドが多数入居していますが、立地や利便性を考慮すると、あえて足を運ぶ必要性はそれほど高くないと感じられるかもしれません。
特にZ世代(1996〜2012年生まれ)にとって、ユニクロは「手頃な価格」「シンプルで着回しやすい」「トレンドを押さえたデザイン」が魅力のブランドで人気となり、他のアパレルブランドは軒並み苦戦を強いられています。
さらに、オンラインショッピングの利用が急増する一方で、リアル店舗の来店数は減少傾向にあり、購買行動の主軸がデジタルへと移行しています。
また、心斎橋を訪問するインバウンド客は多いものの、人気の「高級ブランド店」が少ないため、十分に集客できませんでした。
2029年5月以降の跡地の利用につきましては、現時点では公式な発表はございません。
当ブログの見解といたしましては、心斎橋という好立地を踏まえ、訪日観光客を主なターゲットとした高級ブランド店舗およびホテルの需要が高いものと考えております。
そのため、現在の建物は解体のうえ新たに建て替えられる可能性が高いと推察されます。
建て替え後は、低層階に高級ブランドの店舗が入り、高層階にはホテルが設けられるのではないかと予想しております。
