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関西国際空港(関空)2期島における「本格ターミナルビル」建設計画とその課題

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計画案(出典 国道交通省)

現状

関西国際空港は、1994年の開港以来、1期島(第1ターミナルビル)と2期島(第2滑走路を中心としたエリア)という二段階の開発で機能を拡大してきました。

2期島にはすでに第2ターミナル(LCC向けの小規模ターミナル)が整備されています。

しかし、「本格的なターミナルビル」の建設については、いまだ具体的な施工に至っていません。これは、単なる施設増築ではなく、関西地域の国際競争力強化や航空需要の今後の成長を見据えた重要なプロジェクトです。

 

関西国際空港の「ターミナルビル」処理能力の現状

関西エアポート株式会社は、2021年5月から総事業費約700億円を投じて進めてきた「関西国際空港第1ターミナルビル」の大規模リノベーションを完了し、2025年3月に供用を開始しました。

このリノベーションにより、国際線の処理能力は関西国際空港全体で年間4,000万人規模に拡大しました。長年の課題であった動線の混雑や施設の老朽化も大幅に改善され、空港としての基本機能は一応の完成形に達したといえます。

一方、国内線については、施設規模や運用状況から年間約1,250万人程度の処理能力があると推定されます。

これらを合算すると、関西国際空港全体の年間旅客処理能力は約5,250万人規模となります(当ブログ試算)。

 

今後、関西空港(2期島)に「本格ターミナルビル」が建設されるのか?

当ブログの予想では、早ければ2030年代前半にも「関西国際空港・二期島本格ターミナルビル」が完成する可能性はあります。

ただし、その実現に向けては、いくつかの重要な課題が存在すると考えられます。

 

課題(利用者数)

結論から言うと、関西国際空港の年間利用者数が5,000万人を大きく超え、6,000万人以上が見込まれる段階にならなければ、「関西国際空港・二期島本格ターミナルビル」の建設には至らないと考えます。

実績値を見ると、2024年暦年(1月~12月)の関西国際空港の利用者数は3,064万人でした。内訳は、国際線が2,391万人、国内線が673万人です。

一方、2025年3月に第1ターミナルビルの大規模リノベーションが完了したことで、関空の年間処理能力は合計5,250万人に拡大しました。

内訳は、国際線4,000万人、国内線1,250万人であり、単純計算では約2,186万人分の余力が残っています。

さらに、2030年度の関西国際空港の需要予測では、

  • 総旅客数:3,889万人~4,966万人
  • 総発着回数:25.3万回~29.7万回

とされており、この水準であれば、リノベーション後の既存施設だけで十分に対応可能です。

以上を踏まえると、少なくとも2030年代前半の時点では、需要面から見て二期島に本格的な新ターミナルビルを建設する必然性は高くないといえます。

今後の判断材料となるのは、インバウンド需要の持続的な拡大や、関空の年間利用者数が6,000万人規模へと近づくかどうかになるでしょう。

統合型リゾート(大阪IR)開業の影響

2030年秋には、夢洲で統合型リゾート(大阪IR)が部分開業する予定です。大阪府などの想定では、全面開業後には年間約700万人の外国人利用者が見込まれています。

この700万人が往復で関西国際空港を利用すると仮定すると、空港利用者数は年間約1,400万人増加する計算になります(当ブログ試算)。

これを2024年暦年の関西国際空港利用実績に当てはめると、

  • 2024年実績合計:3,064万人
  • うち国際線:2,391万人
  • うち国内線:673万人

ここに国際線1,400万人増を加えると、

  • 合計:4,464万人
  • うち国際線:3,791万人
  • うち国内線:673万人

となります。

一方、2025年3月の第1ターミナルリノベーション完了後の関西国際空港の年間処理能力は、

  • 合計:5,250万人
  • うち国際線:4,000万人
  • うち国内線:1,250万人

とされており、この水準であれば、大阪IRが全面開業した場合でも、既存施設の処理能力内で十分に対応可能です。

つまり、大阪IRの開業は確実に関空の利用者数を押し上げる要因ではあるものの、それだけを理由に直ちに「二期島本格ターミナルビル」の建設が必要になる状況ではないと考えられます。

2030年度の関空利用者予測にIR利用者1400万人を加えた場合
項目 関空利用者数
2030年度 総旅客数3889万人~4966万人
IR利用者数 1400万人(往復として計算)
2030年代前半 総旅客数5289万人~6366万人

 

当ブログの考え

2025年は大阪・関西万博の開催効果により、関西国際空港(関空)の利用者数は年間3,733万人に達すると見込まれています。ただし、これはあくまで万博という一過性イベントの影響が大きく、2026年以降も利用者数が増加基調を維持できるかどうかを冷静に見極める必要があります。

当ブログでは、関空の将来を判断するうえで、IR(統合型リゾート)を除いた国際線需要の伸びが重要な指標になると考えています。仮に、2026年から2030年の5年間にかけて、IR利用者とは別に、国際線利用者が毎年200万人ずつ増加し、合計1,000万人の純増となるのであれば、関空は構造的な成長フェーズに入ったと評価できます。

その場合、現在のターミナル運用の延長線では対応が難しくなり、「関西国際空港・二期島本格ターミナルビル」の早期建設に踏み切る可能性が高いと考えています。万博後の反動減に耐え、なお需要が積み上がるかどうか—2026~2030年は、関空にとって次の50年を左右する重要な検証期間になるでしょう。

課題(発着回数)
2025年3月、関空の発着回数は年間23万回から年間30万回に引き上げられました。
2024年(1月~12月)発着回数実績
項目 発着回数
全体 193,134回
国際線 145,106回

  • 125,686回(旅客便)
  • 18,052回(貨物便)
  • 1,368回(その他)
国内線 48,028

  • 46,223回(旅客便)
  • 7回(貨物便)
  • 1,798回(その他)

国際線(旅客便)の発着回数は125,686回、利用者数は2,391万人なので、1回(便)当たり190人の乗客が搭乗していることになる。

関空全体の年間発着回数30万回のうち、国際線(旅客便)を20万回、1回(便)あたり200人とすると、国際線利用者数は4,000万人となる。
予測では2030年頃に関空の発着回数は30万回に近づくとされており、発着回数を増加させないと利用者数4000万人以上とならず、「関西国際空港 二期島本格ターミナルビル」も建設できない。
発着回数の増加は可能か?

2025年3月から、関空の1時間当たりの発着回数は45回から60回に増加する。

24時間で1,440回、年間525,600回となる。

年間の発着回数30万回だが、空港の能力的には年間50万回も可能だ。

しかし、深夜時間帯の発着回数は少なく1時間60回はあり得ない。

現実的には午前6時~午後10時の16時間に1時間60回程度で、その外の時間帯は1時間当たり数回になると思う。

これだと1日1000回、年間約36万回となる。

したがって、2030年以降、関空の発着回数は年間36万回に引き上げられる可能性がある。

年間約36万回のうち、国際線(旅客便)を年間26万回、1回(便)200人とすると、年間国際線利用者数5,200万人となり、2025年3月の国際線処理能力4,000万人を上回ることになる。

この場合「関西国際空港 二期島本格ターミナルビル」が建設される可能性がある。

 

関西国際空港 二期島本格ターミナルビルの規模
上記のように関空の発着回数を36万回に引き上げると、国際線利用者数は5200万人となり、2025年3月の処理能力4000万人を1200万人上回る。
したがって「関西国際空港 二期島本格ターミナルビル」の処理能力は1000万人程度になるのではないか?
しかし、将来的な余裕や一期島の第一ターミナルビルのバックアップも考慮すると、最終的には3000万人規模が必要だと思う。
工費は、一期島と二期島の連絡橋も必要となるので、1期(1000万人)で1500億円、2期(1000万人)で1000億円、3期(1000万人)で1000億円の合計3500億円になると思う。
工期は1期分で5年~10年かかると思う。したがって3期まで15年~30年かかるのではないか?
最終的には関空の処理能力は8,250万人になると思う。
これは、現在の羽田空港の実績(総数8,590万人/国際線2,302万人/国内線6,287万人)に近く、当然、発着回数も羽田空港と同じ年間50万回まで引き上げる必要があると思う。
2050年以降
当ブログの予想では、2050年以降に関空の処理能力は8,250万人になると思う。
そうなると、伊丹空港(年間発着回数13.5万回・1500万人)の廃港も見えてくる。
さらに、関空アクセス鉄道「なにわ筋線」も輸送力が不足してくるので、新たなアクセス鉄道が必要になる。
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