大阪IRの建設予定地「夢洲」に向かう鉄道は大阪メトロ中央線のみだが、大阪府と大阪市はJR桜島駅から舞洲を経由し、夢洲へつなぐ新路線の整備を検討すると発表した。
大阪府・市は2024年11月、鉄道事業者や有識者らと共に事業費、収益性などを話し合い、2025年度前半に結果を取りまとめる。
当ブログの予想では、建設費は当初想定の1,700億円から増加し、3,000億円になると予想される。
また、日本初の統合型リゾート(IR)であるため、鉄道利用者の需要予測が難しい。
そのため、2030年秋のIRの開業前に、JR桜島線の延伸に着工する可能性は低いと思う。
やはり、2030年秋にIR(夢洲1期)が開業し、夢洲2期、夢洲3期の構想がまとまった段階(2032年~2035年)で着工し、完成は2040年~2045年頃になると予想される。
JR夢咲線「JRユニバーサルシティ駅」の西から地下化し、舞洲を経由し、夢洲までへ約6kmを延伸する計画。
総工費は1,700億円・工期は9年~11年で、現在のJR桜島駅は地下駅になると予想される。
JR大阪駅から乗り換えなしで舞洲や夢洲まで行けることになる。
JR大阪駅~夢洲間の所要時間は約22分と予想される。
JR桜島線(延伸計画)まとめ
区間 | 距離 | 整備費用 | 建設期間 | 所要時間 |
JRユニバーサルシティ駅~夢洲駅 | 6km | 1,700億円 | 9年~11年 | 大阪駅=夢洲駅:22分 |
近年の建設費高騰により、建設費は1km当たり500億円、6kmで総工費3,000億円になると予想される。
また、新規鉄道路線建設の場合、40年間で黒字にならないと国の補助金はでない。
当ブログの試算では、1日当たりの利用者数は5万人で、40年間で黒字化は難しいと思う。
採算性(当ブログ試算)
項目 | JR桜島線延伸 | なにわ筋線 |
路線長さ | 6km | 7.2km |
建設費 | 3,000億円 | 3,300億円 |
1日の利用者数 | 5万人 | 24万人 |
年間利用者数 | 1,840万人 | 8,760万人 |
運賃収入 | 350円 | 240円 |
年間運賃収入 | 64億円 | 210億円 |
40年間運賃収入合計 | 2,576億円 | 8,400億円 |
工期 | 9年~11年 | 7年 |
IRの年間来場者数2,000万人なので、往復で年間4,000万人となる。
このうち、4割がJRを利用すると1,600万人になる。
また、IR施設の雇用者は1.5万人なので往復で3万人、年間200日で600万人で4割がJRを利用すると240万人になる。(近畿圏全体では9.3万人雇用者増加)
- IRの年間来場者数(JR利用):1,600万人/年
- IR雇用者(JR利用) :240万人/年
- JR利用者 :1,840万人/年
1人当たり鉄道運賃350円として年間64.4億円で、40年間で2,576億円の運賃収入になる。
運賃収入2,576億円から運行コストを引く必要があるので、ネットの収入はもっと少なくなる。
建設費は以前の構想で1,700億円、当ブログ試算で3,000億円なので、40年間で黒字化は難しい。
少なくとも、2030年秋のIR開業前にJRが着工する可能性は低いと思う。
区域 | 面積 |
IR(夢洲1期) | 49ha |
IR(拡張予定地) | 9ha |
夢洲2期 | 50ha |
夢洲3期 | 40ha |
夢洲物流ゾーン | 140ha
(夢洲コンテナターミナル65ha) |
グリーンテラス | 調査中 |
道路など | 調査中 |
夢洲全体 | 390ha |
USJ | 54ha |
海遊館 | 1.6ha
(天保山ハーバビレッジ全体5ha~10ha) |
当ブログの試算では、IRだけではJR桜島線の延伸は難しいと思う。
したがって、夢洲2期・3期計画で、海遊館の移転、第二USJの開業が必須となる。
近鉄グループHDは、2015年に海遊館(年間220万人)の経営権を取得しており、天保山地区から夢洲へ移転することを検討している。
例えば、夢洲2期・3期合計で年間利用者1,500万人の施設ができると、往復で年間3,000万人でそのうち4割がJRを利用すると1,200万人となる。
項目 | JR桜島線延伸 | JR桜島線延伸(2期・3期) |
路線長さ | 6km | 6km |
建設費 | 3,000億円 | 3,000億円 |
1日の利用者数 | 5万人 | 8万人 |
年間利用者数 | 1,840万人 | 3,040万人 |
運賃収入 | 350円 | 350円 |
年間運賃収入 | 64億円 | 106億円 |
40年間運賃収入合計 | 2,576億円 | 4,256億円 |
工期 | 9年~11年 | 9年~11年 |
夢洲第2期・3期計画で年間来場者1,500万人くらいの施設が必要になると思う。
ウォーターフロント空間
敷地A:39ha / 敷地B:10ha / 敷地C:2.6ha / 敷地D:9ha(拡張予定)
所在地 | 大阪市此花区夢洲中1丁目 | |
面積 | 約49ha(土地は売却せず、35年の貸付期間・年間賃料25億円)
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高さ | 約130m | |
総延床面積 | 848,000㎡ | |
施設 | (延床面積) | 施設構成・規模 |
国際会議場施設 | 37,000㎡ | 最大会議室6,000人超収容 |
展示等施設 | 31,000㎡ | 展示面積20,000㎡(関西イノベーション・ラボ) |
魅力増進施設 | 15,000㎡ | ガーデンシアター・関西ジャパンハウス・三道体験スタジオ・ジャパンフードパビリオン・関西アート&カルチャーミュージアム |
送客施設 | 14,000㎡ | 関西ツーリズムセンター・バスターミナル・フェリーターミナル |
宿泊施設(3ホテル) | 289,000㎡ | 2,500室・レストラン・プール・フィットネス・大浴場・バンケット |
エンターテインメント施設 | 13,000㎡ | 夢洲シアター3,500席 |
飲食・物販・サービス | 310,000㎡ | 飲食施設・物販施設・駐車場・エネルギーセンター |
ガジノ施設 | 61,000㎡ | カジノ行為区画は総延床面積の3%以内 |
駐車場 | 3,200台 | |
年間来場者数 | 1,987万人(1日最大10万人)
(過去情報:国内1,400万人、国外650万人) |
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雇用人数 | 15,000人 | |
年間売上高 | 5,200億円
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納付金・入場料(府・市合計) | 1,100億円(納付金770億円/年、入場料330億円/年) | |
インフラ負担 | 大阪メトロ中央線の延伸費用の一部200億円も負担する |