2025年7月2日、世界の旅行・観光業界で注目が集まる新たなランキングが発表されました。
韓国の大手OTAグループであるYanolja(ヤノルジャ)傘下の調査機関Yanolja Researchは、グローバルセミナー「2025 Global Tourism City Attractiveness Evaluation(2025年 世界観光都市魅力度評価)」を開催し、独自の都市魅力度ランキング「Yanolja Attractiveness Index」を初公開しました。
今回発表された2025年の総合ランキングでは、日本の大阪市が見事1位に輝きました。前年(2024年)は3位だった大阪が順位を2つ上げての快挙となります。
また、京都は3位、沖縄10位、福岡11位、東京12位、札幌18位など、日本の6都市がトップ20にランクインするという結果に。近年、日本の観光地が国際的な評価を高めていることが、こうしたランキングにも如実に表れています。
今回のランキングは、Yanolja Researchと、米国の名門パデュー大学CHRIBA研究所(Center for Hospitality & Retail Industries Business Analytics)、韓国・ソウルの慶熙大学H&T Analytics Centerの3機関によって共同開発されたものです。
特筆すべきは、英国のデータ分析企業Brandwatch(ブランドウォッチ)が提供する14言語に対応したソーシャル・メディアのビッグデータを用いている点です。
X(旧Twitter)、Instagram、Weibo、Tripadvisorなど、世界中のユーザーが発信するリアルな旅行体験や口コミ、評価をAIが解析し、191の観光都市を「魅力度」という軸でスコア化しています。
Yanolja Attractiveness Indexの評価指標は大きく分けて2つの軸から構成されています。
- 体験価値(Experience Value):飲食、宿泊、観光アクティビティ、アクセス性などの定量・定性データ
- 評判力(Reputation Score):SNS上でのポジティブ言及率、拡散力、影響力などを分析
この2軸を融合させた総合スコアによって、「今、世界の人々が本当に行きたい都市」「旅行者にとって魅力的な体験ができる都市」がランキング化されています。
Yanolja Researchの分析によると、大阪が高評価を得た主な理由は以下の通りです。
- 食の魅力:ミシュラン掲載店からB級グルメまで幅広い選択肢と価格帯が世界中の旅行者を惹きつけた。
- 街のコンパクトさとアクセスの良さ:主要スポット間の移動が短時間で済み、旅程が組みやすい。
- インバウンド対応の進化:多言語対応の看板やキャッシュレス決済の普及など、海外旅行者への配慮が評価された。
- SNS映えする観光資源:大阪城、道頓堀、通天閣、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)など、視覚的インパクトが強く、SNSでの拡散力が高かった。
特に、アジアや欧米の若年層からの支持が急増している点が、1位への後押しとなったようです。
世界の旅行者がリアルタイムで評価し、SNSで拡散した「体験」がランキングに反映されるこの新指標。2025年の旅行トレンドを象徴する都市は、大阪でした。
今後、このYanolja Attractiveness Indexは、旅行・観光業界の新たな指標として定着するかもしれません。大阪の観光業界や自治体にとっても、今後のプロモーション戦略に活かせる貴重なデータとなるはずです。
ランク | 都市 | 国 |
---|---|---|
1 | 大阪 | 日本 |
2 | パリ | フランス |
3 | 京都 | 日本 |
4 | ニューヨーク | アメリカ合衆国 |
5 | ソウル | 韓国 |
6 | ロンドン | イギリス |
7 | バンコク | タイ |
8 | ローマ | イタリア |
9 | ドバイ | アラブ首長国連邦 |
10 | 沖縄 | 日本 |
11 | 福岡 | 日本 |
12 | 東京 | 日本 |
13 | ワシントンD.C. | アメリカ合衆国 |
14 | ロサンゼルス | アメリカ合衆国 |
15 | シンガポール | シンガポール |
16 | 済州島 | 韓国 |
17 | シカゴ | アメリカ合衆国 |
18 | 札幌 | 日本 |
19 | 香港 | 中国 |
20 | チェンマイ | タイ |