
近年、東京の都市開発は加速しています。高層タワーマンション、外資系ラグジュアリーホテル、会員制クラブ――。洗練され、資産価値は高まり、街はますます“高級化”しています。
しかしその一方で、「一般人が楽しめる余白」が減っているという声も少なくありません。再開発エリアはどこか似た雰囲気で、テナントも富裕層向けが中心です。
家賃や物価は上昇し、生活コストも高止まり。街は美しくなっているのに、どこか息苦しい。
それが今、東京に漂う“閉そく感”の正体ではないでしょうか。
それに対して、大阪はどうでしょうか。
大阪の再開発は、「富裕層のための街」ではなく、「誰もが参加できる未来」を前面に打ち出しています。その象徴が、2025年開催の大阪・関西万博です。
万博は一部の投資家のためのプロジェクトではありません。子どもも高齢者も、国内外の観光客も、誰もが未来技術や文化に触れられる巨大な“体験型イベント”でした。
話題の「空飛ぶクルマ」などの次世代モビリティも実装予定で、未来を“見る”だけでなく“体感する”場が用意されています。
さらに注目すべきは、グラングリーン大阪です。
うめきたエリアに誕生する大規模再開発は、単なるオフィス・商業施設ではなく、広大な「うめきた公園」を中心とした“都市の公園化”が特徴です。
ここでは、子どもが走り回り、若者がくつろぎ、ビジネスパーソンが芝生でランチを楽しむ。
都市の真ん中に、誰でも無料で利用できる大空間をつくるという発想そのものが、大阪らしい。
- 東京の再開発が、「富裕層向けの超高層ビルを、離れた場所から眺めるだけの数千億円」というイメージだとすれば、
- 大阪の再開発は、「誰もが実際に使い、歩き、体験できる数千億円」というイメージです。
東京では、数千億円規模のプロジェクトが完成しても、恩恵を直接受けるのは高額な家賃を払える企業や、億ションを購入できる一部の層に限られがちです。巨大な超高層ビルは都市の象徴にはなりますが、多くの人にとっては“外から見上げる存在”にとどまります。
一方で、大阪の再開発は、市民や観光客が実際に参加できる空間づくりが中心です。グラングリーン大阪の大規模公園、大阪・関西万博の体験型展示、2030年秋開業予定の大阪IR――いずれも「体験する都市」がキーワードです。
同じ“数千億円”でも、その使い道によって都市の印象は大きく変わります。
見るだけの都市か、参加できる都市か。
大阪が目指しているのは、後者なのかもしれません。
大阪の未来を語るうえで欠かせないのが、夢洲で計画されている大阪IRです。
開業は2030年秋予定。日本初の本格的な統合型リゾートとして、国際会議場、展示場、エンターテインメント施設、ホテル、そしてカジノを含む大規模開発が進みます。
IRは単なる娯楽施設ではありません。
MICE誘致、インバウンド拡大、雇用創出、税収増――都市経済を底上げする起爆剤として位置づけられています。
- 大阪IRの開業:2030年秋
- 事業費:1兆5000億円
- 年間来場者数:2千万人
- 直接の雇用者数:約1万5千人(間接も含め9万3千人)
- 大阪府市の税収:1,000億円(年間)
- 経済波及効果:約1兆1400億円(年間)
さらに2031年春開業予定のなにわ筋線は、梅田・難波・関西空港方面を直結し、都市の動線を大きく変えます。
関西空港へのアクセス向上は、万博後のインバウンド戦略とも直結します。
IR、万博レガシー、新線開業――これらが連動することで、大阪は単発のイベント都市ではなく、「持続的に成長する都市」へと変化していきます。
特に中之島エリアは、大阪駅から1駅(所要時間約3分)と、現在の「電車と徒歩で約15分」と比べて格段にアクセスが向上します。都心直結の利便性が高まることで、ビジネス・居住の両面でさらなる価値向上が期待されます。
すでに1,000戸規模の超高層マンション2棟をはじめ、数千億円規模の大規模再開発が進行しており、中之島は大阪の新たな都市軸として存在感を強めています。
都市の魅力は、完成度だけではありません。
「未来を想像できるかどうか」です。
東京は成熟しきった巨大都市。
大阪は、まだ変化の途中にある都市。
万博の後も、空飛ぶクルマ、グラングリーン大阪全面開業(2027年春)、2030年秋のIR開業、なにわ筋線――
大阪には“語れる未来”がいくつもある。
いま、日本で最もワクワクできる都市はどこか。
その答えは、少しずつ西へ移り始めているのかもしれません。
