
出典 大阪ガス
大阪ガスと大阪ガス都市開発が計画していた「ガスビル西館」計画は、建設資材価格の高騰などを理由に、2025年3月に着工延期が発表されました。
計画では、
- 地上33階
- 高さ約150m
- 延床面積約9万㎡
という大型オフィスビルを、ガスビル西側に建設する構想でした。
しかし現在、このプロジェクトには大きな課題があります。
それは、
「駅直結性」です。
近年の淀屋橋エリアでは、
- 淀屋橋ステーションワン(地上31階建・高さ約150m・延床面積約7.3万㎡)
- 淀屋橋ゲートタワー(地上29階建・高さ約135m・延床面積約13万㎡)
といった大型再開発が竣工しました。
いずれも共通するのは、
- 「駅との近さ」
- 「地下接続」
- 「回遊性」
を強みにしている点です。
一方、「ガスビル西館」は、Osaka Metro 御堂筋線「淀屋橋駅」から約300m離れており、地下道でも直結していません。
現在のオフィス市場では、
- 雨に濡れずアクセスできる
- 地下街と一体化している
- 駅からの導線が良い
という条件が、企業誘致力に直結します。
つまり現状のままでは、競合ビルに対して相対的に不利になる可能性があります。
ここで注目したいのが、Osaka Metroの動きです。
近年、大阪メトロは鉄道事業だけではなく、不動産事業を急拡大しています。
象徴的なのが、旧・本町ガーデンシティ(現・Osaka Metro 本町ビル)を約450億円で取得した件です。
これは、
- 「駅周辺を含めた都市経営」
へ大阪メトロが踏み込んでいることを意味します。
そのため、
「大阪ガス × 大阪メトロ」
による共同開発は、十分あり得るシナリオではないでしょうか。
具体的には、旧計画の建設費は500億円と推定されます。仮に建設費の高騰により1,000億円になったとしても、大阪ガスが500億円、大阪市高速電気軌道が500億円を負担することは可能だと思います。
特に重要だと思うのが、
「地下公共空間整備と容積率緩和」
の組み合わせです。
例えば、
- 淀屋橋駅〜ガスビル間の地下通路整備
- 地下広場整備
- 防災機能強化
などを民間側が負担する代わりに、
「容積率を2,000%級まで緩和」するスキームです。
実際、丸ビル建替えでも、地下通路約90m整備などを条件に、高容積化(2000%)が認められています。
つまり、
「公共インフラ整備を民間が担う代わりに、超高層化を認める」
という流れは、すでに全国で始まっています。
旧計画では、容積率は1,200%だったため、2,000%まで緩和されると、延床面積は旧計画の9万㎡の約1.6倍となる14万㎡まで可能だと思います。
現在の計画は、
- 高さ約150m
- 延床約9万㎡
ですが、容積率緩和が実現すれば、
- 高さ200m級(航空法の高さ制限は海抜218m)
- 延床14万㎡
- 高級ホテル入居
- 高級商業施設
- 展望空間
なども現実味を帯びます。
さらに、
- 淀屋橋ステーションワン
- 淀屋橋ゲートタワー
- ガスビル・ガスビル西館
を地下ネットワークで接続できれば、淀屋橋エリア全体の回遊性は大きく向上するでしょう。
「ガスビル西館」計画延期は、単なる建設費問題だけではなく、
“駅直結時代”への対応
が問われているようにも見えます。
だからこそ、
「大阪ガス × 大阪メトロ」
による共同開発は、今後十分浮上し得るテーマではないでしょうか。
もし地下道延伸と容積率緩和が実現すれば、御堂筋西側の景色そのものを変える超大型再開発へ発展する可能性もあります。
淀屋橋再開発は、まだ終わっていないのかもしれません。
地図

出典 大阪ガス(道路上空利用部分のイメージ・南より)
(西館・本館の数値については、当ブログの試算)
| 名称 | ガスビル西館(新築)・ガスビル(改修) |
| 所在地 | 大阪市中央区平野町4丁目1番2号 |
| 敷地面積 | 約10,370㎡(西館:5,000㎡・本館:5,307㎡) |
| 延床面積 | 136,000㎡(西館:90,000㎡・本館:46,123㎡) |
| 階数 | 西館:33階建・本館:8階建 |
| 高さ | 最高150m(西館:150m・本館:31m) |
| 容積率 | 1,200% |
| 建ぺい率 | 80% |
| 用途 | オフィス・商業施設
|
| 構造 | 西館:鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造) 本館:鉄骨鉄筋コンクリート造 |
| 事業費 | 500億円(ガスビル改修費用も含むと推定) |
| 着工 | (当初予定)西館:2024年・本館改修2027年 |
| 竣工 | (当初予定)西館:2027年頃・本館改修2031年頃 |

出典 大阪ガス(南から見たパース)
