
関西空港(筆者撮影)
2026年6月25日、関西エアポートは2026年5月の関西3空港(関西国際空港・伊丹空港・神戸空港)の利用状況を発表しました。
2026年5月の3空港合計の利用者数は424万人となり、中国便を除く国際線需要は引き続き好調に推移しています。特に関西空港では、韓国・台湾・香港方面を中心に旺盛なインバウンド需要が続いています。
一方で、神戸空港は国際線・国内線ともに利用者が減少する結果となりました。
関西空港はアジア路線が好調
関西空港の国際線利用者数は204万人に達し、3空港の国際線利用者の大部分を占めました。
方面別では、
- 中国方面:40%(前年同月比▲60%)
- 韓国方面:120%(前年同月比+20%)
- 台湾方面:109%(前年同月比+9%)
- 香港・マカオ方面:108%(前年同月比+8%)
となっており、韓国や台湾、香港方面の需要拡大が続いています。
関西3空港の2026年5月(単月)利用者数
| 空港名 | 総利用者数 | (国際線) | (国内線) |
|---|---|---|---|
| 関西空港 | 254万人 | (204万人) | (50万人) |
| 伊丹空港 | 136万人 | (136万人) | |
| 神戸空港 | 34万人 | (4万人) | (34万人) |
| 3空港合計 | 424万人 | (208万人) | (220万人) |

神戸空港の国際線利用者数は約4万人となり、前年同月比▲22%減となりました。
減少要因としては、
- 中国路線の利用低迷
- 2025年大阪・関西万博需要の反動減
- 関西空港への国際線需要集中
などが考えられます。
2025年は万博開催に伴い訪日需要が高まりましたが、その特需が一巡した可能性があります。
国際線の発着回数についても、1日8回(4往復)程度にとどまっており、現時点では低調な状況と言わざるを得ません。
国際化だけでは利用者増加は難しい
2025年4月に国際チャーター便が就航した神戸空港ですが、期待されたほどの利用者増加は見られず、「国際化」が空港の成長に直結しているとは言い難い状況です。
関西圏には24時間運用が可能な関西空港があり、国際線ネットワークも圧倒的です。
一方、神戸空港の背後人口である神戸市の人口は約148万人にとどまっており、神戸空港の国際線を利用した日本人旅客は、2026年5月の月間でわずか6,747人でした。
これは1日当たり約217人に過ぎず、国際空港としては極めて小規模な利用水準となっています。
神戸市民の多くは海外旅行や出張の際、便数や就航都市が圧倒的に多い関西国際空港を利用する傾向が強く、神戸空港の国際線需要は限定的です。人口約148万人の神戸市だけでは十分な需要を支えることが難しく、神戸空港の国際線は開設から2年目にして早くも苦境に立たされています。
神戸空港と観光地(岡山・大阪・高松)を結ぶ高速バス路線が相次いで開設されています。これは、神戸市民だけの国際線需要では国際定期便の十分な利用者数を確保することが難しく、国際線の安定運航に懸念があるため、周辺都市から利用客を呼び込む必要があるためと考えられます。
特に、神戸市の人口規模だけでは国際線需要に限界があることから、岡山県や香川県、大阪府など広域圏からの集客を進め、空港利用圏を拡大しようとする動きといえるでしょう。
そもそも、人口約148万人の神戸市だけで国際線需要を十分に支えることは容易ではなく、国際線の継続的な運航を維持するには広域からの利用者の取り込みが不可欠と言えます。
国内線も減少傾向
神戸空港の国内線利用者数も前年同月比2%減となりました。
神戸空港では2025年4月から国内線の発着枠が1日80回から120回へと50%増加しました。しかし、実際の運航便数は1日平均約87回(約44往復)にとどまり、増加した発着枠を十分に活用できていない状況です。
国内線においても、2025年大阪・関西万博に伴う需要増の反動により、利用者数が減少した可能性があります。
