兵庫県明石市は、国勢調査(2015年から2020年)に基づく人口増加率3.55%(約1万人の増加)が62の中核市で1位になったと発表した。
中核市とは、地方自治法第252条の22第1項に定める政令による指定を受けた市で、中核市の指定と同時に保健所政令市としての指定も受けることにより、保健所業務や保育所設置の認可、監督などの行政を担うことができる。
政令指定都市と並ぶ日本の大都市制度の一つであり、制度発足当時の指定要件は人口30万人以上だったが、現在では人口が20万人以上となっている。明石市は2018年4月1日に中核市に移行した。
中核市人口増加率上位10市
順位 | 中核市(人口20万人以上) | 増加率 | 人口 |
1位 | 明石市(兵庫県) | 3.55% | 304,123人(2021年11月) |
2位 | 船橋市(千葉県) | 3.22% | 644,611人(2021年11月) |
3位 | 柏市(千葉県) | 3.04% | 436,241人(2021年11月) |
4位 | 吹田市(大阪市) | 3.02% | 378,515人(2021年10月末) |
5位 | 川口市(埼玉県) | 2.83% | 607,373人(2021年11月) |
6位 | 豊中市(大阪府) | 1.60% | 401,228人(2021年11月) |
7位 | 尼崎市(兵庫県) | 1.58% | 457,513人(2021年11月) |
8位 | 越谷市(埼玉県) | 1.26% | 345,405人(2021年11月) |
9位 | 大津市(滋賀県) | 1.24% | 344,040人(2021年11月) |
10位 | 川越市(埼玉県) | 1.12% | 353,606人(2021年11月) |
上位10都市に、明石市、吹田市、豊中市、尼崎市、大津市の関西の5都市がラインクインしている。
特に尼崎市・豊中市・吹田市の3市は隣接しており、北摂地方の人口増加率が高い傾向が国勢調査でも確認されたと言える。
国勢調査による人口増加数
都市名 | 人口(2020年) | 2015年⇒2020年増加人数 |
東京特別区 | 974万人 | +47万2000人 |
福岡市 | 161万人 | +7万5000人 |
川崎市 | 154万人 | +6万4000人 |
大阪市 | 275万人 | +6万4000人 |
さいたま市 | 132万人 | +6万1000人 |
横浜市 | 378万人 | +5万3000人 |
名古屋市 | 233万人 | +3万8000人 |
神戸市 | 153万人 | -1万人 |
明石市は2015年から2020年の5年間で人口が+1万人増加しているが、神戸市は同時期に人口が-1万人減少している。
大阪へのアクセスが悪く子育て支援の不十分な神戸市西区などから、大阪へのアクセスがよく子育て支援の充実している明石市へ人口が流出していると思われる。神戸市の不人気ぶりが国勢調査でも確認されたと言える。