日本銀行は、2025年1月24日に金融政策決定会合を開催し、現在0.25%の政策金利を0.25%引き上げ0.5%とした。
日本の政策金利が0.5%になるのは2008年以来17年ぶりとなる。
今後、日銀は2回の利上げ(0.25%×2回=0.50%)をして、2026年には政策金利を1.00%にすると予想される。
当ブログの予想では、2025年秋以降に残高3,100兆円とも言われる「円キャリートレード」の巻き戻しが始まる可能性があると思う。
円キャリートレード
円キャリートレードとは、金利が低い円建てで資金を借り入れ、その資金を外貨に転換して運用する取引のことで、外貨に転換した後は、外国債券、外国株式、原油などの商品先物、海外不動産、ヘッジファンドへの融資などで運用される。
円キャリートレードの巻き戻し
円のキャリートレードを行なっていた投資家は、日本円の金利が上昇すると「円キャリートレード」を解消することがある。これを「円キャリートレードの巻き戻し」と呼び、外貨から円に交換されることから「円高要因」となる。
円キャリートレードの残高は20兆ドル(3,100兆円)
キャリートレードの残高は20兆ドル(3,100兆円)と推定されている。
ちなみに、日本のGDPは600兆円、東証全体の時価総額は1,000兆円、アメリカのNY証券取引とナスダック市場の合計の時価総額は10,000兆円と言われる。
円キャリートレードの残高20兆ドル(3,100兆円)が本格的に巻き戻す(外貨から日本円に戻る)と、世界的な規模で株価や為替が変動する可能性がある。
外国為替市場の規模
1日の外国為替市場のドル円の取引金額は150兆円とされる。
そこから考えると3,100兆円は20日分でしかない。
しかし、1日150兆円の取引のほとんどは当日~数日で反対売買するもので実需ではない。
日本の年間の貿易赤字は3兆円、デジタル赤字6兆円、新NISAなどの外国投資は6兆円と推定され、実需の「ドル買い」は年間15兆円程度と推定される。
したがって、円キャリートレードの残高3,100兆円は実需の15兆円の200年分に相当する。
2026年に政策金利1%になるとどうなるか?
円キャリートレードの融資期間は数か月~数年と推定されるので、日本の政策金利が上がってもすぐには影響がでない。
しかし、融資期限が来ると、金利は1%以上になると予想される。
つまり、2年~3年後には、ほとんどの円キャリートレードの金利は1%以上になる。
残高3,100兆円の円キャリートレードの金利分1%だけで32兆円の「外貨売り・円買い」実需が発生する。
当ブログで試算した年間の「ドル買い需要」は15兆円なので、差し引き年間17兆円の「ドル売り実需」が発生する可能性があり「円高要因」となる。
さらに、円キャリー取引の残高3,100兆円のうち10%でも「巻き戻し」が発生すると310兆円の「ドル売り」実需が発生し「円高要因」となる。
当ブログの予想
当ブログの予想では、今後2年~3年のスパンで考えると「円キャリートレード3,100兆円の巻き戻し」が発生し、ドル円相場は現在の155円から120円~130円になる可能性があると思う。
また、NYダウや日経平均株価も20%~30%下落する可能性がある。
ただ、10年~15年の長期スパンで考えると、日経平均株価は5万円以上になる可能性があると思う。
したがって、個人的には日経平均株価が一時的に3万円まで下落するして耐えれる「ポートフォリオ」を組んで投資を継続したい。
しかし、すぐには「円キャリートレードの巻き戻し」は発生しないので、日経平均株価は2025年内に4万5000円に達する可能性もあると思う。