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大阪府の訪日外国人客数「2025年上半期848万人(過去最多)」インバウンド消費額は2兆5000億円が目標(2025年)

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2025年上半期の大阪への外国人観光客数、過去最多の848万人に

2025年7月29日、大阪観光局は、2025年1月から6月までの大阪府を訪れた外国人観光客数が、前年同期比23%増の推計847万6千人に達し、過去最多となったと発表しました。

この増加の背景には、円安の進行に加え、2025年4月に開幕した大阪・関西万博の集客効果があるとみられています。万博では、外国人来場者数350万人が見込まれており、その効果が現れた形です。

大阪観光局が掲げる2025年の年間目標は外国人観光客1500万人。今回の上半期の実績により、「目標に向けて順調に推移している」と評価しています。

なお、2024年における外国人観光客1人当たりの平均消費額(宿泊・飲食など)は約16万円。これをもとにすると、1500万人の来阪により、消費総額は約2兆4000億円に達する見込みです。大阪観光局は、この数値を踏まえ、年間消費額2兆5000億円の達成を目標に掲げています。

 

2025年1~6月月の大阪を訪問した外国人観光客数(国・地域別)

順位 国・地域 観光客数(万人) 前年同期比 備考
1位 中国 251.9 万人 +57% 最多
2位 韓国 146.7 万人 +3%
3位 台湾 82.7 万人 +5%
4位 米国 71.4 万人 +34%
合計 847.6 万人 +23% 過去最多

※ 合計は上記以外の国・地域を含む総数です。

 

大阪のインバウンド消費額目標2兆5000億円(2025年)

出典 大阪観光局

大阪観光局は、2025年に外国人観光客が1,500万人訪れると見込んでおり、インバウンド消費額は2兆5,000億円を目指しています。

参考までに、2024年の実績は、観光客数1,464万人、消費額は約2兆円でした。

さらに2030年の目標としては、観光客数2,000万人、消費額5兆円を掲げています。

 

来阪外国人観光客の推移
インバウンド客数(大阪) インバウンド消費額
2030年 2,000人(目標) 5兆円(目標)
2025年 1,500万人(目標) 2兆5000億円(目標)
2024年 1,464万人 2兆円
2023年 980万人 9,210億円
2022年 150万人 1,909億円
2021年 9万人 115億円
2020年 159万人 2,024億円
2019年 1,231万人 1兆5,665億円
2018年 1,142 万人 1兆2,356億円
2017年 1,110万人 1兆1,852億円
2016年 940万人 8,633億円
2015年 716万人 5,784 億円
2014年 376万人 2,661億円

2024年のインバウンド消費額は2兆円で、2019年のインバウンド消費額の1兆5,665億円を上回った。

 

課題

大阪・京都・奈良・兵庫との連携

2025年には「ウォルドーフ・アストリア大阪」や「パティーナ大阪」など、世界的にも評価の高い高級ホテルが相次いで大阪にオープンしました。

しかし現在、大阪にある高級ホテルは約30軒ほどと、まだ数が少なく、外国人の富裕層観光客を十分に取り込めていないのが実情です。

富裕層の中には、大阪だけでなく、京都や奈良の高級ホテルに宿泊する人も多く見られます。また、兵庫県のホテルも含めた広域での観光・宿泊の連携が重要になってきています。

実際、大阪のホテルに荷物を預けたまま、京都や奈良に1泊〜2泊するスタイルの旅行者も増えており、府県をまたぐ「拠点型滞在」のニーズが高まっています。

一部の高級ホテルでは、専属のバトラーがスーツケースの荷造りを代行する「パッキングサービス」を提供していますが、まだ一般的とは言えません。

今後は、異なるホテル系列の垣根を越えて、富裕層向けのサービスを連携・共有できるような取り組みが求められます。関西全体として「おもてなし力」を底上げしていくことが、大阪の国際競争力を高める鍵となるでしょう。

 

大阪観光局と奈良県との包括連携協定締結

2024年5月14日、大阪観光局と奈良県は、広域観光ルートにおける密接な連携により、訪日外国人観光客をはじめとする交流人口の拡大を推進し、もって地域の成長・発展を図ることを目的に、連携協定を締結いた。

大阪観光局PDF

 

関空から大阪市内のホテルへの荷物宅配サービス

関空で当日14時までに受付すれば、当日19時までに大阪市内のホテルで受け取れるサービス(配送料金1個につき¥2,500)が始まっている。

京都・奈良・神戸などの広域化できるのではないか?

 

自転車問題

御堂筋線沿いでは歩道の拡張が進み、「なんば広場」のオープンなどにより、歩行者空間は着実に広がっています。こうした取り組みによって、街なかでゆったりと歩いたり、買い物を楽しんだりできる環境が整いつつあります。

しかし一方で、自転車のマナーの悪さが課題となっており、歩行者の安全や快適さを損なう場面も少なくありません。歩道を猛スピードで走る自転車や、通行の妨げになる無断駐輪などが見られ、安心して買い物できる雰囲気が損なわれることもあります。

このままでは、関西圏への観光客数を2030年に年間3,000万人に引き上げるという目標の達成にも悪影響を及ぼしかねません。

観光都市としての魅力を高めるためにも、歩行者と自転車の共存ルールの徹底や、マナー向上の啓発など、早急な対策が求められています。

 

地下鉄駅エスカレーターがない問題

大阪市内には地下鉄が8路線あり、市内の主要エリアをほぼ地下鉄だけで移動できる都市は、日本では東京と大阪だけです。観光にもビジネスにも便利な都市交通網と言えます。

しかし一方で、大阪の地下鉄駅ではエスカレーターの設置が少ないと感じる場面もあります。

例えば、大阪城の最寄り駅のひとつである「谷町四丁目駅」では、大阪城公園方面に向かう出口にエスカレーターが設置されておらず、階段を使わなければなりません。観光地で訪日外国人や高齢者の利用も多い駅であるにもかかわらず、バリアフリー化が十分とは言えない状況です。

地下鉄網が充実しているからこそ、すべての人にとって使いやすい環境づくりが重要です。大阪が世界に誇れる観光都市となるためには、こうした細かなインフラ整備も欠かせない課題だと言えるでしょう。

 

コメント

大阪を訪れるインバウンド観光客は、ここ数年で順調に増加しています。2025年の大阪・関西万博の開催も追い風となり、今後もしばらくは高い関心が続くと見られています。

こうした状況では、無理に奇をてらった施策や派手なイベントを打ち出す必要はないでしょう。むしろ重要なのは、観光客が感じる「ちょっとした不便」や「小さな不満」を、一つひとつ丁寧に解消していくことだと思われます。

例えば、駅構内の案内表示のわかりにくさ、トイレの場所、手荷物の置き場、混雑時の交通案内、自転車のマナーなど、小さなことでもストレスにつながる要素は意外と多いものです。

観光客の立場に立った「地道な改善」を重ねていくことが、大阪の満足度やリピーターの増加、さらには世界的な観光都市としての信頼にもつながります。

 

外国人は大阪のどこに行く?
順位 観光地 所在地・エリア
1位 道頓堀(心斎橋なんば)  大阪市中央区
2位 大阪城  大阪市
3位 USJ  大阪市
4位 梅田スカイビル  大阪市
5位 観覧車(HEP FIVE / 天保山)  大阪市
6位 通天閣  大阪市
7位 海遊館  大阪市
8位 四天王寺  大阪市
9位 天王寺動物園  大阪市
10位 グランフロント大阪  大阪市北区
11位 大阪くらしの今昔館  大阪市(天六)
12位 あべのハルカス  大阪市
13位 遊覧船(八軒浜、大川)  大阪市
14位 住吉大社  大阪市
15位 エキスポシティ  吹田市
16位 箕面の滝  箕面市
17位 泉佐野・犬鳴山温泉  泉佐野市
18位 百舌鳥・古市古墳群  堺市

1位から10位まで、大阪の人気観光地がランクインしている。

11位の「大阪くらしの今昔館」は天六にあり大阪の歴史を体感できる施設で、地下鉄谷町線・堺筋線・阪急電鉄「天神橋筋六丁目駅」と直結して、交通アクセスがいい。

ただ、「箕面の滝」は16位に入っているが、それよりも都心に近い「服部緑地公園」はランク外となっている。

大阪には外国人に知られていない観光資源がまだまだあるが、整備もアピールもされていない。

どこに宿泊するか?

訪日外国人の大阪府内での平均宿泊日数は3.6日で、日本全体では7.1日となっている。

つまり、7泊の日本旅行のうち、大阪府内に3泊~4泊していることになる。

訪日外国人の65%がホテル・旅館・コンドミアムに宿泊しており、19%は民泊を利用している。

 

経済効果

訪日外国人(大阪)1,500万人×3.6日泊=5,400万泊となり、1日当たり約15万人が大阪に滞在していることになる。

定住人口1人当たりの年間消費額は135万円で、訪日外国人1人当たりの旅行支出は23万円となっている。

訪日外国人6人で定住人口1人の年間消費額に相当する。

但し、大阪だけに宿泊するわけではないので、大阪で外国人消費額は1人当たり16万円程度と推定される。これは、府民人口の180万人に相当する。

 

SNSで情報収集

ガイドブックを見て観光するのは古い。現在の外国人観光客はSNSで情報を得ることが多い。

したがって、インバウンド観光客の利便性のために、無料WI-FIを整備しないといけない。

「OSAKA FREE Wi-Fi」は、現在4,000ヵ所で利用できる。

 

コメント

インバウンド観光客は、夜に街歩きする傾向がある。京都の寺院は午後4時に閉門し、店舗も早く閉店する。

したがって、外国人観光客は大阪に宿泊し、電車などで日帰りで京都に行くことが多い。

今後は、数百億円もかけて、新に観光施設を作るのではなく、今ある観光施設をブラッシュアップすべきだ。

例えば、最寄り駅から地下道で直接アクセスできるようにするなど、まだまだ、改善余地はある。

また、天王寺動物園は9位にランクインしているが、その隣の「大阪市立美術館」はランク外となっているなど、もう一歩、観光客を呼び込む工夫がされていない施設もある。

百舌鳥・古市古墳群は18位となっているが、周辺整備は遅れており観光客を「がっかり」させる可能性がある。

大阪へのインバウンド観光客1,500万人と浮かれている場合ではなく、早急に改善すべきことも多い。

インバウンド効果として、近年、大阪はホテルや商業施設が建設されており、西日本から20代~30代女性の転入が増加している。

つまり、観光資源を整備することにより、国内の観光客や移住者も増加するという効果がある。

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