神戸空港運用拡大
神戸空港の運営権は2018年春に関西エアポートに譲渡される予定で、関空、伊丹空港、神戸空港の3空港が一体運用されることになる。
それにより、神戸空港の運用時間は、便数、国際線就航など運用拡大の動きがある。
ちなみに、現在の神戸空港は午前7時~午後10時の15時間運用、1日60便(30往復)、国内線のみの運用となっている。
はたして、神戸空港の運用拡大が神戸の発展につながるのか?
三宮駅は素通りか?
神戸空港の運用が拡大すれば、国際線で100万人~150万人の増加が見込まれ、国内線と国際線の合計で400万人規模になると予想される。
伊丹空港の年間利用者数は1,510万人(2016年度)だが、モノレールと阪急線の乗り換え駅である「蛍池駅」は発展しているのだろうか?
多くの伊丹空港利用者は、蛍池で乗り換えるだけで、素通りしてる。
神戸空港を年に1回程度利用するが、ポートライナーで三宮駅に行っても、乗り換えるだけで、三宮で買い物したり、食事をすることは少ない。
伊丹空港利用者でモノレールに乗る人は年間500万人と推定され、運用拡張後の神戸空港の利用者数とほぼ同じ規模なので、蛍池駅の現状が参考になる。
年間500万人が乗り換える「蛍池駅」を見ていると、蛍池駅で立ち寄る空港利用者は10%もいない。経済効果はほどんどない。
三宮駅についても、同じことが言えるのではないか?
例え、神戸空港に国際線が就航し、外国人観光客が増加しても、大阪や京都に直接行くのではないか?
神戸空港アクセス鉄道に1,000億円以上か?
神戸空港と三宮駅を結ぶポートライナーの輸送力は限界に来ており、現在、社会実験で三宮駅~神戸空港間に連接バス(BRT)を運行する計画がある。
神戸空港に国際線が就航した場合、連接バス(BRT)が導入される可能性がある。
もし、伊丹空港が廃港になれば、神戸空港の利用者は1,000万人以上になると予想される。そうなると、大阪駅から神戸空港に直通電車を建設する必要がある。
その場合の建設費は、1km当たり100億円で新線路10kmで1,000億円はかかると思われる。
このアクセス鉄道は、国、兵庫県、神戸市が負担することになるだろう。
1,000億円の建設費をかけて神戸空港へのアクセス鉄道を整備しても、神戸空港利用者は三宮を素踊りして、大阪、京都に行くと考えられる。
神戸空港の運用拡大は必ずしも、神戸の発展にはつながらない可能性がある。
逆に、三宮を素通りする直通電車ができれば、ポートアイランドから大阪に直接行けるようになり、三宮駅周辺はますます衰退することになるかもしれない。