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神戸空港の国際化は関西経済の衰退につながる

2017/09/12

神戸空港の運営権は関西エアポート(関空伊丹空港の運営会社)が買収し、2018年4月から関空・伊丹空港・神戸空港が一体運用されることがほぼ決定している。

これにより、3空港間の利害調整が容易になり、将来的に神戸空港を24時間運用し、国際線を就航させる可能性がでてきた。

 

なぜ神戸空港に国際線がなかったのか?

国土交通省の見解

国際線の運用のあり方については、平成14年12月の交通政策審議会航空分科会答申において、「関西国際空港の位置決定の経緯、各空港の位置関係、CIQ 等の行政面も含めた投資コストの効率化等を考えると、関西圏において国際線が就航する空港は、関西国際空港に限るのが適切であると考える。」とされてきております。
このような経緯の中、平成17年11月14日に開催された関西3空港懇談会(関経連会長を座長とし、大阪府知事、大阪市長、兵庫県知事、神戸市長をメンバーとする)の場において、国土交通省は別添により「国際線が就航する空港は、今後とも関空に限定することが適当」である旨説明し、了承されました。
上記の考え方を踏まえ、国際線の取扱いについては、既に関空に限定して運用がなされ(略)

要するに関西で3空港が乱立していたら利用者が分散して共倒れになるため、国際線は関空に限定するという趣旨だ。

また、国際線にはCIQ(税関、出入国管理、検疫)設備が必要で関西3空港にそれぞれ設置するのは非効率だ。

これについては、訪日外国人の増加で関空の年間利用者数が2,512万人となり、関西3空港合計で4,273万人となったことから、国際線を関空に限定していた前提条件が当時と変化してきたと言える。
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神戸空港の国際線需要予測

予測1

2016年(歴年)の関西3空港の利用者数から、神戸空港の国際線の需要を予測するた。

関西3空港の2016年利用者数

合計利用者 国内線 国際線
関西空港 2,512万人 647万人 1,865万人
伊丹空港 1,492万人 1,492万人 0
神戸空港 269万人 269万人 0
合計 4,273万人 2,408万人 1,865万人

関西圏の空港利用者の国内線と国際線の比率は2,408万人:1,865万人となっており、国内線1人に対して国際線は0.77人となっている。

神戸空港の国内線利用者数は269万人なので国際線利用者数は207万人と予想できる。

この場合、神戸空港全体の利用者数は269万人(国内線)+207万人(国際線)=476万人となる可能性がある。

 

予測2

神戸市民の国際線需要

2015年の日本人海外旅行者数は1,621万人となっている。日本の人口は1億2700万人なので、日本人が1年間で海外旅行に行く人の割合は12.8%となる。

神戸市の人口は153万人なので、神戸市民で海外に行く人数は約19万6000人と予想される。

国際線利用者数は出国と入国の合計なので、神戸市民の国際線需要は約39万2000人と予想される。

 

予測3

関空から出国した府県別人数(2016年)

  • 大阪府 1,374,214人
  • 兵庫県 860,184人
  • 京都府 396,969人
  • 奈良県 207,720人
  • 滋賀県 197,937人

空港利用者数は出国と入国の2回分が計算されるので兵庫県民の国際線利用者数は約172万人となる。

兵庫県民の中でも西宮市・尼崎市からは関空へは50分程度で行ける。また、神戸空港の国際線は近距離国際線となると思われるので、兵庫県民172万人全員が神戸空港を利用するとは限らない。

 

まとめ1

上記予測1~3を総合的に考えると、神戸空港の国際線需要は100万人~150万人と予想される。

しかし、100万人~150万人という小規模な国際線を分散されることは、メリットよりも、デメリットの方が多い。

例えば、神戸空港が国際化し国際線利用者が150万人となった場合、関空の国際線利用者が150万人減少したのでは、関西全体にとっては経済効果はない。

また、関空と神戸空港の2か所に国際線が分散することで、関西の国際競争力が低下する可能性がある。

エアラインにとっても関空と神戸空港の2か所に営業拠点を設ける必要があり、二重投資になりデメリットになる。

現在、関空アクセス改善のために、「なにわ筋線」の建設が計画されているが、事業費は3,300億円という巨額なものになる。

その投資資金回収のためには、関空利用者は4,000万人以上必要になる。(当ブログ予測)

国際線が、神戸空港と関西空港に分散することで、関空アクセス鉄道である「なにわ筋線」の採算性が悪化する可能性がある。

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神戸空港国際線ターミナル建設費用

2014年、開業した那覇空港国際線ターミナルの建設費は約63億円、延床面積23,700平米、4階建だ。

したがって、神戸空港の国際線ターミナルの建設費も100億円程度と予想される。

建設費は神戸市、兵庫県が負担し、運営事業者となる関西エアポートが賃貸料を支払うスキームになると考えられる。

 

神戸空港アクセスに課題

神戸三宮駅から神戸空港へは新交通ポートライナーで18分でいける。しかし、朝夕は通勤客と空港利用者で飽和状態になっている。

現在のところ、多頻度運航による輸送力増強で対応する方針だが、国際線が就航すると限界に達する。

もし、地下鉄を延伸するなら、1,000億円以上の経費がかかる。

そこで、神戸市は神戸空港~三宮駅までは連節バス(BRT)導入を検討している。2017年7月には連節バス(BRT)を実際に走行させる社会実験が行われる予定だ。

 

大阪駅から神戸空港へのアクセス

神戸市の人口は153万人で神戸市民が国際線を利用するのは当ブログの予想では約39万2000人でしかない。

これでは、神戸空港国際線は成り立たないので、大阪から国際線利用客を集客しないといけない。

そこで大阪駅からのアクセスを考えると神戸空港までも約50分、関空まで約50分~60分とほぼ同じ所要時間だ。

結局、関西の国際線利用者がもっとも多い大阪府民から見れば、関空も神戸空港も約50分とアクセス時間は同じだ。JR神戸線は朝夕に大変混雑するので、そこに海外旅行用のスーツケースを持ち込むのは現実的ではない。

阪神高速神戸線も朝夕はひどい渋滞なので、リムジンバスでも大阪駅~神戸空港間で60分以上かかる可能性がある。

結局、関西全体の利用者から考えれば、神戸空港国際線は不便と言える。

 

神戸空港就航予想国際線と便数

もし、神戸空港が国際化した場合は滑走路は2,500mしかないので近距離国際線が中心になると予想される。

具体的には以下の3路線

  • ソウル(韓国)
  • 上海(中国)
  • 台北(台湾)

この場合も、国際航空協定は相互主義なので相互に同じ数のエアラインが就航する。また、1国当たり2社ずつ就航することが多く、採算的にも1社あたり1日2往復する方がいい。

これらを総合的に勘案すると以下のように予想される。

  • ソウル(韓国) 4社(日本2社、韓国2社)8往復16便
  • 上海(中国)4社(日本2社、中国2社)8往復16便
  • 台北(台湾)4社(日本2社、台湾2社)8往復16便
  • 合計               24往復48便

現在の国内線は30往復60便なので、合計で54往復108便あれば、神戸空港に国際線を入れることが可能となる。

一方で、24時間運用しても実際には深夜国際線の需要は少なく、日中時間帯に就航する例が多い。

神戸空港の場合も将来的に運用時間が延長されても、午前6時~午後11時までの時間帯にほとんどの便が就航すると予想される。

午前6時~午後11時の17時間で54往復108便が就航すると1時間当たり6.4回発着となる。

逆算すると9分に1回の発着となり、通常の空港であれば2分に1回発着なので十分可能のように思える。

しかし、神戸空港は明石海峡大橋~神戸空港の間は鉄道の単線のような運用方法になっている。つまり着陸機が明石海峡大橋から神戸空港に着陸するまで、離陸機は飛行できない。

その分、神戸空港の運用能力は低く、現在でも、姫路沖で着陸待ちのため旋回している事象が発生している。

9分に1回の発着は、やろうと思えば可能だろうが、その分安全性が低下する。

 

まとめ2

神戸空港の国際化は、需要面、採算面から可能である。

しかし、神戸空港の着陸・離陸コースの関係で大幅に国際線を増加させることは不可能である。

また10便~20便程度の国際線なら経済性がなく、また、利用者にとっても神戸空港と関空に分かれて不便なので国際線を就航させる意味はない。

神戸空港を本格的に国際化するには神戸都心上空ルートを解禁する必要がある。

当ブログの神戸空港国際線の需要予測では100万人~150万人であり、国際線利用者を関空と二分することは、関西全体を考えるとデメリットとなる。

神戸市が人口減少、衰退したのは、神戸市だけがよければいいというわがままで、関西全体のインフラを混乱させたことが原因だ。

人口153万人の神戸市が発展するには、関西全体2,000万人にとって最適なインフラに集約することに協力することが必要だ。

少なくとも、神戸市はこれ以上関西全体の邪魔をしないでいただきたい。

 

魅力のない神戸市

神戸市は根拠なく「国際都市神戸」と言うが、外国クルーズ船が神戸港に停泊しても、バスで京都、大阪に行く。外国人旅行者にとって神戸は全く魅力のない街なのだ。

そんな魅力のない神戸に国際線を入れても関空より安い値段でしか集客するしかない。

実際、神戸空港は7年連続赤字で、神戸市の補助金で赤字を補填しているのだ。民間企業である関空は神戸市の補助金で運営してる非効率な赤字空港である神戸空港に民業圧迫されているのである。

これと同じことが神戸空港に国際線を導入しても発生すると考えられる。神戸は外国人客に不人気なので、神戸市が補助金をだして格安で外国人客を誘致するしかない。

それが民間企業である関空や関空アクセス鉄道のJRや南海への民業圧迫となる。

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