森ビル(東京)のシンクタンク「森記念財団」は2022年7月25日、経済、交通、生活、環境など6分野の86指標を基に、全国138都市(東京23区を除く)を評価したランキング「日本の都市特性評価 DATABOOK 2022」を発表した。
1位は、2年連続で大阪市、2位は京都市、3位は福岡市、4位は横浜市、5位は名古屋市、6位は神戸市だった。
東京以外のランキングではあるが、上位10都市に大阪、京都、神戸と関西の3都市がランクインしたことは関西の持つポテンシャルの高さを表していると思う。
調査対象都市
- 政令指定都市
- 都道府県庁所在地(政令指定都市を除く)
- 人口17万人以上の都市
評価分野
- 経済・ビジネス
- 研究・開発
- 文化・交流
- 生活・居住
- 環境
- 交通・アクセス
日本の都市特性評価 DATABOOK 2022(当ブログまとめ)
順位 | 都市名 | 経済・ビジネス | 研究・開発 | 文化・交流 | 生活・居住 | 環境 | 交通・アクセス |
1位 | 大阪市 | 1位 | 6位 | 2位 | 81位 | 137位 | 1位 |
2位 | 京都市 | 39位 | 2位 | 1位 | 49位 | 111位 | 11位 |
3位 | 福岡市 | 5位 | 5位 | 4位 | 3位 | 67位 | 3位 |
4位 | 横浜市 | 6位 | 3位 | 3位 | 56位 | 91位 | 10位 |
5位 | 名古屋市 | 4位 | 1位 | 6位 | 22位 | 127位 | 2位 |
6位 | 神戸市 | 13位 | 9位 | 5位 | 24位 | 35位 | 12位 |
7位 | 仙台市 | 66位 | 7位 | 9位 | 18位 | 36位 | 17位 |
8位 | 金沢市 | 24位 | 16位 | 8位 | 8位 | 47位 | 36位 |
9位 | 浜松市 | 20位 | 23位 | 18位 | 4位 | 4位 | 107位 |
10位 | 松本市 | 18位 | 76位 | 15位 | 2位 | 7位 | 73位 |
大阪市は「経済・ビジネス」「交通・アクセス」の両分野で、1位だったが、環境は138都市中137位だった。
環境分野には「昼間人口あたりCO2排出量の少なさ」の項目があり、昼間人口の多い大阪市は下位となる。逆に、昼間人口が夜間人口よりも少ない横浜市は上位になる。
また、研究・開発について、大阪市は6位とやや出遅れている。研究所の誘致を積極的に行う必要があると思う。
大阪・関西の成長戦略
大阪市あるいは大阪府単独で成長するということ不可能だと思う。基本的には世界1位の成長エリアであり、人口45億人のアジアとの繋がりを強化するしなない。
そのためには、関空の機能強化が第一の成長戦略だと思う。
次に、アジアとの繋がりを強化すると言っても、アジアの人口45億人に対して、大阪府の人口は880万人であり、大阪だけではアジアの成長を取り込むことはできない。
やはり、九州、沖縄、中国、四国などの西日本全体でアジアの成長を取り込むべきで、そのために、西日本の各都市との連携を計るべきだと思う。
過去記事
日本全国にはいくつかの「地域連携軸構想」があり、西日本では「西瀬戸経済圏構想」「西日本中央連携軸構想」などがある。
この「地域連携軸構想」は東京一極集中ではなく「分散型国土」を形成することにより、国土資源の有効活用を図り多様で豊かな国土を形成するとともに、過密、過疎を解消しすることを目的としている。
主な西日本の地域連携軸構想
地域連携軸構想 | 人口 | 面積 |
西瀬戸経済圏構想 | 970万人 | 3.3万㎢ |
西日本中央連携軸構想 | 600万人 | 4.6万㎢ |
中四国地域連携軸構想 | 600万人 | 2.8万㎢ |
東九州軸構想 | 430万人 | 1.4万㎢ |
九州中央軸構想 | 950万人 | 2.4万㎢ |
九州北部地域連携軸構想 | 740万人 | 1.1万㎢ |
南九州広域交流圏構想 | 480万人 | 2.4万㎢ |
出典 国土交通省
大阪との関係性
アジア・ゲートウエイ構想とのリンク
「環瀬戸内海地域交流促進協議会」を拡大できないか?
府県名 | 人口 |
広島県 | 280万人 |
岡山県 | 190万人 |
兵庫県 | 550万人 |
大阪府 | 880万人 |
京都府 | 260万人 |
奈良県 | 136万人 |
和歌山県 | 96万人 |
徳島県 | 75万人 |
香川県 | 97万人 |
愛媛県 | 138万人 |
福岡県 | 510万人 |
大分県 | 116万人 |
山口県 | 140万人 |
合計 | 3468万人 |
首都圏との違い