
2026年2月27日、日経平均株価は終値ベースで58,850円と史上最高値を更新しました。
しかしその後、2026年3月3日には日経平均先物が54,000円まで下落しました。。
わずか数日で約4,800円超の急落(ピークから-8%)となり、市場心理は一気に冷え込みました。
今回の下落要因として無視できないのが、中東情勢の緊迫化です。
ホルムズ海峡の実質的封鎖に近い状況が発生し、世界の原油輸送の要衝が不安定化することが懸念されています。
日本は原油輸入の90%を中東に依存しているため、エネルギー価格の急騰は企業収益と消費マインドの双方に直接的な打撃を与えます。
さらに、対イラン攻撃が短期的な限定行動にとどまらず長期化する場合、地政学リスクは一時的なショックではなく「構造的リスク」として市場に織り込まれる可能性があります。
2025年の日経平均株価の1株当たり利益(EPS)は2,596円です。
2026年の企業収益が前年比10%増と仮定すると、EPSは2,856円となります。
このEPSをもとに、PER(株価収益率)別に日経平均株価を試算します。
| PER(株価収益率) | 日経平均株価 |
|---|---|
| PER15倍 | 42,840円 |
| PER16倍 | 45,696円 |
| PER17倍 | 48,552円 |
| PER18倍 | 51,408円 |
| PER19倍 | 54,264円 |
| PER20倍 | 57,120円 |
| PER21倍 | 59,976円 |
伝統的に、日経平均株価のPER(株価収益率)は15~16倍が適正水準とされてきました。
この前提で現在の1株当たり利益(EPS)を基準に逆算すると、日経平均の適正水準は42,000円~46,000円程度と見ることができます。
もっとも、この「15~16倍」という水準は、日本が長期デフレ経済下にあった時代の評価基準です。
デフレ下では企業の名目成長率が低く、投資家も将来利益の伸びを強く織り込まなかったため、PERは抑制されやすい構造にありました。
しかし現在、日本経済は緩やかながらインフレ局面へ移行しています。
物価上昇が定着し、企業が価格転嫁できる環境が整えば、名目売上・名目利益は拡大しやすくなります。名目成長率が高まれば、市場が許容するPER水準も切り上がるのが一般的です。
その観点からは、PERを18~20倍程度まで評価する見方も成り立ちます。
この水準を当てはめれば、日経平均の適正価格はおよそ51,000円前後という計算になります。
- デフレ前提(PER15~16倍):適正水準は約42,000円
- インフレ前提(PER18~20倍):適正水準は約51,000円
つまり、日経平均の評価は「利益水準」そのものよりも、どの経済レジーム(デフレかインフレか)を前提にするかによって大きく変わります。
下落率
- 最高値58,850円から20%の下落:47,080円
- 最高値58,850円から30%の下落:41,195円
PERとピークからの下落率から下値の目途を予測すると
- 48,000円~51,000円(軽めの調整)
- 42,000円(大き目の下落)
軽めの調整、大き目の下落の2つのシナリオが考えられます。
