2024年1月30日、総務省は「2023年の住民基本台帳人口移動報告」を発表した。
それによると、転入者が転出者を上回る「転入超過」は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、滋賀県、福岡県の7都府県だった。
都道府県別の転入超過数(2023年)
1位:東京都(68,285人)
2位:神奈川県(28,606人)
3位:埼玉県(24,839人)
4位:大阪府(10,792人)
5位:千葉県(4,785人)
6位:福岡県(4,387人)
7位:滋賀県(12人)
市町村別の転入超過数(2023年)
- 1位:東京都区部(53,899人)
- 2位:大阪市(12,966人)
- 3位:横浜市(9,731人)
- 4位:札幌市(8,933人)
- 5位:福岡市(8,911人)
東京一極集中は進んでいるが、2位大阪市、4位札幌市、5位福岡市と東京圏以外の都市も上位にランクインしている。
東京都内は、容積率2,000%まで緩和された再開発が多く、転入超過の要因になっている。
大阪市は、容積率1,300%まで緩和された再開発が多く、東京と比べると規模がやや小さい。
神戸市は、市街地の住宅については容積率400%に規制しており、事実上タワーマンションを建設できない。
3大都市圏の転入超過数(2023年)
- 東京圏は、12万6515人の転入超過
- 大阪圏は、559人の転出超過
- 名古屋圏は、1万8321人の転出超過
大阪圏は、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県の合計。
名古屋圏へは10代後半から20歳代の男性が流入しており、工場などに勤務していると推定される。一方で20~24歳の女性が関東圏に流出している。
製造業を中心に発達してきた名古屋圏は、女性にとって住みにくい場所となり、それが転出超過の原因になっている。
関西圏(府県別)の転入超過数(2023年)
- 1位:大阪府(10,792人)転入超過
- 2位:滋賀県(12人)転入超過
- 3位:奈良県(▲1,319人)転出超過
- 4位:和歌山県(▲2,123人)転出超過
- 5位:京都府(▲2,635人)転出超過
- 6位:兵庫県(▲7,397人)転出超過
大阪府は9年連続で転入超過だが、関西2府4県全体では2,670人の転出超過となっている。
関西圏(市町村別)の転入超過数(2023年)
- 大阪市(12,966人)転入超過
- 堺市(▲527人)転出超過
- 京都市(▲1,339人)転出超過
- 神戸市(▲4,232人)転出超過
大阪府・大阪市が1万人以上の転入超過となっているのは、大阪維新が規制緩和を実施し、民間企業の投資を呼び込んだことが大きい。
2025年大阪・関西万博の誘致に成功し、ヒルトン最高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア」が大阪に日本初進出する。さらに、世界的高級ホテル「パティーナ大阪」も日本初進出する。
一方で、京都市は建築規制を強化した結果、住民が京都市内から流出、神戸市も規制強化し市街地のタワーマンションの建設を事実上禁止したため、人口が流出している。
まとめ
大阪維新が規制緩和した大阪市が1万人以上の転入超過となり、自民党などが規制強化した京都市、神戸市は転出超過となっている。
規制緩和するか規制強化するかは、住民が選挙によって選択できるものだと思う。
大阪府民・大阪市民が規制緩和を選択した結果により大阪は発展したのだと思う。