世界最大の半導体生産受託会社である台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループは、合弁会社「ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング」(JASM)を設立し、半導体の新工場を熊本県に建設する。
この合弁会社の設備投資額は従来の8000億円から1800億円増額し9800億円とする。
また、従来の計画では回路幅22~28ナノメートルの半導体を生産する予定だったが、10~20ナノメートルの半導体を生産する。画像センサーと自動車用半導体を生産すると見られる。
出資額は、TSMCは最大2400億円、ソニーグループは約5億ドル(約570億円)、デンソーは400億円とされる。
また、日本政府も設備投資額の最大半額の4,760億円の補助金を出す決定をした。
TSMCの先端微細技術を使い、自動車や生産設備に欠かせない演算用半導体の生産を2024年末までに始める。
参照 熊本日日新聞 https://kumanichi.com/articles/560255
TSMCとソニーの合弁工場 概要
施設名 | TSMCとソニーの半導体合弁工場 |
所在地 | 熊本県菊池郡菊陽町大字原水4000番地1の隣接地(第二原水工業団地) |
敷地面積 | 約21.3ha |
合弁会社 | 「ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング」(JASM) |
ソニー隣接工場 | ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(従業員9,800人) |
ソニー側分担 | 土地・建屋はソニーGが負担する(約570億円) |
TSMC側分担 | 製造プラント建設 |
総投資額 | 9,800億円(TSMC最大約2400億円・ソニー約570億円・デンソー400億円) |
政府補助金 | 最大4,760億円 |
着工 | 2022年4月21日 |
生産開始 | 2024年12月に製品出荷開始 |
半導体の回路線幅 | 10~20ナノメートル(演算用ロジック半導体) |
生産能力 | 月産5万5000枚(300ミリウエハー換算) |
雇用創出効果 | 1,700人 |
アジアからのゲートウェイを目指す九州
九州は、アジアに近いという立地を最大限活用し、世界の成長センターであるアジア地域の成長力を引き込む日本の成長センター「ゲートウェイ九州」となって、日本の経済成長に貢献することを目指している。
今後、日本の成長センターは、アジアに近い「西日本」が中心になる可能性がある。