神戸空港(筆者撮影)
2025年4月1日現在の神戸市は人口は、1,486,033人で(前月比-1,553人・前年比-6,920人)の減少だった。
神戸市の人口は2011年の154万人をピークに減少に転じ、2023年10月に150万人割れし、2025年4月1日現在、148.6万人まで減少した。
2025年4月18日、神戸空港に国際チャーター便が就航する。
SNSは根拠もなく神戸に経済効果があるかのようにミスリードする輩がいる。
しかし、結論から言うと、神戸市の人口は増加しないと思う。
そもそも、神戸市民の国際線需要が少ない。
2024年に出国した日本人は1,301万人で、出国率は10%しかない。
神戸空港が国際化することで神戸市民が海外に行くとしても出国率は全国平均の2倍の20%程度だろう。
神戸の人口149万人の20%で約30万人が出国し、国際線利用者数は往復で60万人になる。
2024年の関空国際線利用者数2,391万人(全体で3,064万人)の40分の1しかない。
これでは、目に見える経済効果は神戸市にはないし、神戸市の人口が増加することもない。
むしろ、神戸空港国際化によりポートライナーがさらに混雑するとの懸念から、ポートアイランドから企業が撤退する動きもある。
しかも、全部が三宮に移転するのではなく、東京本社に移動する動きもある。
当ブログの予想では、神戸空港国際化により神戸はさらに衰退すると思う。
むしろ、ポートナイナーの混雑、神戸空港第2ターミナルの建設費283億円(本体150億円)など多額の税金が投入されており、その分、子育て支援などの施策が疎かになり、神戸市の人口流出を招く可能性がある。
2024年1月~12月の神戸空港利用者数は、3,576,111人と過去最高を記録した。
しかし、神戸市の人口は2025年4月には148.6万人まで減少した。
神戸空港の利用者数が増加しても神戸市の人口は毎年8,000人ずつ減少し続けている。
年 | 神戸空港利用者数(年度) | 神戸市の人口(各年10月1日現在) |
---|---|---|
2006年 | 2,738,143人 | 1,529,817人 |
2011年 | 2,565,405人 | 1,544,970人 |
2019年 | 3,226,217人 | 1,529,756人 |
2020年 | 1,189,481人 | 1,525,152人 |
2021年 | 1,719,375人 | 1,517,073人 |
2022年 | 3,049,321人 | 1,510,171人 |
2023年 | 3,375,785人 | 1,499,887人 |
2024年 | 3,576,111人(2024年1月~12月) | 1,492,282人 |
参考:2025年4月1日現在、神戸市の人口は「1,486,033人」
順位 | 空港名 | 合計(万人) | 国内線(万人) | 国際線(万人) |
1位 | 羽田空港 | 8,496万人 | 6,287万人 | 2,209万人 |
2位 | 成田空港 | 3,856万人 | 760万人 | 3,095万人 |
3位 | 関西空港 | 3,057万人 | 673万人 | 2,384万人 |
4位 | 福岡空港 | 2,675万人 | 1,843万人 | 832万人 |
5位 | 新千歳空港 | 2,396万人 | 2,043万人 | 353万人 |
6位 | 那覇空港 | 2,111万人 | 1,820万人 | 291万人 |
7位 | 大阪空港(伊丹) | 1,515万人 | 1,515万人 | 0万人 |
8位 | 中部空港 | 1,061万人 | 602万人 | 459万人 |
9位 | 鹿児島空港 | 563万人 | 548万人 | 15万人 |
10位 | 仙台空港 | 372万人 | 325万人 | 47万人 |
11位 | 神戸空港 | 357万人 | 357万人 | 0万人 |
12位 | 熊本空港 | 354万人 | 314万人 | 39万人 |
13位 | 宮崎空港 | 315万人 | 310万人 | 5万人 |
14位 | 松山空港 | 300万人 | 272万人 | 27万人 |
15位 | 長崎空港 | 298万人 | 295万人 | 2万人 |
16位 | 広島空港 | 284万人 | 250万人 | 34万人 |
17位 | 石垣空港 | 264万人 | 264万人 | 0万人 |
18位 | 高松空港 | 204万人 | 162万人 | 41万人 |
19位 | 宮古空港 | 185万人 | 185万人 | 0万人 |
20位 | 大分空港 | 185万人 | 175万人 | 10万人 |
中部空港の利用者数は1,061万人(国内602万人・国際459万人)だが、空港の経済効果はそれほどでもない。
実際、「1人負け”との指摘も…インバウンドの回復伸び悩む中部国際空港」との記事もある。
空港利用者数で2,000万人以上の、羽田、成田、関空、福岡、新千歳、那覇の各空港は経済効果があると思う。
神戸市の試算では2030年の空港全体の利用者数は700万人で、国内線は510万人、国際線は190万人となっている。
国内線 | 国際線 | |
2019年 | 329万人 | 0人 |
2030年 | 510万人 | 190万人 |
神戸市 | 180万人 | |
神戸以外の兵庫県 | 130万人 | |
大阪北部 | 110万人 | |
京都・滋賀 | 40万人 | |
その他 | 50万人 | |
東アジア | 150万人 | |
東南アジア | 40万人 |
出典 神戸市
コメント
神戸市の試算通り、2030年に神戸空港の利用者数は700万人(国内線:510万人、国際線:190万人)となっても、中部空港の1,061万人(国内線:602万人、国際線459万人)に及ばない。
中部空港は国際線459万人で「インバウンド一人負け」と報道されていることを考えると、神戸空港の国際線予想190万人ではインバウンドの経済効果は期待できない。
しかも、神戸空港の利用者の8割が神戸市を素通りしていることを考慮すると、神戸空港の本当の国際線の経済効果は190万人×20%=38万人でしかない。