
吉村大阪府知事は、2027年4月までの大阪府知事の任期中に都構想が住民投票で可決された場合、国政進出を目指すと報じられました。
国政進出論と都構想の関係性について、政治戦略の観点から考察します。
現在の大阪は、大阪府と大阪市という二つの巨大自治体が並立する構造を持っています。この体制は戦後の地方自治制度の中で形成されてきましたが、大阪では長年「二重行政」が問題視されてきました。
二重行政とは、府と市が類似する公共サービスやインフラ整備を別々に行うことで、税金の重複投入や政策の非効率が生じる状況を指します。過去には府と市の政治対立によって都市開発や公共事業が停滞した事例もあり、大阪の成長を妨げる要因の一つと指摘されてきました。
こうした課題を解消するために提唱されたのが大阪都構想です。この構想は、大阪市を廃止し複数の特別区へ再編することで、広域行政を府に一本化する制度改革を目指していました。
大阪を本当に発展させるためには、府や市の努力だけでは限界があり、最終的には国の制度そのものを見直す必要があると考えられます。
その象徴的な例が、交通インフラ整備における国の関与です。例えば、東京都では、地下鉄網が二つの主体によって運営されています。一つは東京都が運営する都営地下鉄、もう一つは旧営団地下鉄を前身とする東京メトロです。
特に東京メトロは、かつて国が出資して設立されました。東京の都市インフラ整備には、国が積極的に関与してきた歴史があり、その結果として世界有数の鉄道ネットワークが形成されました。このような国の支援により、東京は都市としての国際競争力を大きく高めてきたといえます。
一方、大阪市を中心とする大阪圏では、民間鉄道会社の発達に支えられて都市が成長してきた歴史があります。しかし、国主導による大規模なインフラ投資は東京ほど行われてこなかったのが実情です。その結果として、都市基盤整備の面では東京に後れを取っている部分があると指摘されています。
このような状況を踏まえると、大阪の成長をさらに加速させるためには、地方自治体の取り組みだけでなく、国による制度改革やインフラ投資のあり方そのものを見直す必要があると考えられます。
現在の日本は中央集権的な仕組みが強く、地方自治体の権限や財源は十分とは言えません。吉村氏は、日本維新の会が掲げる重要政策である地方分権を国政レベルで推進する可能性があります。
具体的には、
・道州制や広域自治体制度の導入
・二重行政の解消
・地方財源の拡大
・首都圏一極集中の是正
などが挙げられます。
特に、大阪で進めてきた広域行政モデルを全国へ展開することは、国政進出の大きなテーマになると考えられています。
② 経済政策・都市成長戦略
大阪で進めてきた都市成長政策を、国家レベルへ広げる可能性もあります。
吉村氏はこれまで、
・規制緩和
・インバウンド振興
・大規模都市開発
・観光・エンタメ産業の育成
などを重視してきました。
こうした政策を全国展開することで、
・国際競争力の強化
・海外投資の誘致
・新たな成長産業の創出
を目指す可能性があります。
③ 社会保障・行政改革
維新が掲げる「身を切る改革」も、国政での大きな柱になると考えられます。
想定される政策には、
・国会議員定数の見直し
・公務員制度改革
・社会保障制度の効率化
・行政のデジタル化推進
などがあります。
大阪では独自の行政改革を進めてきた経験があり、その実績を国レベルに拡大する形になると見られます。
国政では、安全保障や外交政策への対応も重要な課題となります。
維新は現実的な安全保障政策を重視する傾向があり、
・防衛力の強化
・同盟国との連携強化
・経済安全保障の整備
などについて、改革志向の政策を打ち出す可能性があります。
吉村洋文が将来的に総務大臣や国土交通大臣に就任する可能性は十分に考えられます。
総務大臣
吉村氏は大阪府知事および大阪市長として、行政改革や都市開発を積極的に推進してきました。特に、行政の効率化や規制緩和、デジタル化の推進などは、地方自治制度や通信行政を所管する総務省の政策分野と強い関連性があります。また、大阪における広域行政の推進や自治体間連携の取り組みは、地方分権改革を掲げる政治家として高く評価される要素となっています。
国土交通大臣
一方、国土交通行政との親和性も高いと考えられます。吉村氏は、大阪・関西万博関連のインフラ整備や夢洲地区の都市開発、観光政策の強化などに関与しており、都市再開発や交通政策の実務経験を積んできました。国土交通省は都市政策、空港・港湾整備、観光振興など幅広い分野を担当しており、こうした経験は大きな強みとなります。
吉村洋文は、将来的に首相候補となる可能性がある政治家として注目されています。
その理由の一つは、大阪府知事や大阪市長として進めてきた行政改革の実績です。財政改革や規制緩和、デジタル行政の推進など、既存制度に踏み込む改革姿勢は全国的に評価され、「実務型の改革政治家」というイメージを確立しました。
また、大阪・関西万博や夢洲開発など大型都市プロジェクトを主導した経験は、国家レベルの成長戦略を担える政治家としての評価にもつながっています。
さらに、テレビやSNSを活用した発信力の高さも強みです。政策を分かりやすく説明する能力は若年層や無党派層からの支持を集めやすく、世論への影響力を持っています。
一方で、首相就任には国政転身や党内での指導力確立、外交・安全保障分野での実績づくりが不可欠です。これらの条件が整えば、将来的に有力な首相候補となる可能性があります。
