
西宮市で、JR神戸線の「新駅」構想が動き始めました。
西宮市とJR西日本は2026年6月、「まちづくりに関する包括連携協定」を締結しました。
その中で注目されるのが、西宮市南部地域におけるJR新駅設置の可能性検討です。
新駅の候補として注目されているのが、JR西宮駅とJR甲子園口駅の間にある津門飯田町周辺の工場跡地です。
約12haという広大な土地を舞台に、住宅、商業、医療、観光、産業などを組み合わせた新しい街づくりが検討されています。

西宮市が公表したイメージ図には、新駅周辺に約3~4haの「シンボル・グリーン」が描かれています。この広さは、大阪駅北側の「グラングリーン大阪」の「うめきた公園」(約4ha)に匹敵する規模であり、西宮市でも都市の新たなシンボルとなる大規模な緑地が誕生する可能性があります。
2026年6月30日発表、西宮市「津門飯田町外工場等跡地(森永乳業工場等跡地)のまちづくり方針について」を参照にしています。


JR西宮駅と甲子園口駅の間に新駅?
JR神戸線の西宮市内では、JR西宮駅とJR甲子園口駅の間が約2.5km離れています。
今回、この区間への新駅設置について、西宮市とJR西日本が正式に「可能性の検討」を始めました。
ただし、現時点では新駅の建設が決定したわけではありません。
今後、事業費や駅の位置、利用者数、周辺開発などを含めて検討が進められることになります。
それでも、単なる市民からの要望ではなく、西宮市とJR西日本の包括連携協定に新駅の検討が明記されたことは大きな意味があります。
新駅候補は「森永乳業工場跡地」周辺
新駅の候補として最も注目されるのが、津門飯田町周辺です。
この地域では、森永乳業近畿工場、ニッカウヰスキー西宮工場、アサヒビール西宮東配送センターなどが相次いで操業を停止しました。
これらの工場跡地などを合わせた再開発エリアは、約12haに及びます。

| 名称 | 津門飯田町外工場等跡地(森永乳業工場等跡地)再開発 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県西宮市 津門飯田町・津門大塚町・津門大箇町の一部 |
| 中心となる跡地 | 旧・森永乳業近畿工場跡地(旧住所:兵庫県西宮市津門飯田町2-95) |
| 面積 | 12ha |
| 事業者 | 津門飯田町外工場等跡地まちづくり協議会 <協議会メンバー> ・西宮市 ・大和ハウス工業株式会社 ・西日本旅客鉄道株式会社 |
| アクセス | JR神戸線「甲子園口駅」「西宮駅」の中間付近 阪急「阪神国道駅」から東へ900m(徒歩12分) |
12haという規模は、甲子園球場約3個分に相当します。
西宮市中心部では、これほどまとまった土地が生まれる機会は非常に少なく、今後の街づくりを左右する重要なエリアになりそうです。

12haを「緑」と「歩いて楽しめる街」に
今回のまちづくりで特徴的なのが、単純なマンション開発を目指していないことです。
基本的な考え方として掲げられているのが、
「GREEN」×「WALKABLE」
という街づくりです。
緑豊かな空間を中心に、歩いて移動したくなる街をつくる構想です。
西宮市が公開したイメージでは、新駅周辺に約3~4ha規模の「シンボル・グリーン」が描かれています。
実現すれば、西宮の新たなランドマークとなる可能性があります。
商業・住宅・医療・観光などを集約
12haの再開発では、さまざまな都市機能を組み合わせることが想定されています。
想定される主な機能
- 商業施設
- 住宅
- 医療・福祉
- 観光・宿泊
- エンターテインメント
- オフィス
- 研究開発・イノベーション
- 緑地・公園
つまり、単なる「工場跡地のマンション開発」ではなく、新しい街そのものをつくる計画です。
さらに、JR神戸線に近接していることから、鉄道を中心としたTOD(公共交通指向型開発)との組み合わせも期待されます。
JR西日本が担う「公共交通指向型」の街づくり
再開発エリアのすぐ北側をJR神戸線が走っている利点を最大限に活かし、鉄道と一体化した「コンパクトシティ(TOD)」を計画しています。
- 駅前交通広場の整備: 新駅が実現すれば、駅前にはバスやタクシーの乗降場、歩行者デッキなどを備えたロータリーが整備される見込みです。
- 南北の地域分断を解消:これまでJRの線路によって南北の行き来が制限されていた地域ですが、新駅設置と合わせて南北をまたぐ自由通路などの基盤整備も検討されており、地域全体の利便性が一気に向上します。
西宮市の新駅といえば、忘れてはならないのが阪急神戸線の「武庫川新駅(仮称)」です。
こちらは西宮北口駅〜武庫之荘駅の間の武庫川橋梁上に設置される計画で、西宮市・尼崎市・阪急電鉄の3者間で基本協定が締結され、2031年度末の開業を目指してすでに事業が着々と進んでいます。
もしJRの新駅も実現すれば、阪急とJRの両方で西宮の交通ネットワークがさらにガツンと強化されることになります。
今回の発表はあくまで「可能性の検討」という段階であり、具体的な開業時期や詳細なダイヤなどはこれからの協議に委ねられます。直近の予定では、2027年度以降に関係事業者間で正式な「基本協定」を締結するスケジュールで動いています。
しかし、JR西日本と大和ハウス、そして行政が手を取り合って正式に動き出したインパクトは絶大です。広大な「みどり」の公園、最先端の商業施設、そして新しい駅……これらが形になったとき、西宮の魅力がさらに高まるのは間違いありません。これからの続報を楽しみに待ちましょう!
