
再生医療を手掛けるヘリオスが、神戸市の「神戸医療産業都市」に大規模な細胞製造拠点を整備し、2028年1月の稼働を目指します。
今回の計画で特に注目されるのが、経済産業省から約70億円の補助金を受けることです。
令和6年度補正予算の「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業費補助金」を活用し、グローバル市場に対応可能なCDMO(医薬品開発・製造受託)事業のインフラを神戸に構築します。
再生医療の商業化には、高度な製造設備や品質管理設備が必要です。
特に細胞を大量かつ安定的に培養する設備は高額で、研究開発から商業生産へ移行する際の大きなハードルとなります。
今回、ヘリオスは約70億円という大型の国の補助金を活用することで、大規模な製造設備への投資を進めます。
この補助金は、今回の事業を実現するうえで非常に大きな意味を持ちます。
言い換えれば、約70億円の公的支援がなければ、この規模の製造拠点を神戸に整備することは難しかったと考えられます。
国が再生医療の製造基盤に資金を投入することで、民間企業による大型投資を後押しする形です。
今回の製造拠点で最大の注目点が、500L規模の3次元培養用バイオリアクターです。
細胞を大量に培養できる設備を導入し、再生医療製品の商業生産に対応できる製造能力を構築します。
計画では、年間約4万人分を供給可能な生産能力を目指しています。
再生医療は将来性が期待される一方、細胞を大量かつ均一な品質で製造し、患者へ安定的に供給することが大きな課題となっています。
500L規模のバイオリアクターは、こうした「量産化」の課題を解決するための重要な設備となります。
ヘリオスの製造拠点は、神戸市中央区・ポートアイランドに整備される「DP-Lab KOBE」に設けられる計画です。
DP-Lab KOBEは、バイオ・ライフサイエンス分野などの研究開発に対応するラボ施設です。
神戸医療産業都市のエリア内に位置しているため、周辺の研究機関や医療関連企業との連携も期待されます。
ただ、今回の計画で重要なのは施設そのものよりも、ヘリオスがここに大規模な細胞製造機能を構築することです。

DP-Lab KOBEは、大和ハウス工業が神戸市中央区・ポートアイランドに整備する、バイオ・ライフサイエンス分野を中心とした次世代型の研究開発拠点(レンタルラボ)です。2026年8月の竣工予定です。
| 施設名 | DP-Lab KOBE |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県神戸市港島南町6丁目3-10 |
| 敷地面積 | 3,095.75m² |
| 建築面積 | 1,729.55m² |
| 延床面積 | 9,144.42m² |
| ラボ面積 | 5,501.64m² |
| 構造 | S造 |
| 階数 | 地上6階・塔屋1階 |
| 竣工 | 2026年8月(予定) |
| 取引態様 | 貸主 |
| 入居会社 | 株式会社ヘリオス(2028年1月稼働予定) |
| 会社名 | 株式会社ヘリオス ( HEALIOS K.K.) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 日比谷三井タワー12階 ワークスタイリング内 |
| 事業内容 | 細胞医薬品・再生医療等製品の研究・開発・製造 |
| 創業 | 2011年2月24日 |
| 資本金 | 2,572百万円(2025年12月末現在) |
| 従業員数 | 66名(2025年12月末現在) |
| 売上収益 | 104(百万円)約1億円:▲81.4%前期比減少(2025年12月期) |
| 営業利益 | ▲3,340(百万円):33億円の赤字(2025年12月期) |
| 当期利益 | ▲2,229(百万円):22億円の赤字(2025年12月期) |
| 補助金 | 約70億円(助成金)
経済産業省 令和6年度補正予算 |
売上1億円・赤字22億円の企業へ経産省が70億円の補助金を投じ神戸拠点を設立するスキームであって、通常の民間企業のビジネスとは違うと思います。
ヘリオスは、今回の製造拠点を自社製品の生産だけに利用するのではなく、将来的にはCDMO事業にも活用する方針です。
CDMOとは、製薬企業などから医薬品や再生医療等製品の開発・製造を受託するビジネスです。
国内だけでなく海外の製薬企業などから製造を受託できれば、新たな収益源となる可能性があります。
つまり今回の神戸拠点は、
再生医療製品の大量生産
に加えて、
国内外の企業から製造を受託するCDMO事業
という2つの役割を担うことになります。
神戸には、大学、研究機関、医療機関、バイオ関連企業などが集積しています。
これまで「研究開発」のイメージが強かった神戸医療産業都市に、ヘリオスの大型製造拠点が加わることで、研究から製造、商業化までをつなぐ環境がさらに整っていくことになります。
特に、
約70億円の国の補助金
↓
ヘリオスが神戸に製造拠点を整備
↓
500Lバイオリアクターを導入
↓
年間約4万人分の供給能力
↓
CDMO事業で国内外の市場を開拓
という流れは注目されます。
今回の計画を考えるうえで、約70億円の補助金は非常に重要なポイントです。
再生医療は研究段階では将来性があっても、実際に患者へ供給するためには、大規模な製造設備への巨額投資が必要になります。
ヘリオス単独でこの投資負担をすべて背負うことは容易ではありません。
だからこそ、国が約70億円を支援したことによって、神戸で500L規模のバイオリアクターを備えた製造拠点の整備が現実のものとなりました。
補助金が単なる企業支援ではなく、日本の再生医療を「研究」から「量産・商業化」へ進めるための製造基盤への投資になっている点が重要です。
ヘリオスの神戸拠点は、単なる研究施設ではありません。
500L規模のバイオリアクターを導入し、年間約4万人分の供給能力を目指す本格的な製造拠点です。
さらにCDMO事業によって、国内外の製薬企業から製造を受託することも視野に入れています。
約70億円の国の支援を呼び水として、神戸に再生医療の大規模製造インフラが誕生することになります。
神戸医療産業都市が、これまでの「研究開発の街」から「再生医療を実際に製造し、世界へ供給する街」へと発展していくうえで、ヘリオスの進出は大きな意味を持つことになりそうです。
