政府は、統合型リゾート施設(IR)のカジノ規制を担当する「カジノ管理委員会」の設置を、当初予定していた2019年7月1日から先送りする。
IR候補地の認定基準を示す基本方針も「2019年夏」の策定を予定していたが、2019年秋以降にずれ込むことが確実となった。
IRについては、一部の国民からギャンブル依存症などの問題を懸念する動きがあり、2019年7月の参院選で不利との見方から先送りしたと報道されている。
IR事業者決定などのスケジュール
年 | 内容 |
2018年 | IR整備法成立(国内最大3都市にIRを設置) |
2019年7月1日予定⇒延期 | カジノ管理委員会設置 |
2019年~2020年 | 「国」による「基本方針策定」 |
「都道府県」による事業者公募・選定 | |
「国」によるIR区域認定 | |
2020年~2021年 | IR建設着工 |
2024年 | IR開業 |
日本への参入を目指すIR運営会社
IR事業者 | 国名 | 進出予想地 |
MGMリゾーツ・インターナショナル(オリックス提携) | アメリカ | 大阪 |
ラスベガス・サンズ | アメリカ | 東京・横浜・大阪 |
ウィン・リゾーツ | アメリカ | 東京・横浜・大阪 |
メルコリゾート&エンターテインメント | 香港 | 大阪・横浜 |
ギャラクシー・エンターテインメント・グループ | 香港 | 大阪・和歌山・横浜・北海道 |
ゲンティン・シンガポール | シンガポール | 大阪 |
グループ・ルシアン・バリエール | フランス | 和歌山 |
ハードロック | アメリカ | 北海道(苫小牧) |
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コメント
2018年に成立したIR整備法によると、当面、最大3ヵ所にIR(カジノを含む)が設置される。
最大3ヵ所となっているが、当ブログの予想では、大都市圏が2ヵ所、地方都市が1ヵ所となると思われる。
大都市圏とは、「大阪」と「東京・横浜」の2大都市圏を想定していると思われる。
IR設置の背景
そもそも、IR設置は、2020年東京オリンピック後に景気が落ち込むのを防ぐために考えられたものだ。
同じような理由で2025年の万博に立候補し、大阪・関西万博の開催が決定した。しかし、東京圏での景気対策がない。
そこで、「東京・横浜」と「大阪」にIRを設置すると思われる。
政府の予想に反して、「東京・横浜」は明確には立候補の意思を示していない。そのため、IR設置のスケジュールを先延ばししたと思われる。
2019年7月の参議院選挙のための「先送り」は、表面上の理由でしかない。
「東京・横浜」が立候補するために、スケジュールを先送りした言えば、大変な反発を受けるから、関係者は絶対にそうは言わないだけだ。
トランプ大統領と「サンズ」の思惑
IR事業者の「ラスベガス・サンズ」の会長は、トランプ大統領の大口献金者で、関係が深いとされる。
当ブログの予想では、「サンズ」は「東京・横浜」に進出することを狙っており、「東京・横浜」が立候補しない場合、MGMが先行して大阪に進出する可能性がある。
そうなると、トランプ大統領にとって、あまりいい事態ではない。
そこで、2019年5月25日のトランプ大統領来日の直前に、「IRスケジュール」の先送りを決定したと思われる。
官僚は天下り先が欲しいだけ
霞が関の官僚は、天下り先を作ることが仕事になっている。IRが大阪に設置され、東京圏に設置されないと、東京での官僚の天下り先が少なくなる。
もちろん、IR各社は東京事務所を設置しているので、官僚のトップはIR会社の東京事務所に天下りできる。
しかし、ノンキャリアなどの天下り先が東京で足りなくなる。官僚としては絶対に東京圏にIRを設置しないといけない。
そうしないと50代以降の自分達の生活が成り立たなくなる。
IRの投資額は1兆円ともいわれるだけあって、官僚も必死で「大阪のみの設置」を阻止してくるかもしれない。
2024年 大阪IR開業は無理?
当初は2020年~2021年にIR区域が認定されると思われたが、少なくとも半年以上延期される。
このまま行けば2021年~2022年に認定、2022年~2023年に着工になるかもしれない。
そうなると、大阪府・市が予定していた2024年の開業は絶望的となる。