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【不便路線】神戸市営地下鉄「海岸線」は、なぜ作られたのか?【赤字路線】

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神戸市営地下鉄(筆者撮影)

 神戸市営地下鉄「海岸線」って阪急・阪神・JR各社「三宮駅」から乗り換えるのには不便で、例えば「三宮・花時計前駅」から「旧居留地・大丸前駅」の1区間で運賃が230円もする。

そのため、「三宮・花時計前駅」から「旧居留地・大丸前駅」まで乗る人はほとんどいない。

 

神戸市営地下鉄「海岸線」概要

区間 三宮・花時計前~新長田
営業キロ 7.9km(建設キロ8.1km)
建設期間 1993年度~2001年度
駆動省方式 リニアモーター駆動方式
車両 4両編成 × 10本=40両
10駅
開業 20001年7月7日

神戸市営地下鉄「海岸線」は三宮・花時計前駅と新長田駅を結ぶ約8キロの路線で、主に神戸市の海岸沿いの兵庫区や長田区を走る。

沿線人口は約46,000人でだが、開通時は1日約14万人の利用を見込んでいたが、2015年度の1日平均利用客数は約44,000人だった。

 

なぜ、こんな不便な路線を作ったのか?

神戸以外の人間には不可解な路線だ。確かに「三宮」起点で考えると不便だが、実は「新長田」起点で考えると便利な路線なのだ。

例えば、長田区民が元町商店街や大丸で買い物するなら、「みなと元町駅」や「旧居留地・大丸前駅」で下りれば、買い物に便利だ。

また、三宮のオフィス街に通勤するなら、「三宮・花時計前駅」で下りれば便利だ。

このように、神戸市営地下鉄「海岸線」は、「長田区民」が便利なように建設されたと思われる。

 

HAT神戸(神戸市中央区)筆者撮影

さらに、HAT神戸(神戸市中央区)まで延伸する計画もあった。実は、長田区からHAT神戸の「復興住宅」に引っ越した人も多い。

そこで、両地点を「地下鉄」で結べは、引っ越した元長田区民にとっても便利な路線となるはずだった。

 

整備目的(神戸市)

神戸市兵庫区・長田区の南部地域は神戸港開港以来、長年にわたり神戸の発展を支えてきた地域であったが、時代の変化とともに、都市の中心が東へ移り若い世代がニュータウンへと転出したこと等によりインナーシティ問題が顕著化してきた。

神戸市ではこの地域の活性化を図るために、再開発事業等による住宅整備、街路・公園・港湾等のインフラ整備、商業・業務地整備等の都市再開発プロジェクトを集中的に投資することとし、これらのプロジェクトを相互に連結し、沿線地域の活性化のために先導的な役割を果たす事業である。

また、震災による市街地復興の核としての新たな役割も担って、整備を進めてきた。

引用 神戸市  http://www.city.kobe.lg.jp/life/access/transport/subway/kaigannsen/gaiyo.html

 

コメント

「インナーシティ」とは、欧州の城壁に囲まれた旧市街のことで、そこから転じて、古い市街地という意味で使われているようだ。

古い市街地は道路や狭く、鉄道の駅もなく、衰退する傾向にあり、そこに地下鉄を開通させることで、再開発を推進するという計画だったと思われる。

 

また、災害復興の意味もあるが、それを言われれば、反対意見を言えない雰囲気になる。しかし、本当に復興に役だっているのだろうか?

もし、「UMIE」や「メリケンパーク」、「神戸税関」に駅が出来ていれば、観光路線として需要があったと思われる。

だが実際には、JR元町駅の近くに重複して「みなと元町駅」が建設されている。

駅の建設地をよく見ると、「地下鉄海岸線」は元町周辺の個店にもメリットがあるのではないか?

つまり、神戸市の施策で「プライオリティ(優先順位)」が高いのは「長田区」と「元町」ではないか?

神戸市の施策は、神戸市全体を俯瞰して見ると理解できないが、ピンポイントで見るとその意図が分かってくる。

別の言い方をすると、神戸市の施策は演繹法ではなく、帰納法なのではないか?

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