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空港に翻弄された街「りんくうタウン」泉佐野市(大阪府)

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りんくうゲートタワービル(高さ256m 1996年竣工)

大阪府は関西空港対岸の泉佐野市に「りんくうタウン」(総開発面積318ha・産業用地130ha)を5,000億円~6,000億円の巨費を投じ開発した。

当初、超高層ビルなど50棟を建設する計画だったが、バブル崩壊や伊丹空港が廃港にならなかったことなどから関空利用者が低迷し、りんくうタウンの開発・売却も進まなかった。

しかし、2001年以降、分譲価格の大幅値下げ、2003年に定期借地方式を本格導入し、さらにインバウンド客急増により、2019年2月に契約率100%を達成した。それでも累積赤字は1,000億円超と言われる。

 

大阪府立大りんくうキャンパス

 

りんくう総合医療センター

 

2019年10月撮影

コメント

りんくうタウンの総開発面積318haだが、これには道路や公園などが含まれ、産業用地は130haしかない。しかも高速道路の周辺など開発がむずかしい土地も多かったことが事業が順調にいかなかった原因と言える。

「バブルに踊らされて失敗した」と言うのは簡単だが、大手金融機関や不動産会社なども同じ失敗をしており「りんくうタウン」だけ責任を追及するのは違うと思う。

大阪府立大やりんくう総合医療センターを見ていると神戸市のポートアイランド(1期433ha・2期390ha)のような感じがする。

土地造成は大阪府の事業だが、人口10万人の泉佐野市にとっては周辺整備、公園、道路整備の負担が大き過ぎた。

泉佐野市は人口10万人で財政力が弱かったが、神戸市は人口150万人と大きく、税金を投入して、研究所・ラボ・病院などを建設し、あたかも成功しているように外見を繕うことができただけに過ぎない。

 

マレーシアの不動産会社SPセティア開発予定地

土地は100%契約は終わったが、開発は今後数年間はかかると思われる。

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