新港突堤西地区の開発イメージ(出典 神戸市)
神戸市は、神戸港「新港突堤西地区」に超高層マンション、オフィスビル、水族館などを建設する計画を発表した。
開発計画概要
新港突堤西地区(第1突堤基部)再開発事業 事業計画提案の概要 | ||
代表企業 | 住友不動産 | |
総事業費 | 460億円 | |
水族館 | SMBC信託銀行 | 延床面積 8,000平米 |
商業棟 | フェリシモ | 延床面積 8,600平米 |
商業棟 | GLION(BMWショールーム) | 延床面積 12,000平米 |
住宅棟(高さ102m) | 住友不動産・関電不動産 | 延床面積 36,000平米×2棟 |
駐車場 | SMBC信託銀行 | 600台 |
着工予定 | 2018年 | |
竣工予定 | 2021年度末 |
水族館
「神戸ポートミュージアム」(水族館)(出典 神戸市)
水族館の面積は8,000平米で京都水族館の約11,000平米よりも小さい。当然、海遊館(約27,000平米)や須磨水族園(約12,500平米)よりも小規模で、開業年は入場者はいるだろうが2年~3年経つと入場者が減少する可能性がある。
民間会社が運営する京都水族館入場料は2,050円なので、その程度の入場料になると予想される。
年間パスポートが設定されるかどうかは不明だが、須磨水族園(1,300円)と比較すると割高な感じがするので集客力も限界がある。
京都水族館の初年度目標が200万人だったので神戸新港の水族館も150万人を目標にしているのだろう。しかし、京都は年間6,000万人の観光客がいるが、神戸は2,167万人なので、初年度目標の150万人の達成は微妙かもしれない。
ウォーターフロントにある水族館ではあるが、水質の問題から神戸港の海水を取り入れるとは思えない。海水をトラック輸送するとコストがかかる。したがって京都水族館のように「人工海水」を利用する可能性がある。
また、「ジンベエザメ」のような大型の魚を展示するには、専用の搬入口が必要になるが、そういうスペースも確保できそうない。
計画図概略
- A地区の容積率は500%
- B地区の容積率は400%
出典 神戸市(当ブログで加筆)
計画位置図
出典 神戸市
計画地の隣接地には「住友倉庫」がある。今回の開発代表会社は住友不動産なので、「住友倉庫」も一体的に再開発される可能性がある。
アクセスが課題
三宮駅から1kmで徒歩15分と微妙に遠い。神戸市立博物館から真っ直ぐ南へ500mの地点に立地するが、国道2号線、国道43号線を横断する必要があり、アクセスに課題がある。
駐車場は600台を確保するが、大規模SCでは3,000台の駐車場が当たり前となっているので、やはり少ない。
徒歩アクセスも車アクセスも微妙に不便な感じ。
マンションも立地が悪い
三宮駅まで徒歩15分とマンションの立地としては悪い。バスが利用できるかもしれないが、やはり駅前立地マンションと比較すると利便性は悪い。
まとめ
三宮駅からのアクセスが課題で当面はシャトルバスで対応するしかない。完成予想図はよくできているが、開発が成功するかどうかはアクセス改善次第と思われる。
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三宮駅再開発は遅れ
神戸港のウォーターフロントの再開発は順調だが、三宮駅再開発は遅れている。
三宮駅ビルのホテルは2017年12月末に営業終了、三宮OPAは2018年3月末に営業終了となるが、再開発ビルの完成予想図すら発表されていない。
今回の「(神戸)新港突堤西地区」はJR三宮駅から約1km、徒歩15分のウォーターフロントにある。
この開発により、JR三宮駅とウォーターフロント間の「にぎわい」を演出できる。
「JR三宮駅とウォーターフロント間」の中小ビルオーナーにとってはメリットのある開発だ。
もし、JR三宮駅が先に再開発されれば、顧客は駅ビルに滞留し、「JR三宮駅とウォーターフロント間の中小ビル」の売上は減少するところだった。
さらに幸運なことに、神戸市は三宮駅周辺のビルの高さ規制をしようとしている。
ウォーターフロント開発が先行
神戸港のウォーターフロントを先行して再開発し、その後、JR三宮駅を再開発するスケジュールなりそうだ。
三宮駅に200m級駅ビルが先に建設されれば、「JR三宮駅とウォーターフロント間の中小ビル」の売上が減少する可能性があった。
ウォーターフロントを先行して開発することで、「JR三宮駅とウォーターフロントの間」のにぎわいを演出することで、中小ビルの売上減少を最低限に食い止めることができるのかもしれない。
三宮駅の再開発計画が遅れているのは、ウォーターフロントの開発を先行させるためだったのか? このあたりはよくわからない。