関西空港(筆者 撮影)
新型コロナウイルス感染拡大により、日本国内の各エアラインは、国内線80%減便、国際線90%減便している。
ANAは神戸=羽田路線を全便運休、ANA伊丹=羽田路線は1日15往復だったが1日2往復まで減便している。
しかも使用機材はB777やB787といった大型機・中型機からB737やA320などの小型機となっており、輸送人数は平時の10%程度と予想される。
2020年6月12日時点では、ANA伊丹=羽田路線は1日6往復、スカイマーク神戸=羽田路線は4往復と、5月からやや回復している。
路線 | 通常時 | 2020年5月11日現在 | 2020年6月12日 |
羽田~伊丹 | 30往復(ANA15往復/JAL15往復) | 8往復(ANA2往復/JAL6往復) | 12往復(ANA6往復/JAL6往復) |
羽田~関空 | 14往復(ANA11往復/JAL3往復) | 5往復(ANA5往復/JAL0往復) | 5往復(ANA5往復/JAL0往復) |
羽田~神戸 | 10往復(ANA2往復/SKY8往復) | 2往復(ANA0往復/SKY2往復) | 4往復(ANA0往復/SKY4往復) |
合計 | 54往復(ANA15往復/JAL15往復/SKY8往復) | 15往復(ANA7往復/JAL6往復/SKY2往復) | 21往復(ANA11往復/JAL6往復/SKY4往復) |
世界的にはエアラインを国有化する傾向にあり、世界2位の富豪投資家「バフェット」氏は航空株をすべて売却したと報道されている。
日本国内においても、政府の非常事態宣言終了後も、当面は国内線で3割~5割までしか回復しないのではないか?国際線については今後1年程度は回復の見込みがない。
日本のエアラインが国有化されるかどうかが不明だが、減便が継続することは間違いない。
関西には「関空」「伊丹」「神戸」の3空港があるが、エアラインの減便が続くと空港が余剰になってくるし、エアラインにとっても路線を集約する動きがあるかもしれない。
例えば、JALは2010年の経営危機の時、神戸空港から完全撤退している。
今回もJALとANAは羽田=関空、羽田=神戸の自社便を全便運休しており、伊丹空港に国内線を集約しようとしている。
ちなみに、ANA羽田=関空路線は全便SFJ(スターフライヤー)が運航しているが、この路線の羽田枠は関空就航が条件なので他空港には転用できないと思われる。
結局、エアライン的には国内線を伊丹空港に集約し関空国際線から撤退し、国際線は羽田と成田に集約するのではないか?
これは関西にとって最良の選択だろうか?
関西経済全体にとって、関西空港に集約するのがベターと思われる。
伊丹空港は周辺買収地も含め400haの面積があり、計画中の阪急伊丹空港線が完成すればJR大阪駅から阪急線経由で所要時間15分で行ける。
道路や公園面積を除く300haに超高層ビル100棟を建設することも可能だ。伊丹空港跡地に自動運転車、電気自動車、ドローンなどに対応した「新都市」を建設することで「アフターコロナの世界」で関西経済を復権できるのではないか?場合によっては「副首都」も実現できるかもしれない。
このまま、伊丹空港を存続させても、経済的には今と変化ないか、航空需要に減少により「じり貧」になるのではないか?