ANAホールディングスは2026年1月20日、全日本空輸の関西空港発着の4路線を2026年中に運休すると発表しました。
■ 運休となる路線
- 関空 = 札幌(新千歳)
- 関空 = 沖縄(那覇)
- 関空 = 宮古
- 関空 = 石垣

一方で、ANAグループのLCCであるピーチ・アビエーションは、同じ関空発着の主要路線で増便を行います。
■ ピーチが増便する路線
- 関空 = 札幌(新千歳)
- 関空 = 沖縄(那覇)

ANAが運休を決めた関空の4路線はいずれも、
- 観光需要が中心
- 価格競争が激しい
- LCCとの棲み分けが難しい
という共通点があります。
特に関空は
- 伊丹空港という“高付加価値国内線拠点”が近隣に存在
といった構造を抱えています。
ANAにとっては、
「国内線は伊丹」「関空は国際線とLCC」という役割分担をより明確にする方針と思われます。
対照的にピーチは、関空=札幌、関空=沖縄という
需要が厚く、回転率を上げやすい路線に集中します。
これは、
- 観光・帰省・訪日客
- 価格重視
- 高頻度運航による利便性
- 24時間運航
という、関空の利用者層とピーチのビジネスモデルが極めて相性が良いことを示しています。
3空港問題の再検討
伊丹空港はJR大阪駅からのアクセスに優れる一方、周辺地域では国の環境基準を超える航空機騒音が発生しており、これ以上伊丹空港に路線を集中させることには課題があります。
神戸空港の活用も含め、関西国際空港・伊丹空港・神戸空港の三空港が、それぞれの特性と役割を踏まえて機能分担する在り方を、改めて再検討すべき時期に来ているのかもしれません。
関西全体の利便性向上と、環境負荷の軽減を両立させる視点が、これまで以上に求められています。
具体的には、神戸空港の発着枠は、2006年の開港時には1日60回(30往復)に制限されていましたが、2025年3月には1日120回(60往復)へと倍増しています。こうした状況を踏まえると、伊丹空港についても、現在1日370回(ジェット機枠200回、プロペラ・低騒音機枠170回)とされている発着枠を、例えば70回削減して300回程度に抑えるという考え方も、一つの選択肢として検討に値するかもしれません。
着陸時の混雑が解消されれば、現在は伊丹空港でILS(計器着陸装置)が設置されていないA滑走路(1,828m)への着陸を原則禁止し、ILSが設置されているB滑走路(3,000m)のみを着陸に使用する運用も可能となります。これにより、伊丹空港全体の安全性をさらに高めることが期待されます。
