公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「EXPO 2025 デジタルウォレット」サービスを2023年11月1日から開始した。
目的
本サービスを通して、大阪・関西万博の会場をキャッシュレス社会の実験場とし、円滑で快適な会場運営を目指す。
現実(2023年12月現在)
- 「EXPO 2025 デジタルウォレット」では、万博入場券を買えません。
- 万博IDと連携してません。
- 円滑でもなく快適でもなく、複雑で面倒なだけ。
コメント
2025年大阪・関西万博はキャシュレスで、便利になると思っていた。
また、万博の入場券はネット販売で、アクセスバスの予約と紐付けするという。
ユーザー的には1つのアプリで入場券の購入、アクセスバスの予約、万博入場券の提示、万博会場での物販等の料金支払いができればいい。
ところが、「EXPO 2025 デジタルウォレット」アプリ内では、万博入場券を購入できない。
万博入場券を購入するには、別サイトで万博IDを発行して購入する。しかも「万博ID」と「EXPO 2025 デジタルウォレット」のIDは連携しておらず、別々にIDを登録をする必要がある。
万博はデジタル的にはすでに失敗
何年も準備期間があったのに、デジタル的には万博はすでに失敗している。
デジタルを統括する人間が「デジタル知識」がないのだろう。
万博入場時は大混乱か?
デジタルチケットで逆に不便になると思う。航空会社も「QRコード」で搭乗する方式に変更した会社もあるが、以前のICカードよりも搭乗に時間がかかる。
「QRコード」は読み込みできないことが多く、「紙チケット」よりも入場に時間がかかる。
1つのスマホで5人が入場するときなど、「QRコード」を5人分を個別に出して入場するので、時間がかなりかかる。
入場機100台は必要
「QRコード」の場合、1名入場するのに20秒かかると思う。1時間1台で180名しか通過できない。
仮に1時間当たり200名として試算すると、入場機50台では1時間当たり1万名しか入場できない。
期間中の予想来場者数は2,820万人、1日の最大来場者数は28.5万人(平均で22.7万人)とされるので、まったく対応できない。
入場機100台で1時間当たり2万名に対応できるので、なんとか大混乱は避けられるかもしれない。
できれば、入場機200台あればいいと思う。
入場機200台ならゲートの全幅は200mになるので、万博会場や地下鉄駅からの動線も変更する必要があると思う。
しかし、このような細かな想定が、今の組織では全く対応できていない。
個別のアプリ開発がそれだけで完結していて、万博全体との連携が全くとれていない。
これは、アプリを発注する側が万博全体の流れやスキームを考えていないからだ。
このままいけば、万博は大失敗だと思う。
2025年大阪・関西万博 開催概要
テーマ | いのち輝く未来社会のデザイン |
コンセプト | 未来社会の実験場 |
会期 | 2025年4月13日(日)~2025年10月13日(月) |
開催日数 | 184日間 |
会場 | 大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」大阪市此花区 |
会場面積 | 155ha |
アクセス | 大阪メトロ中央線(北港テクノポート線)延伸
新駅「夢洲駅」設置予定 |
経費 | 2,350億円(会場建設) |
800億円~830億円(運営費) | |
来場者数 | 2,820万人 |
一日来場者数 | 28.5万人 |
入場料 | 当日券
1日券(7,500円)18歳以上の大人 平日券(6,000円)18歳以上の大人
前売券 前売券(開幕後2週間のみ使用の開幕券4,000円) 前売券(開幕後3ヶ月のみ使用の前期券5,000円) 前売券(一日券6,000円) |
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