2024年からスタートした新NISA。非課税枠が拡充され、長期投資の追い風となる制度ですが、「どう活用すればいいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、3つのファンドを組み合わせるだけで、毎月分配金(配当)を受け取れる方法をご紹介します。資産形成をしながら、月々の“ちょっと嬉しい収入”を得ることができる、実践的なインカム戦略です。
- 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
- V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
- S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)
毎月分配金をもらえるメリットと注意点
毎月分配金があると、生活費の補填やちょっとした贅沢に使えるなど、心理的な安心感があります。一方で、以下のような注意点もあります。
- インデックスファンドに比べて利回りが劣る可能性がある
- 信託報酬が高めで、長期的にはコストが積み重なる
- 分配金が安定しない場合もあり、元本割れのリスクもある
- ファンドによっては「たこ足分配(元本から分配)」になるリスクもある
賢く使うなら「コア・サテライト戦略」
こうした特徴を踏まえると、資産の8割をインデックスファンド(コア)に、残り2割を高配当ファンド(サテライト)に振り分ける「コア・サテライト戦略」が有効です。
- インデックスファンドで長期的な資産成長を狙いながら、
- 高配当株ファンドで毎月のインカム収入を得る
このバランスなら、安定性と楽しみの両立が可能になります。
3ファンドの例
| ファンド名 | 決算月 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本高配当株式(分配)ファンド | 1月・4月・7月・10月(10日) | 日本の高配当株に分散投資。信託報酬も低めで初心者向け。 |
| V・米国高配当株式インデックス・ファンド | 2月・5月・8月・11月(20日) | 米国の高配当株ETFに連動。安定したインカムを狙える。 |
| S・米国高配当株式ファンド | 3月・6月・9月・12月(28日) | 人気ETF「SCHD」に連動。増配株中心で将来性も◎。 |
この3本を組み合わせることで、毎月どこかのファンドから分配金が入る仕組みが完成します。
分配金カレンダー
3つのファンドに10万円×3=30万円を投資した場合(分配金はイメージです)
| 月 | 分配元ファンド(分配金) |
|---|---|
| 1月 | 日本高配当株式ファンド(1,000円) |
| 2月 | 米国高配当インデックス(500円) |
| 3月 | 米国高配当(SCHD連動)(500円) |
| 4月 | 日本高配当株式ファンド(1,000円) |
| 5月 | 米国高配当インデックス(500円) |
| 6月 | 米国高配当(SCHD連動)(500円) |
| 7月 | 日本高配当株式ファンド(1,000円) |
| 8月 | 米国高配当インデックス(500円) |
| 9月 | 米国高配当(SCHD連動)(500円) |
| 10月 | 日本高配当株式ファンド(1,000円) |
| 11月 | 米国高配当インデックス(500円) |
| 12月 | 米国高配当(SCHD連動)(500円) |
| 年間合計 | 分配金合計12,000円(利回り3.3%) |
新NISAでどう買う?
- 成長投資枠を活用して、3ファンドを均等に購入(つみたて投資枠では購入できないファンドが多い)
- 毎月定額積立も可能(証券会社の積立設定で簡単)
- 分配金は非課税で受け取れる(NISA枠内であれば)
まとめ
新NISAは「長期・積立・分散」が基本ですが、インカム重視の投資スタイルも十分に可能です。
今回紹介した3ファンドを組み合わせれば、毎月分配金を受け取りながら、資産形成も同時に進められます。
「生活資金」「おこづかい」「旅行費用」など、目的に応じて活用してみてください。
理論的には「インデックスファンド」を積み立てて必要なときに取り崩す方が、運用効率は高くなります。
ただし、取り崩すタイミングを考えるのは手間がかかりますし、「元本を崩す」という行為自体に心理的な抵抗を感じる人も少なくありません。
そのため、投資をもっと気楽に楽しみたいという方にとっては、毎月分配型のファンドから分配金を受け取る方法も一つの選択肢になるでしょう。
