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【2018年10月19日】神戸市と理化学研究所 連携・協力基本協定を締結

国立研究開発法人理化学研究所と神戸市は、2018年10月19日、連携して研究成果や都市環境の魅力を海外に発信し、世界中から優秀な人材を集めることを目指す。

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神戸市は、ポートアイランドにテーマパークを計画していたが、1995年の阪神大震災で頓挫した。

その後、1998年に震災後の復興政策の一つとして「神戸医療産業都市構想」を打ち出し、2002年に理化学研究所 発生再生化学総合研究センター(当時)がポートアイランドに完成した。

2018年は神戸市の「医療産業都市構想」から20年目となり、改めて神戸市と理化学研究所が連携してさらなる「神戸医療産業都市」を発展される狙いがあるとされる。

また、三宮駅前に「健康・医療の交流拠点を設置する」


コメント

1998年の構想から20年を経て、神戸医療産業都市は、研究機関・病院・医療関連企業など346施設(2018年7月末)が集積し、雇用者数9,400人(2018年3月末)と国内最大級の医療産業クラスターに成長した。

表面的には順調に見える。

しかし、「神戸医療産業都市」のHPでは、「構成する研究機関や大学、病院」として「神戸市立医療センター中央市民病院」(768床)がリストアップされている。

神戸市立医療センター中央病院の医師は312人で、全体の職員数は1,760人となっている。

「国内最大級の医療産業クラスター」というものの、雇用者9,400人のうち1,760人は市民病院の医師や事務職員である可能性がある。

また、「兵庫県立こども病院」(290床)や民間のリハビリ病院(150床)も「神戸医療産業都市」のHPで「構成する病院」として紹介されている。

これらの病院雇用者も雇用者9,400人に含まれている可能性がある。

 

経済効果

神戸医療産業都市の経済効果は1,532億円(2015年)とされるが、どういう経済効果なのか?個人ブロガーでは内容までは、たどり着けなかった。

また、税収効果は53億円(2015年)とされるが、市民病院の医師や職員の所得税・住民税が含まれている可能性がある。

もし含まれているなら、神戸市が税金から市民病院雇用者に給料を支払い、その中から徴収した税金が53億円の税収の中に含まれていることになる。

さらに、「医療産業都市」の中には、理化学研究所の「計算科学研究センター」(京コンピューター)も含まれているようだ。

京コンピューターは、気象、核融合のシミュレーションも行っており「医療産業都市」と言うと若干違和感がある。

 

投資額(2018年までの累計)

国の直接投資額は3,612億円(内 京コンピューター2,141億円)、神戸市の予算執行額700億円の合計4,312億円。

 

新たな助成制度創設

神戸医療産業都市推進機構は2018年6月に新たな助成制度を創設した。

これとは別に神戸市も進出企業に対して補助金を交付、税金を減免している。

例えば、

施設完成年度から年間9970万円を上限に10年間補助金(補助総額上限9億9700万円)を交付する予定だ。

引用  https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/051200722/

 

日本共産党神戸市会議員団のHPでは

(神戸市は)オフィス賃料補助や減税で30億円も支援していますが、進出した医療関連企業の437社の3分の1以上、155社がすでに撤退。

仕事おこしという点でも、既存の市内中小業者は、ほとんど恩恵をうけていないのが現実です。

http://www.jcp-kobe.com/topics/welfare-medical/1507/

 

個人的感想

そもそも、神戸医療産業都市は、震災からの復興のための公共事業であって、箱物を作ることが本来の目的だった可能性がある。

国と神戸市が税金を4,312億円(2018年まで)投入して、税収効果年間53億円(20年間の推定約1,000億円)では、事業して失敗している。

さらに、神戸市や外郭団体が、億単位の助成金を交付している。

 

結局、「神戸医療産業都市」は構想から20年経って、4,312億円の投資額を回収できていない。

民間事業であれば、数千億円の赤字事業だ。

もちろん、科学研究という「公共事業」なので、赤字だからと言って失敗とは言えない。

しかし、神戸市のプレスリリースでは、経済効果1,532億円、税収53億円(2015年)と事業として成功しているかのように記載している。

 

「神戸医療産業都市」の実態は、市民病院や県立病院を移転させ、補助金で企業誘致しているだけに過ぎないが、いかにも「神戸は最先端の医療産業都市」というイメージを作り上げている。

しかも研究所には、動物実験のレンタルラボも含まれている。

4,000億円以上の税金が投入された事業であるにも関わらず、情報公開が不十分過ぎる。

 

今後どうなるか?

神戸医療産業都市の雇用者は9,400人と公表されているが、神戸市立医療センター中央病院の職員数1,760人など病院関係者を除くと6,000人と推定される。

進出企業施設は346施設だが、病院を除いて約340社(施設)で試算すると1社(施設)当たり17.6人となる。

しかも、全員が研究者という訳ではなく、事務職員もいるだろうから、1社(施設)の研究者の数は平均12人~13人と推定される。

医療分野(特に創薬)の世界では、数百人、数千人という研究施設でも、新薬の開発に苦労している。

理化学研究所や大学研究室以外の民間研究所で画期的な医療分野の開発が出来るのだろうか?

 

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