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神戸空港サブターミナル(延床面積18,700㎡に拡大・位置も変更)2025年供用開始

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出典 神戸市PDF

神戸市は「神戸空港サブターミナル整備基本計画(改定案)」を2024年1月9日に公表した。

それによると、当初計画では延床面積17,000㎡だったが、延床面積18,700㎡に拡大する。

さらに、サブターミナルの位置もポートライナー「神戸空港駅」の近くに変更し2025年に供用開始予定。

具体的に、当初計画の「空港駅から500m西側」から「空港駅から300m西側」に変更する。

当面は無料のシャトルバス運行を想定しているが、将来的には歩行者デッキによりサブターミナルと駅を接続する予定。

 

当初計画

  • 2025年3月:国際チャーター便と国内線を増枠(80回/日→120回/日)就航
  • 2030年  :国際定期便(40回/日)が就航(合計160回/日)

サブターミナル単体の建設費は当初計画の90億円から150億円に増額されるが、全体の事業費は283億円と当初計画と同じ。

出典 神戸市

出典 神戸市

建物は2階建だが、旅客機能(出発・到着ロビー、保安検査場、CIQエリア、商業施設、サービス・案内)は1階に集約し、2階は展望デッキのみとなる。

 

神戸空港サブターミナルの概要
施設名 神戸空港サブターミナル
所在地 神⼾市中央区神⼾空港1
延床面積 18,700㎡(当初17,000㎡)
階数 2階建
建設費 150億円(当初90億円)
供用開始 2025年
ロビー機能 ロビーでは、搭乗手続きのスムーズ化、送迎者の待機場所の確保、総合案内機能、両替所などのサービス機能を配置するとともに、山・海を望む賑わい施設を配置
国内線エリア機能 搭乗者のスムーズな保安検査、空の旅の始まりを心地よく過ごせる搭乗待合室、商業施設、手荷物受取所などを配置
国際線エリア機能 国内線エリアの機能に加えて、スムーズな出国審査、入国審査を行うことができる施設を配置
その他機能 国際線に必要となる出国・入国審査のためのCIQ事務所、運航する各航空会社の事務所、建物に必要な機械室等を配置

 

 

以下は過去記事

コンセプト

出典 神戸市

「海に浮かび、森を感じる」をコンセプトに、エントランスの軒天井、ロビー空間の天井、展望デッキなどに地域木材を活用する。

天井高さは約6mで開放感があり、建物屋外(東側)のランドスケープ(緑地)とロビーが一体化することで、緑・自然を感じられる空間となる。

 

出典 神戸市

出典 神戸市

搭乗橋(ボーディングブリッジ)も設置せず、いわゆる「沖止め」でサブターミナル(図の左端)から飛行機へ「バス移動」となる。

 

出典 神戸市(変更前)

ポートライナー「神戸空港駅」から「サブターミナル」まではバス移動(約400m)となる。

 

神戸空港サブターミナルの施設整備概要

(一部は以前の計画の数字のまま)

名称 神戸空港サブターミナル
所在地 神戸市中央区神戸空港1
延床面積 約14,600㎡

  • ロビー(約4,000㎡)
  • 国内線エリア(約2,500㎡)
  • 国際線エリア(約3,000㎡)
  • CIQ等(約7,500㎡)

( )の数字は以前のもの

建築面積 約12,900㎡
階数 2階建
事業費 81億8000万円(税別)
搭乗ゲート数 国内線4ゲート以上

国際線2ゲート以上

搭乗方法 バスハンドリング(ボーディングブリッジなし)
設計・施工
  • 代表 :竹中工務店
  • 構成員:湊建設工業、TC神鋼不動産建設、梓設計
着工 2023年度
供用開始 2025年3月31日
アクセス ポートライナー神戸空港駅から無料巡回バス

市街地からサブターミナルへリムジンバスや路線バスの運行を検討

 

 

神戸空港サブターミナル等の建設に「250億円~280億円」市税投入

神戸空港(筆者 撮影)

神戸市議会は2022年12月5日、2030年ごろの国際化が決まった神戸空港の新ターミナルなどの整備について、市税投入を認める決議案を可決した。

引用 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20221205/k00/00m/040/097000c

神戸空港の整備スケジュール

航空便 発着回数
2025年 国際チャーター便就航・国内線枠拡大 国内線1日80回(40往復)→ 1日120回(60往復)
2030年 国際定期便就航 国際定期便1日40回(20往復)

 

神戸空港の整備内容(2025年)と予算

神戸市は国際チャーター便が就航する2025年に、駐機スポットの拡充や入管や税関、検疫が入ったサブターミナルの建設を目指している。

項目 費用
基本施設(駐機スペースの舗装、航空灯火など) 143億円
付帯工事(駐車場や構内道路などの) 50億円
サブターミナル整備費 60億円~90億円
既存ターミナル整備費 未定・関西エアポート神戸(株)と調整中
合計 253億円~283億円

2025年に、サブターミナルから国内線増枠分と国際チャーター便が就航、2030年に国際定期便が就航すると予想される。

さらに、既存のメインターミナルの整備も調整中となっている。

 

神戸空港は、2030年頃に国際線(定期便)が就航すること、国内線の増便が、関西3空港懇談会で合意された。

  • 国際線1日40回(20往復)
  • 国内線1日80回(40往復)→ 1日120回(60往復)

これを受け、神戸市が国際化の費用を試算し公表した。

引用 神戸市 https://www.city.kobe.lg.jp/documents/50175/20221019_kouwan3.pdf

出典 神戸市

整備スケジュール

  • 2023年度 既存ターミナルの西側に駐機スポット(5スポット)を整備
  • 2025年度 既存ターミナルの西側に駐機スポット(5スポット)を供用開始
  • 東側の駐機スポット(4.5スポット)の整備は今後調整
  • 最終的に、既存スポット(10スポット)から(21スポット)に増加する
  • しかし、新規に増加するのは西側5スポットと東側4.5スポットで、残りは既存10スポットを11.5にする。(既存スポットを小型機対応に変更すると思われる)

 

神戸空港国際化費用(神戸市試算)

項目 費用
駐機スペースの舗装、航空灯火など 143億円
駐車場や構内道路などの付帯工事費 50億円
新たなターミナル整備費 60億円~90億円
既存ターミナル整備費 未定・関西エアポート神戸(株)と調整中
合計 253億円~283億円

当ブログの予想では、神戸市が建設費を負担し、空港運営会社が賃貸料を毎年支払うことになると思われる。

35年で試算すると1年当たり7億円~8億円になる。

したがって、現在は無料となっている神戸空港の施設利用料(PSFC)が、伊丹空港と同じ340円(出発と到着)程度の施設利用料(PSFC)を設定する可能性もあると思う。

国際線1日40回(20往復)+国内線1日40回(20便)の合計1日80回(40便)増加するので、新ターミナルは国際線と国内線の両方で利用されると推定される。

ポートライナーを6両から8両に増強する費用は800億円と予想されるが、今回の神戸市の試算には含まれていない。

神戸スカイブリッジ(ポートアイランド2期=神戸空港間)を2車線から4車線化する費用25億円も含まれていない。

新神戸駅と空港方面を直結する都市計画道路「生田川右岸線」(約1.5km)の車線を片側2車線から3車線に拡幅する工事費も含まれていない。

 

想定される国内線路線予測

出典 神戸市

神戸空港=成田空港路線に1日10便(5往復)で就航する予測になっている。

スカイマークは成田空港から2015年に撤退しており、1日10便(5往復)も運航するとは思えない。

ANAも伊丹空港=成田空港は2便(1往復)なので、神戸空港=成田空港に1日10便(5往復)も運航するとは思えない。

では、神戸空港=成田空港間に1日10便(5往復)も運航するエアラインはどこか?

ピーチしかないやろ。(知らんけど)

 

空港利用者数予測

神戸市の試算では2030年の空港全体の利用者数は700万人で、国内線は510万人、国際線は190万人となっている。

国内線 国際線
2019年 329万人 0人
2030年 510万人 190万人
神戸市 180万人
神戸以外の兵庫県 130万人
大阪北部 110万人
京都・滋賀 40万人
その他 50万人
東アジア 150万人
東南アジア 40万人

神戸市の人口は150万人だが、年間利用者数予測では180万人となっている。神戸市関係者90万人が毎年1往復する試算だと思う。これは神戸市民150万人の60%に相当する。

一般的に、1年間で飛行機を利用する割合は30%なので、神戸市民150万人なら45万人が1往復し、空港利用者数では90万人となると思う。

 

神戸空港の運用時間と発着枠(当ブログまとめ)

年月 発着枠 運用時間
2006年開業 60回(30往復)/日 午前7時~午後10時(15時間)
2019年8月~ 80回(40往復)/日 午前7時~午後11時(16時間)
2025年(予想) 120回(60往復)/日 午前7時~午後11時(16時間)
2030年(予想) 160回(80往復)/日

  • うち国内線120回
  • うち国際線40回
午前7時~午後11時(16時間)

 

 

神戸空港(筆者 撮影)

2022年9月18日、関西3空港懇談会が開催され、2030年をめどに神戸空港(神戸市)に国際線(定期便)を就航させることで合意した。

  • 大阪・関西万博が開催される2025年には国際チャーター便の受け入れを可能とし、国内線の発着回数も現在の1日80回(40往復)から1日120回(60往復)に拡大する。
  • 2030年頃、神戸空港に国際線(定期便)を就航させ、国際線の発着回数は1日最大40回(20往復)とする。国内線1日120回(60往復)と合計で神戸空港全体の発着回数は1日160回(80往復)となる。

当ブログが思うに、神戸市は国際線の就航のみを希望していたが、なぜか国内線も1日40回(20往復)増加させることになった。

その理由を考察する過程で、神戸空港の国際線にピーチが就航するのではないかという結論に至った。

 

神戸空港の運用時間と発着枠(当ブログまとめ)

年月 発着枠 運用時間
2006年開業 60回(30往復)/日 午前7時~午後10時(15時間)
2019年8月~ 80回(40往復)/日 午前7時~午後11時(16時間)
2025年(予想) 120回(60往復)/日・国際チャーター便就航 午前7時~午後11時(16時間)
2030年(予想) 160回(80往復)/日(700万人/年)

  • 国内線120回(510万人/年)
  • 国際定期便線40回(190万人/年)
午前7時~午後11時(16時間)

 

神戸空港国際化の背景

2018年9月4日、台風21号により関西地方は大きな被害を受け、関空もA滑走路(3,500m)などが浸水、連絡橋にタンカーが衝突するなどし、運休・減便を余儀なくされた。

そのため、伊丹空港で1日40便、神戸空港で1日30便の国際便を受け入れることにしたが、1便も利用されなかった。

普段、国際線が就航していない空港に突然、国際線を就航させるのは、エアラインにとっては受け入れ体制が全くなく、困難だった。

そのため、関空が使用できない状態になったときのために、普段から神戸空港に国際線を就航させることになったのだと思う。

しかし、1日数便の国際線では空港会社が赤字になるので、1日20便(40回)を就航させることになったのだと思う。

 

2030年国際化の意味

関空の国際線は今後も増加し2030年頃限界に達するとの予想もあり、関西の国際線需要に対応するために神戸空港に国際線を就航させることになった。

  • 2030年関空国際線予想、基本4000万人、中位4500万人、上位5000万人

 

関空に就航のエアラインを神戸空港に就航させる?

神戸空港の国際線は関空の補完であり、関空が使用できない場合に、神戸空港発着に振り替える計画だと思う。

それならば、関空に就航していないエアラインを神戸空港の国際線に就航させても、関空の補完にはならない。

したがって、現在、関空に就航していないスカイマークが神戸空港の国際線に就航することはないと思う。

 

ANAやJALの国際線就航はない?

ANAやJALは羽田空港と成田空港をダブルハブとして、国際線を集約している。

また、ANAやJALの国際線は、ファーストクラス客やビジネスクラス客が少ないと、エコノミー客が満席でも赤字になる。

ファーストクラス客やビジネスクラス客を集約するためには、空港に国際線のラウンジを設置する必要があるが、出店費用だけで5億円~10億円、年間経費も数億円かかる。

神戸空港には国内線用の航空会社のラウンジもないので、ANAやJALが神戸空港の国際線に就航する可能性は少ない。

 

神戸空港の将来像

当ブログの予想では、2025年までにピーチ専用の国内線ターミナル(一部は国際チャーター便対応)を建設すると思われる。

2030年には、ピーチ専用の国際線ターミナルを完成させると予想される。

2022年4月、ピーチを立ち上げた井上慎一氏がANAの社長に就任した。

井上社長は2020年7月、「ANAのサバイバルプラン」で「ピーチとの協業」を提案した。

その後、2021年10月31日、ANAが運航してきた福岡-石垣線にピーチが就航した。

ANAは、観光路線をANA便からピーチ便に転換する方針と思われる。

したがって、神戸空港の国内線に2025年ピーチが就航すると、ANAグループのソシラドやAIRDOが運航している神戸=那覇便や神戸=札幌便は、ピーチが運航するようになるのではないか?

また、ANAが運航している神戸=羽田便の1日2往復がどうなるかは、今のところ予想はできない。

 

神戸の都市計画への影響

神戸三宮ツインタワー1期ビル(出典 雲井通5丁目再開発株式会社)

神戸市内では、2030年の神戸空港の国際化を目指して、観光客(富裕層)の取り込みを目指していると思う。

実際、神戸三宮ツインタワー1期ビルや神戸市庁舎2号館建替計画でも高級ホテルが入居する予定になっている。

もし、当ブログの予想通りにLCC(格安航空)のピーチが神戸空港の国際線に就航するとしたら、神戸市の都市計画の見直しも必要になってきてくるのではないか?

 

神戸に国際線需要はあるのか?

日本人は平均5年に1回海外に行く。

神戸市の人口は150万人なので毎年30万人が海外に行くと推定される。

出国と入国の2回国際線に乗るので、国際線利用者としては年間60万人となる。

神戸空港国際線は近距離国際線のみ就航すると予想されるので、神戸市民の国際線需要年間60万人のうち40万人程度と予想される。

これを1日平均に換算すると約1,100人/日となる。

国際線1便に150人が乗るとすると、1日8便(4往復)合計1,200人の国際線需要しかない。

国際線を維持するには1日40便(20往復)が必要であり、神戸市民だけでは神戸空港国際線を維持することはできない。

神戸空港国際線は年間190万人の予想なので、うち神戸市民は40万人、残り150万人は大阪府民、神戸以外の兵庫県民、訪日外国人となる。

したがって、神戸空港国際線を成功させるためには、単に神戸空港=三宮間のアクセス改善だけでなく、大阪や京都とのアクセスを改善する必要があると思う。

 

なぜピーチなのか?

神戸空港の現在の空港ターミナルは手狭になっており、国際線就航のためには、新ターミナルの建設が必要となる。

当ブログの予想では、神戸市がターミナルを建設し、関西エアポート神戸が賃貸料を支払うスキームになると思う。

仮にターミナル建設費が100億円ならば関西エアポートは賃貸料と維持管理費で年間5億円以上を40年間負担することになる。

したがって、エアラインが神戸国際線から1年で撤退すると、関西エアポートは赤字になってしまう。

そこで、関空で実績のあるピーチが就航するのではないか?

もし、スカイマークが国際線に就航するならば、就航先と予想される韓国、中国、台湾に拠点を作る必要がある。

しかも、相手国のエアラインが参入するとスカイマークの国際線は1日20便(10便)となるので、海外拠点を含めて黒字化できるかどうか不透明な面がある。

しかし、ピーチはすでに海外拠点をもっているので、神戸国際線への参入しても、海外拠点の費用が極端に増加することはない。

むしろ、海外拠点を効率的に運用でき、規模の利益から、運航コストが下がると予想される。

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