簡単に言うと、農林中金が債券運用に失敗し2兆円の損失が発生しており、資本増強のため農協から1兆3000億円の増資を受けることになった。
しかし、農協にとっても1兆3000億円は簡単に出せる金額ではない。
ここからは、当ブログの推測になるが、農林水産省の官僚が「米価格を上昇させて、農協に儲けさせて、その資金を農林中金の出資金に充てる」というスキームを考えたのではないか?
農林中金は、全国の農協から資金を集め運用している金融機関で、総資産は100兆円にのぼる。
運用資産は56兆円で、うち31兆円を債券(外国債券42%・国内債券14%)で運用している。
一般的に、金利が上昇すると債券価格は下落し含み損が発生する。
満期まで保有すると全額が償還されるが、含み損が2兆円になると自己資本比率が低下し、自己資本比率規制(バーゼル規制)に抵触し国際的な取引が制限される。
そのため、保有している債券(約10兆円)を売却し、現在の金利の高い債券に乗り換えるものと思われる。
しかし、2兆円の損失が発生するため、農協から1兆3000億円の増資を受け自己資本を増強する。
2024年7月26日
農林中金の1.2兆円増資が難航(引用 ダイヤモンド)
2024年夏
全国各地で「米不足」が発生し、米の価格が大きく値上がりした。
2024年8月26日
大阪府の吉村洋文知事が農水省に政府備蓄米の放出を要望したが、翌日に坂本哲志農林水産相は政府備蓄米の放出を否定した。(政府が米価格の高騰を容認か?)
2024年9月30日
農林中金が保有する市場運用資産残高は2024年9月末時点で46兆9000億円と2024年月末時点の54兆1000億円から7兆2000億円と大幅に減少した。
コメント
当初の予定では10兆円の債券を売却する予定だったので、約7割の損失処理が終わったと予想される。
2024年12月末
当ブログの推定になるが、2024年9月末に損失の7割を処理したと思われるので、2024年12月末には、2兆円全額の損失処理が完了したと予想される。
2025年1月24日
江藤拓農相は2025年1月24日の閣議後記者会見でコメ価格の高騰を受け、政府の備蓄米を放出できるよう準備する考えを示した。