
阪急淡路駅 (2023年8月 北西から撮影)
阪急京都線・千里線の淡路駅周辺で進められている「連続立体交差事業」は、京都線約3.3km、千里線約3.8km、合計約7.1kmを高架化する大規模プロジェクトです。
大阪市は2026年8月18日、市役所で開かれた会議において、高架線への切り替え時期が従来計画より5年遅れ、2033年度になる見通しであることを明らかにしました。また、事業全体の完成時期も2036年度へ延期される見込みです。
工事は1996年度に事業着手され、現在は全体の約8割まで進んでいます。
今後のスケジュール
- 高架線に切替:2033年度(以前の計画は2028年度・令和10年度)
- 事業完了:2036年度(以前の計画は2031年度・令和13年度)
事業のポイント
この事業では、阪急京都線・千里線の淡路駅周辺にある17か所の踏切を撤去し、交通渋滞や踏切待ちを解消するとともに、鉄道によって分断されていた市街地の一体化を目指します。
また、対象となる崇禅寺駅・淡路駅・柴島駅・下新庄駅の4駅は、すべて高架駅として整備される計画です。
事業費は2,681億円へ増額

総事業費は、当初の1,632億円から大幅に増加しています。
- 当初事業費:1,632億円
- 前回見通し:2,326億円(694億円増)
- 最新見通し:2,681億円(さらに355億円増)
今回の増額は、物価高騰に加え、安全対策の強化や施工方法の見直しなどが主な要因です。なお、事業費については約5割を国、約4割を大阪市が負担する従来の割合が、増額分についても踏襲される予定です。
なぜ5年遅れるのか?
今回の延期では、複数の要因が重なったことが挙げられています。
特に大きいのが、東海道新幹線の上を阪急千里線が通過する区間です。この区間では安全性をより重視するため、施工方法そのものを見直す必要が生じました。
さらに、働き方改革による建設現場の稼働時間短縮も工期延長の要因となっています。加えて、過去には2016年の新名神高速道路建設現場で発生した橋桁落下事故を受けて安全対策が強化され、周辺では土壌汚染や軟弱地盤への対応も必要となり、追加工事や費用増加につながっています。
淡路駅周辺は、新大阪・十三エリアとも連携したまちづくりが期待される重要な再開発地域です。高架化によって17か所の踏切がなくなることで、交通の円滑化だけでなく、駅周辺の道路整備や土地利用も進み、東淀川区の都市構造を大きく変えるプロジェクトとして2036年度の完成が注目されます。

「阪急京都線」と「阪急千里線」が「淡路駅」で合流し、再び分岐する。
| 事業主体 | 大阪市 | |
| 事業内容 | 連続立体交差事業 | |
| 所在地 | 京都線 | 大阪市東淀川区新庄~柴島 |
| 千里線 | 吹田市南清和園町~大阪市東淀川区柴島 | |
| 事業距離 | 7.1km(京都線3.3km + 千里線3.8km) | |
| 高架駅 | 「崇禅寺駅」「淡路駅」「柴島駅」「下新庄駅」 | |
| 着工 | 2008年 | |
| 高架線切替 | 2033年度(令和15年度) | |
| 事業完了 | 2036年度(令和18年度) | |
| 総事業費 | 2,681億円(当初1,632億円+694億円増+355億円増)
阪急電鉄が事業費の8.5%を負担、国が約5割、大阪市が約4割を負担 |
|
- 買収予定用地面積14,000㎡のうち99%の土地を取得(2019年4月1日現在)
- 工事は80%まで進んでいる(2026年現在)
地図

阪急淡路駅 (2023年8月 南東から撮影)

阪急淡路駅 (2023年8月 南東側2F)

阪急淡路駅 (2023年8月 南東側2F)

2F(改札階)のオーバーハング部分を施工している

2023年8月撮影(淡路駅の東・京都側)

2023年8月撮影(淡路駅の東・京都側)
奥は「阪急千里線」、手前は「阪急京都線」で2層トラス橋となる

2023年8月撮影(阪急淡路駅の西・大阪側の分岐地点・3工区)

2023年8月撮影
手前は「阪急千里線(大阪メトロ接続)」、奥は「阪急京都線(大阪梅田駅方面)」

2023年8月(天神橋筋六丁目駅方向を撮影)

2023年8月(淡路駅方向を撮影)

2023年8月撮影
淡路駅の大阪側では、高架橋が3本建設されている。
もしかしたら、左側の高架は「留置線」で、真ん中の高架が「阪急千里線(大阪メトロ接続)」かもしれない。
右側の高架は「阪急京都線(大阪梅田駅方面)」で間違いないと思う。

2023年8月撮影
「阪急千里線高架(大阪メトロ「天神橋筋六丁目駅」方面)」
| 工区 | 建設会社 |
| 1工区 | 西松建設・佐藤工業、鉄建建設JV |
| 2工区 | 奥村組・錢高組・熊谷組JV |
| 3工区 | 大林組・ハンシン建設JV |
| 4工区 | 鹿島建設・戸田建設JV |
| 5工区 | 森組・清水建設・フジタJV |
| 6工区 | 鴻池組・竹中土木・青木あすなろ建設JV |
| 7工区 | 大成建設・間組JV |
| 8工区 | 飛島建設・前田建設工業・淺沼組JV |
- 2023年3月に「JRおおさか東線」がJR大阪駅(地下)に乗り入れた。JR新大阪駅にもアクセスがよく、阪急西宮北口駅のようなターミナル駅になる可能性もある。

阪急「淡路駅」(出典 大阪市)

| 4階 | 大阪方面(下り) | 「京都線」と「千里線」(同一ホームで乗換) |
| (大阪梅田、天神橋筋六丁目方面) | ||
| 3階 | 京都方面(上り) | 「京都線」と「千里線」(同一ホームで乗換) |
| (京都河原町、北千里方面) | ||
| 2階 | 改札階 | |
| 1階 | 商業施設・駐輪場(当ブログ予想) | |
- 高架線は(上下2層構造)で、淡路駅部は4階、高さは約30mとなる。

- 阪急淡路駅など4駅の高架工事は3つの工法により施工されている。
阪急「淡路駅」

2023年8月(阪急淡路駅)

2022年3月(阪急淡路駅)

阪急淡路駅 (2023年8月 南東から撮影)

2022年3月(阪急淡路駅)

2021年11月(阪急淡路駅)

2021年1月(阪急淡路駅)

2019年12月(阪急淡路駅)

2019年5月(阪急淡路駅)

| 事業名称 | 阪急淡路駅周辺連続立体交差工事(第4工区) |
| 所在地 | 大阪市東淀川区東淡路~下新庄 |
| 事業者 | 大阪市建設局 |
| 発注者 | 阪急電鉄 |
| 監理 | 阪急設計コンサルタント |
| 施工 | 鹿島建設・戸田建設特定建設工事共同企業体 |
| 規模 | 高架橋(RC構造・PC構造・鋼トラス構造)980m(4線分:京都線・千里線,最大4層構造)
高架ホーム島式2面 |
| 工期 | 2010年3月~2026年3月 |

2023年8月撮影(淡路駅の京都側)
- JRおおさか東線との交差部では「2層トラス橋」となる。
- 奥は「阪急千里線」、手前は「阪急京都線」。
- JRおおさか東線「JR淡路駅」は2019年3月16日に開業した。
- 「阪急淡路駅」と「JR淡路駅」間の距離は約300m(徒歩3分~4分)

2023年8月撮影(淡路駅の京都側)
奥は「阪急千里線」、手前の「阪急京都線」の2重トラス橋
阪急「淡路駅」の京都側(時系列)

2023年8月撮影(淡路駅の東・京都側)


2021年11月(阪急淡路駅の東)

2021年1月(阪急淡路駅の東)

2019年12月(阪急淡路駅の東)

2019年5月(阪急淡路駅の東)

出典 大阪市

2023年8月撮影
手前は「阪急千里線(大阪メトロ接続)」、奥は「阪急京都線(大阪梅田駅方面)」

2023年8月撮影

2023年8月撮影

2022年3月撮影
左は「阪急千里線(大阪メトロ接続)」、右は「阪急京都線(大阪梅田駅方面)」

2021年11月撮影

2021年1月撮影

2019年5月撮影

2023年8月撮影

2022年3月撮影「阪急千里線(大阪メトロ接続)高架」

2021年1月撮影「阪急千里線(大阪メトロ接続)高架」
