
GMOインターネットグループは、現在ではインターネットインフラ、金融、広告・メディア、暗号資産、セキュリティなど幅広い事業を展開する企業グループです。
さらに2026年には、フィジカルAIやヒューマノイドロボットにも本格的に進出しています。
しかし、GMOの原点をたどると、現在とは全く違う「ダイヤルQ2」に行き着きます。
GMOのルーツは1991年に設立された「ボイスメディア」です。
その後、1995年11月に「インターキュー株式会社」へ商号変更。
そして1995年12月、ダイヤルQ2を利用したインターネット接続サービス「interQ ORIGINAL」を開始しました。
当時は、インターネットを利用するためにプロバイダーとの契約や複雑な設定が必要でした。
そこでGMOは、NTTのダイヤルQ2の仕組みを利用し、面倒な手続きなしでインターネットに接続できるサービスを提供しました。
GMO自身も、このサービスを「日本初のダイヤルQ2インスタントプロバイダ」と説明しています。
つまりGMOは、インターネットがまだ一般家庭に普及していなかった時代に、
「インターネットを誰でも簡単に使えるようにする」
というビジネスからスタートしたことになります。
「interQ」という名前は、その後のGMOの事業展開を考えるうえでも重要な意味を持っています。
1995年にインターネット接続事業をスタートすると、その後はサーバーやドメイン、広告・メディアなど、インターネット関連事業へ次々と進出しました。
1997年にはサーバー事業、1999年にはドメイン事業を開始するなど、インターネットの普及に合わせて事業領域を拡大。1999年には株式を店頭公開し、企業としても成長を続けました。
その後、「インターキュー」は「グローバルメディアオンライン(GMO)」へと発展し、現在のGMOインターネットグループへとつながっていきます。
インターネット接続サービスからスタートした企業が、サーバー、ドメイン、広告・メディアなどへ事業を広げ、現在では多様なITサービスを展開する企業へと成長したわけです。
現在のGMOインターネットグループは、2025年12月期の売上高が約2,850億円、従業員数は6,578人という規模にまで成長しています。
GMOの成長を振り返ると、
ダイヤルQ2
↓
インターネット接続(インターQ)
↓
サーバー・ドメイン
↓
広告・メディア
↓
金融・暗号資産
↓
クラウド・セキュリティ
↓
AI
↓
フィジカルAI・ロボット
という流れで、インターネットを中心に事業領域を広げてきたことが分かります。
現在のGMOインターネットグループは「すべての人にインターネット」を掲げ、インターネットインフラ、セキュリティ、広告・メディア、金融などを展開しています。
そして今、その「次の段階」として注目されているのがフィジカルAIです。
2026年、GMOはフィジカルAIへの取り組みを急速に強化しています。
2026年4月には、東京・渋谷のグループ本社に「GMOヒューマノイド・ラボ 渋谷ショールーム」を先行オープン。
約382坪の施設で、GMO AIRやGMO Various Roboticsなどが連携し、ヒューマノイドロボットの研究開発から事業創出までを進めています。
さらに2026年10月には全面開業を予定しています。
また、2026年5月からはJALグループのJALグランドサービスとGMO AIRが、羽田空港のグランドハンドリング業務でヒューマノイドロボットを活用する実証実験を開始。
手荷物・貨物の搭降載や機内清掃などへの活用を検討し、2029年以降の実用化を目指しています。
ここが今回のポイントです。
GMOは、もともとロボットメーカーではありません。
ダイヤルQ2を利用したインターネット接続から始まり、インターネットインフラを中心に事業を拡大してきた企業です。
ところが現在は、
インターネット × AI × クラウド × セキュリティ × ロボット
という組み合わせを作ろうとしています。
フィジカルAIでは、単純にロボットだけを作ればよいわけではありません。
AI、通信、クラウド、データ、セキュリティ、決済など、さまざまな技術が必要になります。
この点では、インターネットインフラを長年手掛けてきたGMOの事業基盤が生きる可能性があります。
GMOは2026年9月15日に「第4回 GMO大会議・秋・フィジカルAI 2026」を開催します。
テーマは、
「フィジカルAI 産官学連携が描く日本の成長戦略」
です。
政府、大学、研究機関、国内外のフィジカルAI企業などが参加し、日本のロボティクスとAIを組み合わせた産業競争力について議論する予定です。
さらにOpenAI、Palantir、Anthropic、NVIDIAなど、世界のAI企業も参加予定となっており、GMOがフィジカルAIを単なる社内プロジェクトではなく、産業レベルのテーマとして捉えていることが分かります。
1995年当時、GMOが始めたのは「インターネットを簡単に使えるようにする」というビジネスでした。
そして30年ほど経った現在、
「AIを現実世界で動かす」
という新しい領域に挑戦しています。
ダイヤルQ2からインターネットへ。
インターネットからクラウド・金融・セキュリティへ。
そして現在はAI、さらにフィジカルAIへ。
GMOの歴史を見ると、時代の変化に合わせて「インターネットの次」を探してきた企業とも言えます。
もちろん、フィジカルAI事業が将来的にGMOの大きな収益柱になるかどうかは、まだ分かりません。
しかし、「ダイヤルQ2から始まった会社が、30年後にはヒューマノイドロボットに挑戦している」と考えると、GMOの事業展開は非常に興味深いものがあります。
今後、GMOがフィジカルAIをどこまで事業化できるのか。
「すべての人にインターネット」の次に、「すべての人にAI・ロボット」という時代を目指すのか、注目したいところです。
